日本乳癌検診学会誌
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5 巻, 1 号
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  • 安住 修三
    1996 年 5 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 富永 祐民
    1996 年 5 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 寺田 央
    1996 年 5 巻 1 号 p. 14-15
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 大内 憲明, 児玉 宏
    1996 年 5 巻 1 号 p. 16
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 木村 道夫, 吉田 弘一, 大内 明夫, 大内 憲明, 椎葉 健一, 松野 正紀, 武田 鉄太郎
    1996 年 5 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    宮城県対がん協会では, 1977年以来乳癌の集団検診を行ってきた。当初から早期癌の診断を目的として視触診に加えて乳頭分泌物の検索をスクリーニングに取り入れてきた。全体の乳癌発見率は0.1%と他の報告と差はなかったが, T0乳癌の40%は分泌物が唯一の症状であり, 早期癌の診断における分泌物検査の有用性が示唆された。
    その後さらに検診の精度を向上させる目的で, 1989年以来集検のスクリーニングにマンモグラフィを導入する試みを開始した。50歳以上の受検者で触診にマンモグラフィを併用した群では, 乳癌発見率が0.28%で対照の視触診のみの群の0.09%に対して有意に高い発見率を示し, その有用性が強く示唆された。
  • 沢井 清司, 安住 修三, 増田 強三, 児玉 宏, 角野 宏達, 岡村 九郎
    1996 年 5 巻 1 号 p. 23-27
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    生存率の差が, Stage IとIIの間よりStage IIとIIIの間の方が大きい乳癌では, 早期発見よりも進行乳癌 (Stage III, IV) になってから治療を開始する乳癌を減少させることに力点を置いた方が乳癌による死亡を減少させる効果があると考えられる。そこで, 1979年より京都市で行ってきた乳癌検診のうち, 進行乳癌になってから治療を開始する乳癌を減少させるために行ってきた努力について報告する。
    京都方式の特徴は, 外科の開業医を中心に約230名の医師が検診医として参加。一次検診に超音波検査を併用。検診の際, 自己検診の重要性をアピール。超音波読影会の開催などである。検診医に対するアンケート調査では, 「1.0cmの腫瘍でも検診で発見できる」と回答した率は, 検診経験5年未満の医師が58.7%であったのに対し, 検診経験15年以上では92.5%と大きな差を認めた。また, 受診者の腫瘤自覚なしで発見された乳癌症例のうち, 検診医が視触診で腫瘤を発見した乳癌の比率をみると, 前期 (1979~1983) 30.3%, 中期 (1984~1988) 59.5%, 後期 (1989~1993) 70.0%と有意な (p<0.005) 向上を認めた。
    さらに京都市における大多数の外科開業医が占める検診医は, 自らが担当するprirnary careの場においても, 乳腺疾患の診断技術が向上し, より早期の段階で専門医に紹介するようになった。これらの効果と自己検診の普及により, 京都市では今後, 進行乳癌になってから治療を開始する乳癌が減少することが期待された。
  • 早期癌比率の向上
    笹 三徳, 森本 忠興, 山口 哲央, 相良 安信
    1996 年 5 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    徳島県ではマンモグラフィを併用した乳癌検診を行っている。平成7年3月までに1,571名のマンモグラフィ初回受診者から11名の乳癌が発見され, 0.7%の乳癌発見率であった。また, 11例のうち10例が早期癌であり, 早期癌比率は91%であった。この結果は, 従来の視・触診法による結果と比較すると満足すべきものであった。また, 欧米との比較においても同等もしくはそれ以上の成績が得られており, 本邦での乳癌検診にマンモグラフィを導入した場合, 乳癌死亡率減少の得られることが強く示唆された。
  • 上田 泰章, 稲葉 征四郎, 小道 広隆, 中田 雅支
