日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
ISSN-L : 0918-0729
14 巻, 3 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 堀田 勝平
    2005 年 14 巻 3 号 p. 227-235
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 土屋 十次, 浅野 雅嘉, 立花 進, 熊澤 伊和生, 川越 肇, 名和 正人
    2005 年 14 巻 3 号 p. 236-244
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    乳癌検診における視触診 (以下, PE), 超音波検査 (以下, US) およびマンモグラフィ (以下, MMG) 各々の検査法で検出し得なかった乳癌症例を比較検討することにより, 三者併用検診の有用性を検証した。3年間に三者併用検診により検出した30例の発見乳癌のうち, PE見落し群は9例, US見落し群は6例, MMG見落し群は7例で, 有病正診率はそれぞれPEが70%, USが80%, MMGが77%であった。ただし, MLOフィールド外で腫瘤を見落した1例を除けばMMGの正診率は79%であった。二者併用検診として見ると, PE・US併用の検出率が90%, PE・MMG併用が93%であるのに対して, US・MMG併用が97%の検出率を示し最も効率が良かった。PEとMMG見落し群は各々の検出群に比し有意に小腫瘤径乳癌が多いが, US見落し群ではUS検出群に比して有意差を認めず, USの見落しは腫瘤の大小ではなく乳癌のUS画像診断上の問題であることが示唆された。PE見落し群はMMG見落し群に比して組織学的浸潤度の低い症例が有意に多い反面, リンパ節転移症例が最も多く, さらにこのリンパ節転移症例はいずれも0.8から0.9cmの小腫瘤径乳癌であった。これらの結果からPEを省略してUS・MMG二者併用検診が効率の良い検診方式と考えられるが, 現行の検診は医師によるPE施行が原則であるため, 結局, 三者併用検診が最良となる。
  • 吉田 初雄, 岩波 洋, 浦住 幸治郎, 片方 直人, 斉藤 貞徳, 佐久間 威之, 佐藤 尚之, 高野 祥直, 土屋 繁之, 中山 浩一, ...
    2005 年 14 巻 3 号 p. 245-253
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    郡山市では2001年度より, 40歳以上を対象としてマンモグラフィ併用隔年検診を開始し, 検診方式は分離併用方式とした。視触診により所見のあるものは要精検とし, 所見のない者に対してマンモグラフィ撮影 (内外斜位一方向) を行った。2003年度までの3年間の受診者総数は15,246名で, 視触診による要精検率3.1%, 発見癌25例 (0.16%), マンモグラフィ撮影数13,310名, マンモグラフィによる要精検率3.9%, 発見癌25例 (0.18%) であった。併用検診全体の要精検率6.5%, 癌発見率0.33%, 発見癌数/要精検数5.0%, 発見癌数/精検受診者数5.6%であった。また, 病期0またはI (早期癌) は32例64%, リンパ節転移陽性は12例24%であった。米国放射線学会BI-RADS (Breast Imaging Reporting and Data System) の検診精度における目標数値と比較した5項目はすべて目標に達しており, 良好な結果であった。今後, 検診精度をさらに向上させるためには, カテゴリー診断の適正化と組織学的検索を含めた精検方法の標準化が望まれる。
  • 小池 綏男
    2005 年 14 巻 3 号 p. 254-258
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    約20年間に長野県がん検診センターの乳腺外来で精密検査を行った初回受診者7,317人を自覚症状の有無に分けて, 受診時年齢別に乳癌のリスクファクターについて検討し, 以下の結果を得た。
    1) 受診時年齢別の乳癌発見率は, 自覚症状有り群の方が無し群より有意に高かった。
    2) 自覚症状の有無にかかわらず受診時年齢が高くなるにつれて乳癌発見率が高くなった。
    3) 自覚症状の有無にかかわらず血縁の乳癌素因の有無, 初潮年齢, 生産児数および人工流産の有無は乳癌のリスクファクターとして有意な因子ではなかった。
  • 饗場 庄一, 遠藤 敬一, 狩野 貴之, 菊地 麻美, 堀口 淳, 鯉淵 幸生, 飯島 耕太郎, 吉田 祟, 高他 大輔, 飯野 佑一, 森 ...
    2005 年 14 巻 3 号 p. 259-267
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    群馬県の集団検診は対ガン協会 (現在の群馬県健康づくり財団) の時代から群馬大学第2学科とその関連病院外科との連携で実施されてきた。昭和56年から平成16年3月までの24年間の検診者総数は907,204名で, 718名の乳癌患者を発見してきた。その年齢分布は50歳代をピークに60歳代, 次いで40歳代, 70歳代である。マンモグラフィ (MMG) の併用は平成13年度から実施された。集団検診に参加している市町村は群馬県内70市町村のうち64市町村で, このうちMMG併用検診は13年度には15市町村 (実施率23.4%), 15年度31市町村 (48.4%) と増加して, 16年度は45市町村 (70.3%) で実施中で, 17年度は61市町村 (88%) の予定である。従来の視触診単独検診での発見率よりも明らかに増加するとともに手術時の腫瘤割面の計測結果からも縮小を認めた。今後はMMG併用検診の受診者を如何に増加させるかが課題である。また, 昭和55年以来の集団検診発見乳癌の臨床病期分類を5年毎に比較した。一方, 県内の癌登録にみる乳癌患者数は460名で, 病院を受診した経緯からみると検診の結果からが46名 (10%) のみで, 有症状者が265名 (57.6%) と多く, 検診対象者の受診率があまりにも少ないことがわかる。また自己検診の実施者・非実施者を初めての検診受診者と毎年の反復受診者および各年齢階層別に調査したが, 何れでも実施率が低い。自己検診励行の啓蒙で乳癌に対する意識を高めることで受診率向上を計り, MMG併用検診の有効性も説得して検診事業に協力を得ることが社会的にも行政的にも重要な課題である。
feedback
Top