超音波とマンモグラフィを併用した乳がん検診の例を栃木県保健衛生事業団の実施する住民検診から紹介した。
平成12年度から平成19年度に実施した出張型の住民乳がん検診延べ約14万件の検討から,超音波とマンモグラフィが乳癌発見にきわめて相補的に機能することが示された。このことは特に40歳代,50歳代の受診者において顕著で,それぞれのモダリティが乳癌発見感度を20%程度向上させていることが示されている。
乳がん超音波検診システムを精度よく十分な効率を確保しながら運用するためのポイントは検査技師および読影医師の技術養成と設備の精度管理,それに過去画像参照などを可能とする画像読影システムのきめ細かい構築である。
超音波とマンモグラフィによる分離併用検診では要精検率の高さが問題となる。その解消のためには過去画像との比較読影が大変有効であるが,さらに両者の情報を加味しながら検査読影を行う超音波・マンモグラフィ同時併用検診とその総合判定システムが期待される。
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