    1996 年 5 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    単独医が奈良県北部で22年間視・触診による乳癌検診を実施してきた。延べ受診者144,520人, 発見乳癌177人, 発見率0.12%, 精検率0.24%, 検診別発見機会別では初回検診乳癌103人, 繰返し検診乳癌74人であった。T1乳癌は103人, T1乳癌率58%と, 病院外来乳癌に比し高率であった。特に繰返し検診1.5年以内発見乳癌では, T1乳癌率は84.4%であった。
    QOLの検討では, 生存率は5生率は93.2%, 10生率は88.5%と, 同時期の病院外来例に比し良好であった (病院外来例 : 5年生存率は83.3%, 10年生存率は71.7%) 。手術術式では初期の1973-1984年では定乳切の比率は54.1%と高いが, 同時期の病院外来乳癌例に比し低値で, 胸筋温存術式は45.9%と多かった。最近の10年間では胸筋温存術式は79.3%と増加し, 乳房温存療法は16例, 13.4%で, 定乳切の比率20.7%と低値となり, 術式面でもQOLの向上は認められた。
    施設一次乳腺外来3年間では60人の乳癌を発見し, 乳癌発見率0.35%と地域乳癌検診に比し3倍高く, 乳房温存療法例は40%と高値であった (p<0.001)。
    T1乳癌発見には, 発見率は低くなっても繰返し検診を1.5年以内に継続して受診することがQOL面で良好な結果を得ることができるので, 医療, 行政からは一般女性に乳癌検診受診と繰返し1.5年以内検診の必要性と効果について情報を提供すべきであると思われる。
  • 坂元 吾偉, 秋山 太, 鈴木 浩一
    1996 年 5 巻 1 号 p. 41-46
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    検診の目標は癌を早期に微小なうちに発見することであり, MMGが有用となる。病理学的にみた乳癌の自然史は, 腫瘤非触知でMMGの微細石灰化で発見される究極の微小癌でも20年の間にはすべて顕在癌になることを示唆している。ただ微細石灰化を指標にした楔状切除生検での癌の割合は約30%であり, 残りの70%の人に対しては過大な外科的侵襲を加えることになる。一方, 病理からみると楔状切除生検の診断手順の普及が望まれる。さらに, そのようにして発見される病変は組織学的に良悪性の鑑別の最も難しい乳頭状病変であり, 病変が微小であることから, 「正しい病理組織診断」が行われることが必要不可欠となる。
    癌研での1992-1993年の2年間に病期IIIの進行乳癌114例について診断が遅れた原因を調査すると, 12症例 (11%) は前医で良性といわれた医療側の責任であり, そのうち7例が検診で見逃されていた点は反省すべきである。腫瘤径2cm以下の10年生存率は90%であることから, すべての乳癌患者が2cm以下で治療されると1年間に4,000人が救命されることになり, 検診の最大効果は現在のところ自己検診の啓蒙にあるように思われる。
  • 阿部 力哉, 岡 隆宏
    1996 年 5 巻 1 号 p. 58
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 田口 哲也, 太田 潤, 堀野 俊男, 坂田 哲啓, 宮本 峯豪, 中本 博士, 井上 共生, 芝 英一, 高井 新一郎, 田口 鐵男
    1996 年 5 巻 1 号 p. 59-67
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    大阪府がん登録と照合して問診視触診による乳癌集団検診 (集検) 受検者の中から中間期乳癌と集検発見乳癌を割り出し, 臨床, 病理および予後について比較検討した。1981年から1988年までの受検者15,385人中, 中間期乳癌は15人 (0.1%), 集検発見乳癌は37人 (0.24%) であった。
    問診事項では, しこり自覚の有無が中間期乳癌と集検発見乳癌を分ける重要な項目であり, 受検者の自己検診による正しい自覚の必要性が示唆された。
    臨床所見・画像診断・病期・病理組織診には中間期乳癌と集検発見乳癌の間に有意差を認めなかった。また, 同時期の外来発見乳癌とも差を認めなかった。
    累積生存率では中間期乳癌, 集検発見乳癌, 外来発見乳癌の間には差はなかったが, 集検後1年以内の中間期乳癌より集検後1年から2年の間に発見された中間期乳癌は予後不良で, 問診視触診による乳癌集検では毎年の受検を奨めることが望ましいと考えられた。
  • 視触診による検診との比較
    大貫 幸二, 大内 憲明, 吉田 弘一, 木村 道夫, 大内 明夫, 椎葉 健一, 横田 憲一, 松野 正紀
    1996 年 5 巻 1 号 p. 69-74
