日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
24 巻 , 1 号
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第24回学術総会/シンポジウム1
新しい検診精度管理
  • 2015 年 24 巻 1 号 p. 2
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
  • 中原 博子, 野田 幸代, 田中 美穂, 大村 智美, 田中 眞紀, 山口 美樹, 大塚 弘子
    2015 年 24 巻 1 号 p. 3-7
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    マンモグラムの高い精度を保つためには,撮影装置の精度管理はもちろんのこと,日常の品質管理において,撮影装置による検出器系,画像表示および出力系を確認し,読影医師に質の保たれた マンモグラムを提供することは撮影技師として必須である。そのためには日常管理を継続的に行うことが必要となる。ソフトコピーへのシステムの更新に伴い,従来から行ってきた日常管理に加え,モ ニター管理やビューワーでのファントム画像評価など新たな管理が必要となり,スタッフ間の再教育も必要となってくる。 モニターの品質管理は,画像表示系の一貫性の確保,モニターの異常や輝度の低下を早期に発見し, 裏付けのとれた診断環境を維持していくために必要な管理ではあるが,スタッフの業務負担感も大きくなってきている。無理なく日常管理を行うために,中心となるスタッフにより管理を開始し,順次, 他のスタッフへの教育を行うことにより,ファントム画像やTG18-QC テストパターンの評価は個人間で大きなずれを生じることなく問題なく行えた。しかしながら,管理手順よりもビューワー設置場所までの導線の確保,読影室の照明環境を理解したうえでの評価に関する問題点などが指摘された。 今後は複数台のモニター管理に対応するために,部門を超えての協力体制,他部門に協力していただけるようにシステムを構築するためのメーカーの協力などが必要になると考える。
  • 山田 真矢, 安部 哲太郎, 堀田 勝平
    2015 年 24 巻 1 号 p. 8-12
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構では,継続的に質の保たれたマンモグラムを得るために,一定の基準に従って画質・線量・ポジショニング・システムの評価を行っている。2012年4月からはソフトコピーの施設画像評価が始まり,多くの施設が施設画像評価認定を取得した。しかし その一方で,施設画像評価の受検項目がクリアされていない施設や,精度管理に不備があるため改善を要する施設など,再提出となる施設が多く見られる。 そこで今回,再提出となった原因の分析を行い,改善点について話題を提供した。主な再提出の原因として,乳房構成の理解度,皮膚情報の欠損,CRのイメージングプレート劣化によるアーチファ クト,品質管理記録簿の不備,DICOMビューアへのデータのインポート不可などが挙げられる。こ れらの項目を,理解・改善することにより,適正な精度管理を行うことができると思われる。
  • 篠原 範充
    2015 年 24 巻 1 号 p. 13-17
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    現在,わが国においてディジタルマンモグラムにおけるソフトコピー診断が急速に普及している。これまで施設管理者は,日常的な品質管理として,そのハードコピーより測定,視覚評価を実施してきた。それに対してソフトコピーでは,これらの評価を実施することは困難であり,ソフトコピーのための新たな精度管理法の確立が必要である。しかし,ソフトコピーにおいては,マニュアルや規格などに日常的な管理項目について明記されている項目は少ない。そのため,施設では「製造業者と相談して管理項目の決定と基礎値の設定」と「入力-出力の基礎からの理解」を行い,装置ごとに 個別に管理を進めることになる。 一方,多くの施設管理者は共通的・日常的な品質管理項目や指標となる値を熱望しているのが現状であるが,その確立は困難である。しかし,そのプロセスや手法の標準化は可能である。その重要な ポイントは,受光系,表示系を分離独立して評価することである。しかし,ソフトコピー診断における精度管理の標準化は容易ではなく,複数装置の管理・他施設からのデータの取込みなど医療情報的な問題点や,システム間のLUTの関係性など問題点が山積するのも現実である。 そこで,本稿ではこれらの問題点も踏まえて,ソフトコピー診断により新たに必要となった基礎知識を概説し,6つのパートに分けて記載する。
  • 堀田 勝平, 岡崎 正敏, 遠藤 登喜子
    2015 年 24 巻 1 号 p. 18-21
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    「有効性評価に基づく乳がん検診ガイドライン2013年版」が国立がん研究センターから公表された。この新たなガイドラインは,40~74歳の女性を対象に「マンモグラフィ単独法」が,死亡率減少効果を示す相応な証拠があり,推奨グレードBになったことである。また,撮影方向は一方向よ り二方向の方が5~20%感度が上がることから,50歳以上にも二方向を推奨している。 マンモグラフィによる乳がん検診は,画質を担保した上で,できる限り放射線被ばく線量を低く保たねばならない。しかし,NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構(精中機構)の施設・画像評価 や技術更新講習会での臨床画像では,思いもよらない被ばくをさせている施設が多く見受けられる。 新しいガイドラインは二方向撮影が推奨され,今まで以上に放射線被ばく線量の最適化を行うことで不利益を少なくすることが緊急の課題となっている。本シンポジウムでは平均乳腺線量の現状と線量拘束値を厳守する精度管理を提案する。
  • 須田 波子, 森田 孝子, 丹羽 多恵, 鈴木 るり子, 小林 尚美, 大岩 幹直, 遠藤 登喜子
    2015 年 24 巻 1 号 p. 22-27
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    マンモグラフィのソフトコピー診断では,結果を端末画面へ直接入力する方式が主流になりつつある。これにより,検索性が向上し,いつでもどの端末からでも画像とともに結果の閲覧が可能になった。しかし,多くの読影医は現行のレポーティングソフトウェアに満足していない。部位や所見用語が思い通りに選べない,第一・第二読影の結果が異なってもそのまま通過してしまう,一つのレポートを複数名で上書きするなど,われわれは個々のソフトウェアに多くの不備があるのを認識して いるが,それらは技術・コスト等の理由で放置され,画面の制約に合わせて情報を削る・変質させるなどして入力したり,リスクを抱えながら運用しているのが現状で,読影内容の質的低下が懸念される。2014国際医用画像総合展出展企業,デジタルマンモグラフィソフトコピー診断講習会参加企業などの協力を得てレポート画面を調査したところ,上述の不備のほか,精度管理に役立つ機能が未開発, 施設の要望に応じたカスタマイズが不可能・あるいはカスタマイズしすぎて情報が欠けるなどの問題があった。開発に対するわれわれの要求は,端末画面入力であっても自分の読影プロセスと判断を正しく記録・報告できること,誤判定を減らすこと,時間のロスを減らすこと,精度管理をしやすくすることである。入力画面について,全国からさまざまな要望を広く集め,その優先度を決め,最低限 の要件を標準化することが必要である。
  • 白岩 美咲, 川崎 賢祐, 鳩野 みなみ, 小笠原 豊, 小野 由美香, 千葉 貴子, 高島 嘉依子, 嶋田 美和子, 藤井 久美子
    2015 年 24 巻 1 号 p. 28-34
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    日本乳癌検診学会では,マンモグラフィと超音波検査の総合判定マニュアルが作成されてお り,今後,乳癌検診の場において総合判定の普及が予想されている。検診という効率も考慮しなければいけない場で,精度の高い検診を実現するには,検者が総合判定システムを理解し,各々の能力を向上させることに加えて,マンモグラフィ/音波画像を円滑に表示し,マンモグラフィガイドライ ン乳房超音波診断ガイドライン,および総合判定マニュアルに沿った読影と判定を確実に行い,その結果を容易に記録することができる検診読影レポーティングシステムを普及することが重要になると考えられる。多人数が読影・判定に関与する可能性のある総合判定においては,精度管理や検証の面からも正確に記録された検診読影レポーティングシステムは必要であると思われる。本稿では,当院で構築・導入したレポーティングシステムを紹介しながら,総合判定に適した検診読影レポーティ ングシステムとその必要性・重要性について検討する。
  • 古妻 嘉一, 古川 順康, 古妻 康之, 中山 崇, 石黒 志穂, 高野 真智子, 天辰 薫, 夏野 篤子, 篠原 範充
    2015 年 24 巻 1 号 p. 35-42