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    1989年より50歳以上女性23,783人に対して, 視触診とマンモグラフィー方向撮影を併用した乳癌の集団検診を行った (検診間隔は2年)。1994年3月までに797人 (3.35%) が要精検となり, 54人 (発見率0.22%) の乳癌患者が発見され, 中間期乳癌は3人登録された。3例の内訳は, 検診後7カ月に診断されたStage IIIa症例と, 検診後20カ月と23カ月目にそれぞれ診断されたStage I症例であった。
    検診後1年以内の中間期乳癌を検診の偽陰性と定義すると, 偽陰性例は1例のみで, 併用検診の感度は98.2%, 特異度は96.9%, 陽性予知度は6.7%であった。
    一方, 同時期の視触診のみの検診を受けた50歳以上の女性は82,568人で, 3,551人 (4.30%) が要精検となり, 82人 (発見率0.10%) の乳癌患者が発見された。1年以内の中間期乳癌 (偽陰性例) は14人であり, 感度85.4%, 特異度95.8%, 陽性予知度2.3%であった。
    以上より, 視触診にマンモグラフィを併用することにより, 中間期乳癌が減少し, より精度の高い検診が行われることが示された。
  • 角野 宏達, 安住 修三, 沢井 清司, 児玉 宏, 増田 強三, 岡村 九郎, 田村 元
    1996 年 5 巻 1 号 p. 75-81
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    京都市では, 多数の開業外科医が検診医として参加し, 1979年度から1994年度の16年間に全員に視触診を行い, 有所見者に超音波検査を行う乳癌検診を延べ279,546名に行った結果, 323例の乳癌を発見した。検診間隔は1年であることから, 中間期乳癌は検診受診後1年以内に, 検診以外の手段で診断された乳癌とした。この期間における中間期乳癌は60例であった。集検発見乳癌と中間期乳癌の比率は, 前期 (1979~1985) の4.1 : 1に対し, 後期 (1986~1994) は7.0 : 1と, 集検発見乳癌に対する中間期乳癌の比率が減少する傾向を認めた。したがって, 検診技術の向上に伴って, 中間期乳癌のうち, いわゆる「見落し例」は減少しつつあるのではないかと考えられた。また, 京都市における中間期乳癌は, 検診時被検者に腫瘤の自覚がなく, 検診医も腫瘤を触知しなかったが, 検診時における自己検診の指導や検診自体の啓蒙効果により, 検診後に腫瘤を自覚して医療機関を受診した症例がほとんどを占めていた。したがって, 自己検診法の指導により, 自己検診で早期に発見される中間期乳癌がかなりの頻度を占めると考えられた。さらに進行度の比較でも, 集検発見乳癌が stage I : 71.0%, II : 19.2%, III : 8.6%, IV : 1.2%であったのに対し, 中間期乳癌は stage I : 73.7%, II : 19.3%, III : 7.0%, IV : 0.0%と差を認めず, 中間期乳癌が検診発見乳癌より悪性度が高いとの所見は認めなかった。
  • 岡崎 稔, 岡崎 亮, 湯山 友一, 佐藤 均, 渡部 芳樹, 平田 公一, 成松 英明, 鍋田 光一, 山田 毅, 岡崎 裕, 浅石 和昭 ...
    1996 年 5 巻 1 号 p. 83-89
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    中間期乳癌を検診後2年以内に検診以外の方法で検出された乳癌として, その特性と意義について検討した。対象は1979年から1994年までにわれわれが行ってきた北海道郡部における乳癌集団検診後に検出された中間期乳癌9例と中間期に自覚症状が出現し繰返し受診で検出された乳癌18例である。検診は視・触診を基本スクリーニングとして行われた。
    中間期乳癌はTis : 1例, Stage II : 8例で, 7例がn0, 2例がn1αであり, 自覚症状出現繰返し受診乳癌は18例中10例 (55.6%) がStageII以上で, n1β・n2が6例 (33.3%) と進行例が多かった。後者は自覚症状出現時に専門医療機関を受診したならば中間期乳癌となったものと思われることから, 検診発見乳癌と対比した。その結果, 中間期乳癌に準ずるものと考えられた。組織型と発育進展様式において, 中間期乳癌は圧排性増殖を示すものが過半数を占め, 自覚症状出現繰返し受診乳癌では乳管内進展型が半数を占めた。このことは前者が後者に比しドラマチックに触知される病型であることを推察させるものである。
    中間期乳癌は検診法の評価の1指標とされる。中間期乳癌には腫瘍増殖速度の速いもの以外に, 本邦における現行の検診法では検診見逃し例や早期発見の難しい発育進展様式を示す乳癌が存在すると考えられる。したがって, マンモグラフィ導入など検診法の改善と受診者への知識啓蒙を図らねばならない。
  • 山本 浩史, 川村 秀樹, 越前谷 勇人, 佐々木 伸, 田口 和典, 高橋 弘昌, 佐々木 文章, 内野 純一, 秦 温信, 田村 浩一, ...