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    乳癌死亡の減少に有効なマンモグラフィ検診(MG 検診) が2000年4月に50歳台以上を対象として開始され,2004年4月には対象が罹患率の最も高い40歳台にも広げられた。精度の高いMG 検診がますます要求される時期であった。この年の11月,今から10年前に第14回日本乳癌検診学会総会(会長古妻嘉一,大阪市) がMGの精度向上を主題に開催され,マンモグラフィ検診精度管理中央委員会 (現日本乳がん検診精度管理中央機構;精中機構)による精度管理と同時に受診者数の増加を図り, 有効なMG 検診を推進してきた。10年後の今,MG 検診の効率化を求めて装置はFPD,診断はモニタ(SC)にてMG検診はSFからSC 診断が広まっている。デジタル画像は標本化と量子化で作像さ れ,画素サイズはFPDでは大きいなど「小さい,淡い所見」は表示され難い。石灰化は認識できても形態の判定に迷う,モニタ画面がフィルムより広くて視野が対応しきれず分布の判断に迷う症例も多い。MG検診精度の根幹となる読影の質は,読影認定更新率が低いことから読影力の低下が示唆される。原因として適切なSC診断への対応と「小さい,淡い所見」の症例だけでなく,腫瘤の触知可能な場合にもMG では精査不要とされるなど受診者の不利益に繋がる原因となっている。 乳がん検診には装置メーカーや自治体など検診に関わるすべてが受診者であることを認識し,受診者の立場に立って不利益の少ない検診を提供するよう望みたい。
  • 2015 年 24 巻 1 号 p. 43-44
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
第24回学術総会/シンポジウム2
新しい検診システム
  • 祖父江 友孝
    2015 年 24 巻 1 号 p. 46-49
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    諸外国で実施されている乳がん検診の精度管理の一環として,読影枚数による精度管理がある。例えば,アメリカにおけるMammography Quality Standard Act(1992)では,2年ごとの最低読影枚数を960枚としており,オーストラリアのサウスウェールズ州では1年ごとに2000枚としてい る。カナダのケベック州における研究では,年間500枚未満(検診・診断目的を問わず)の読影医は,500 枚以上の読影医に比べて,疑陽性割合が高く,3000枚まで読影枚数が増えるにしたがって,疑陽性割合は低下するが,感度は読影枚数にあまり依存しないことが報告されている。わが国においても, 同様の検討が望まれる。
  • 鈴木 昭彦, 石田 孝宣, 多田 寛, 渡部 剛, 宮下 穣, 佐藤 章子, 根本 紀子, 藤井 里佳, 大内 憲明
    2015 年 24 巻 1 号 p. 50-53
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    わが国で乳がん検診にマンモグラフィが導入された2000年当時はスクリーン/フィルムによる 撮影が主流であり,検診システムそのものもフィルムを読影することを前提として構築された。その後のデジタル技術の発達に伴い,マンモグラフィの分野でもおよそ9割がデジタル撮影される時代になっている。画像をデジタル化する恩恵は数多いが,中でもソフトコピー診断によるウィンドウ調整や拡大率の可変性は大きな利点である。デジタル撮影の初期にはハードコピーしたフィルムを読影することも多かったが,最近ではソフトコピー診断が急速に普及している。一方でフィルム読影を前提 に構築された検診システムをソフトコピー診断に移行する際には,一次検診としての視触診とマンモグラフィ読影の位置づけや,ダブルチェックの方法,データのトランスファー,医療機関毎に異なる デジタル機器から提供される画像データとビューワの互換性の問題など,全国の個々の医療機関で進むソフトコピー診断の普及とは違った課題も検診現場では現れている。技術の進歩に伴う変化に備えて幅広い観点から準備を進めることが重要である。
  • 大田 浩司, 笠原 善郎, 田中 文恵, 前田 浩幸, 田中 正樹
    2015 年 24 巻 1 号 p. 54-59
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    【目的】福井県乳癌住民検診のデータを用いてマンモグラフィ検診の感度を決める最大要因を検索し,不利益の少ない乳癌検診の個別化実現を目的に検討を行った。【対象と方法】2004年4月1日から2009年3月31日までに福井県乳癌住民検診を受診した延べ62447名を対象とした。地域癌登録と検診台帳とを照合し,真陽性例,偽陰性例を抽出,マンモグラフィ単独の感度,特異度を解析し,さらにこれらを年代別および背景乳腺濃度別に解析した。感度(偽陰性)に対する年齢,背景乳腺濃度, 家族歴のオッズ比解析には,2項ロジスティック回帰分析を用いた。【結果】5年間に167例の検診発見癌と49例の偽陰性癌が診断された。40歳代,50歳代,60歳代,70歳代の感度はそれぞれ69.8%, 66.7%,77.3%,83.8%であった。乳腺濃度別感度では,脂肪性,乳腺散在,不均一高濃度,高濃度 の感度はそれぞれ100%,78.9%,68.5%,33.3%であった。2項ロジスティック回帰分析では,年齢,背景乳腺濃度,家族歴の3項目のうち,背景乳腺濃度のみが有意な決定因子であり (p=0.03, オッズ比0.45),年齢は40歳代でオッズ比が1.29と上昇していたが有意差は認められなかった。【結語】より高度な個別化を実践するためには背景乳腺濃度を個別化指標とした検診システムを提言する。
  • 難波 清, 川見 弘之, 中島 恵, 中村 栄子, 前道 仁美, 森下 結衣, 谷口 佳奈
    2015 年 24 巻 1 号 p. 60-68
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    革新的な自動式三次元乳腺密度測定ソフトウェアは,マンモグラフィ検診の弱点である高密度乳腺のピンチをチャンスに変える力を秘めている。本ソフトを用いた日本人女性の高密度乳腺の年齢分布の調査の結果,年代による層別ではなく,一人ひとりの乳腺密度に応じた乳癌検診の必要性を発見した。そして,本ソフトを用いた個別化乳がん検診を構築し,スタートさせた。本研究では,その経緯とシステム構築の概要,さらに受診者へのアンケート調査による,理解度,受容度,満足度を報告し,これからの個別化乳がん検診の発展のための糧としたい。
  • 東野 英利子
    2015 年 24 巻 1 号 p. 69-77
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    乳がん超音波検診システムとして,つくば総合健診センターの超音波検査方法,検査結果の入力方法,精密検査への紹介と精密検査結果の回収方法を紹介し,超音波検診の結果を述べる。検査では走査方法を統一し,所見は専用のレポーティングシステムを用いて詳細に,かつ省力化できるところは省力化して行っている。以前との比較,マンモグラフィや以前の精密検査結果の参照により,要精検率を抑えることができる。2012年度の結果では超音波検診受診者は7542人,要精検率2.5%,がん発見率0.42%,陽性予知度は16.9%であった。精度管理方法を確立し,質が高く,また有効性の評価ができるような検診が全国で行われることが今後の課題である。
  • 植松 考悦, 大貫 幸二, 東野 英利子, 阿部 聡子, 大岩 幹直, 岡南 裕子, 加藤 直人, 鯨岡 結賀, 野間 翠, 坂 佳奈子, ...
    2015 年 24 巻 1 号 p. 78-84
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    マンモグラフィを用いた乳がん検診の不利益(偽陽性・偽陰性)を減少させて乳がん検診の利益 (乳がん死亡率減少効果)を増加させる方法として,マンモグラフィと超音波検査の“併用乳がん検診” を施行して,各々の所見を総合的に判断する“総合判定”が望ましいと考えられる。2010年4月から 日本乳腺甲状腺超音波医学会(JABTS)において総合判定基準の検討がなされ,その内容は2012年10月の日本乳癌検診学会誌に「マンモグラフィと超音波検査の併用検診における総合判定基準」として掲載された。そして,J―START試験の結果以前に任意型検診を中心にマンモグラフィと超音波検査の併用検診が日本で広く行われている現状から,総合判定の検証と教育が必須かつ急務であることが日本乳癌検診学会研修委員会で議論された結果,2013年4月に総合判定を実際に運用する際の問題点や精度管理に関する検討を行うことを目的とする日本乳癌検診学会総合判定委員会が誕生した。本稿では同委員会で作成された「マンモグラフィと超音波検査の総合判定マニュアル」を基に,総合判定における医師や技師に対する教育の課題について述べる。
  • 2015 年 24 巻 1 号 p. 85-88
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
第24回学術総会/パネルディスカッション3
全国集計の現状と展望
  • 辻 一郎, 笠原 善郎
    2015 年 24 巻 1 号 p. 90-92
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    国における乳癌検診の実態を把握することによって,その精度と有効性(アウトカム)のさらなる向上と検診事業(実施体制,実施手順,精度などの)均てん化を目指すために日本乳癌検診学会全国集計(以下,全国集計)は2011年から行われている。2014年には280施設から約217万名の登録をいただいた。厚生労働省「地域保健・健康増進事業報告」と比べて,集計対象とする年齢や検診方法などの点で,全国集計の方が日本における乳癌検診の実態をより正確に反映できる可能性が高い。さらに 登録者数を増やすことによって,全国集計の学術的な信頼度を高め,社会的な価値を高める取組みが求められる。さらに,全国集計データの研究活用を促進する必要がある。
  • 村田 陽子, 笠原 善郎, 辻 一郎, 大貫 幸二, 鯉淵 幸生, 坂 佳奈子, 古川 順康, 増岡 秀次, 森田 孝子, 吉田 雅行, 雷 ...