    1996 年 5 巻 1 号 p. 91-95
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    [目的] 中間期乳癌の臨床的特徴を明らかにするため, 以下の検討を行った。
    [対象および方法] 1987年より1994年までの期間に当科に入院した初発乳癌331例を中間期乳癌33例 (中間群) と非中間期乳癌298例 (非中間群) に分類し, さらに中間群を前回の検診から6カ月以内に発見された8例 (半年群) と7~24カ月以内に発見された25例 (2年群) に分類し, T因子, 組織型, n因子, 病期 (Tnm), 自覚症状の有無健存率について比較検討した。
    [結果] 中間群は全例T2以下であり, 病期も肋骨転移の1例を除きII以下であった。中間群は自覚症状を認めない症例が有意に多かった。健存率に有意差を認めなかった。半年群ではT0+T1, n0, 病期1の比率が高い傾向にあったが, 有意差を認めなかった。半年群には再発を認めていないが, 2年群に2例の再発を認めた。
    [結語] 中聞期乳癌と非中間期乳癌の予後に有意差を認めなかった。検診後6カ月以内に発見された乳癌は低進行度傾向を示しており, 6カ月ごとの検診が望まれる。
  • 駒木 幹正, 鎌村 好孝, 田中 克浩, 井上 洋行, 三木 仁司, 大嶺 裕賢, 宇山 正, 門田 康正, 笹 三徳, 森本 忠興
    1996 年 5 巻 1 号 p. 97-104
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    検診後2年間の間に, 検診以外の手段により発見された中間期乳癌の発生要因として考えられることは, 最終検診時に所見を見逃した場合と検診後の短期間に乳癌が臨床的に顕性化した場合である。前者が主な理由であれば, 中間期乳癌には臨床診断の困難であったものが多く含まれることになり, 後者であれば中間期乳癌には増殖性の高い腫瘍細胞からなるものが多いこととなる。今回, われわれは以上の2つの推論を踏まえて, 中間期乳癌26例を中間期乳癌以外の544例と対比・検討し, 中間期乳癌の特徴を明らかにした。その結果, 中間期乳癌は集検発見乳癌, 外来発見乳癌と比べて, (1) 60歳以上の症例が少ない。 (2) 腫瘍細胞の核分裂像頻度が高いものが多い。 (3) c-erbB-2蛋白発現陽性例の割合が多い。そして, (4) 中間期乳癌のn因子は二峰性を示した。以上から, 中間期乳癌には見逃し例の混在も考えられるが, 主として, 増殖性の高い乳癌が多いと思われた。
  • 伊藤 末喜, 泉 喜策, 藤島 則明
    1996 年 5 巻 1 号 p. 105-110
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    1973年から1994年の間に行った乳癌集団検診を受け, その後2年以内に自己発見で確定した中間期乳癌104例について, その特徴を検討した。104例中39例 (37.5%) は見落し例と思われた。中間期乳癌の約半数は自己検診で発見しており, その早期率は66.7%と良好であった。全体としては同期間の検診発見乳癌の早期率と同じ54.8%であった。また, 検診と無関係な一般外来発見乳癌と年齢, 病期を合わせた1 : 1のマッティングテストを行った。中間期乳癌は対象と比較してリンパ節転移率がやや高く, 充実腺管癌がやや多くみられたが, 有意差はみられなかった。平均経過観察期間93カ月で予後に差がみられなかった。
    以上のことから, 中間期乳癌にrapid growingな症例が含まれているとしてもその頻度は軽微であり, 統計的には問題にならないものである。
  • 阿部 力哉, 岡 隆宏
    1996 年 5 巻 1 号 p. 111-120
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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