    2015 年 24 巻 1 号 p. 93-102
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    日本乳癌検診学会全国集計(以下,全国集計) は2014年度で第4回を迎えた。 今回の結果は,1)登録受診者数は増えたが,登録施設数は第1回を下廻った。 2)集計の状況(5歳階級別,受診歴別,症状有無別)に改善傾向は見られなかった。 3)対策型検診でのマンモグラフィ単独検診の割合が増加した。 4)プロセス指標では 要精検率の低下と陽性反応適中度の上昇が示唆された。 5)技術体制的指標では,システムとしての精度管理の向上が示唆された。 全国集計は対策型検診と任意型検診をカバーし,施設単位での精度管理に直結する統計となる。すでに216万人規模の登録となっており,今後はデータの二次利用や指標の算出を行うことが期待される。また,未登録の施設への働きかけが大きな課題となっている。
  • 大貫 幸二, 辻 一郎, 笠原 善郎, 鯉淵 幸生, 吉田 雅之, 坂 佳奈子, 古川 順康, 村田 陽子, 増岡 秀次, 森田 孝子
    2015 年 24 巻 1 号 p. 103-107
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    検診の精度管理のために,プロセス指標の数値目標を設定することは必須である。ただし,乳癌検診においては,年齢,受診歴,自覚症状の有無などが検診成績に大きく影響を及ぼす。マンモグラフィと視触診の併用検診の全国集計を見ると,要精検率は若年者で高く,乳癌発見率は高齢者で高い。また,初回受診者では繰返し受診者よりも要精検率,乳癌発見率が高く,有自覚症状者を除くと乳癌発見率は低くなる。数値目標を設定するにあたっては,本学会が施設認定のために独自のものを作成するのか,対策型と任意型で数値目標を変えるのか,受診者側の条件をどこまで細分するのかな ど,いくつかの検討課題があるが,全国集計値や海外の動向も参考にしながら,日本においても効果的な数値目標の早急な設定が必要である。
  • 笠原 善郎, 辻 一郎, 大貫 幸二, 鯉淵 幸生, 坂 佳奈子, 古川 順康, 増岡 秀次, 村田 陽子, 森田 孝子, 吉田 雅行, 雷 ...
    2015 年 24 巻 1 号 p. 108-109
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    日本乳癌検診学会全国集計(以下,全国集計)は, 2011年に第1回集計(2008年度分)を行い, 2014年度で第4回を迎えた。現状としての問題点や課題として,登録施設のさらなる増加,登録実施上の諸問題,偶発症の問題,参加施設のインセンティブ,任意型検診における追跡調査と個人情報の問題,データの有効活用などが挙げられ,それぞれについて述べた。 乳癌検診学会全国集計委員会の目的である「全国の乳癌検診の実態を把握することによって,その 精度と有効性のさらなる向上を目指すこと,及び検診事業の均てん化を目指すこと」を達成できるように,今後もデータの有効利用を含めた継続的な活動が必要である。
  • 2015 年 24 巻 1 号 p. 110-112
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
原著
  • 東野 英利子, 梅本 剛, 伊藤 吾子, 鯨岡 結賀, 越川 佳代子, 福田 禎治, 森 千子, 馬 恩博, 高橋 英人
    2015 年 24 巻 1 号 p. 113-122
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    マンモグラフィ検診の感度が乳房構成によって異なることはよく知られている。読影者による乳房構成の評価のばらつきと,マンモグラフィ検診が有用と考えられる脂肪性・乳腺散在性乳房における乳癌の検出感度を検討することを目的とした。[対象と方法] 2011年4月1日から2012年3月31日までの間に筑波メディカルセンター病院で手術または針生検で乳癌と診断され,治療前に二方向のマンモグラフィが撮影された51例 (52乳癌)と同期間に二方向マンモグラフィ撮影が行われた正常または良性の症例の中から乳癌症例と年齢と乳房構成を合わせた99例,合計150症例である。5名の読影者がモニタを用いて4種類の定義による乳房構成の評価と左右乳房に対するカテゴリー判定を行った。[結果] マンモグラフィガイドラインに基づく乳房構成の評価と読影者が通常用いている乳房構成 の評価は一致度がやや高く,乳腺の面積による評価と超音波検査の併用を勧めるかという 内容を加えた評価は一致度が低かった。乳癌の検出感度は全体で61.5~67.3%,脂肪性・ 乳腺散在性の乳房では69.6~81.2%であり,乳房の構成を問わず,50歳以上では71.4~77.1%であった。[結論]一致度の高い評価方法はマンモグラフィガイドラインによる評価であり,脂肪性・乳腺散在性乳房に対する乳癌検出感度は50歳以上に対する検出感度と違いがなかった。
  • 村上 典子, 畑田 俊和, 山崎 真紀子, ウイリアムス 純恵, 長岡 里江子, 沖本 中黄美, 柿本 信二, 時田 善博, 前田 めぐみ, ...
    2015 年 24 巻 1 号 p. 123-131
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    九州圏のマンモグラフィのモニタ診断の現状をアンケート調査した。乳房撮影装置を有する415施設のマンモグラフィ担当の放射線技師に対して,郵送にて送付し回収した。 275施設から有効回答が得られ,回収率は66%であった。 モニタ診断を「導入している」, 「一部導入している」, 「導入予定をしている」が51%と 半数を超えていた。「検討中」を含めると60%を超えており,導入が進んでいた。「導入している」, 「一部導入している」120施設(撮影装置144機)に対して検討を加えた。CR (computed radiography) が61%,DR(digital radiography; flat panel detector system) が37% であった。5Mモニタ使用について,放射線技師の検査時のポジショニングの確認は42%,追加撮影の検討は46%であった。外科医師のレポート作成時は81%であった。放射 線技師の臨床側へ画像を送り出す最終決定環境が医師の読影環境と一致せず,劣る場合が多いことが分かった。モニタの精度管理は,定期的品質管理項目の実施率が低かった。また読影結果の統計管理に対しても実施率が低く,画質,読影環境,検査内容に対する検証が不十分であることが推測された。 アンケートより,検査と診断への責任に対する問題や不安が明らかになった。日本乳がん検診精度管理中央機構のデジタル講習会参加やソフトコピー施設認定がこれらの対策の一助となるが,進んでいなかった。モニタ診断やデジタルマンモグラフィ,精度管理に関する情報の共有を九州圏で積極的に行う必要がある。
  • 杉山 迪子, 大塚 博紀, 児玉 ひとみ
    2015 年 24 巻 1 号 p. 132-138
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー
    現在,視触診(CBE),マンモグラフィ(MMG),乳房超音波(US)いずれかとその組合せが検診に最適かの議論があり,特にCBEは省略可能かについての議論があるが,一定の見解に至っていない。今回,モダリティ別の検出率や検出されない乳癌の特徴を検討 し,CBEが省略可能かについて明らかにすることを目的とした。 2009年1月~2012年10月に当施設での乳癌検診受診者のべ16,112人の女性のうち,44例 の発見乳癌を対象とし,検診・精検・手術記録を調査した。 検出率は,CBE単独40.9%,MMG 単独90.9%,US単独97.7%であり,CBE+MMG 100%,CBE+US 97.7%,MMG+US 100%であり,CBE単独はいずれに比しても有意に低かった。発見時病期別では,Stage0でCBE単独の発見はなく,StageⅠまではCBE単独が他のモダリティ単独より検出率が低く,StageⅡで他と同様となった。検出されない乳癌の特徴は,CBEは「MMG で石灰化」 「USで2cm以下の腫瘤」 ,MMG は「若年者」「高濃度乳腺」 「USで1.5cm以下の腫瘤」 ,USは「MMG で石灰化」であった。検出率の観点からはMMG+USが最良であり,病期分析からはCBEは他に劣後する,検出されない乳癌の特徴を整理するとMMG+USが相補的であり,以上からCBEは省略可能と考えられるが,自覚症状例を確実に医療受診とする必要があると考えられた。 検診での自覚症状例を確実に医療受診とし,MMG+USを検診として実施すれば,検出率の観点からはCBEは省略可能であると考えられた。
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