日本乳癌検診学会誌
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8 巻, 1 号
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  • 綾部 公懿
    1999 年 8 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1999/03/20
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 森本 忠興, 福田 護
    1999 年 8 巻 1 号 p. 9-10
    発行日: 1999/03/20
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 同時併用か分離併用か
    笹 三徳, 森本 忠興, 山口 哲央, 近藤 博之, 黒田 怜子, 光山 南烈, 相良 安信
    1999 年 8 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 1999/03/20
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    徳島県では, 平成3年10月よりマンモグラフィ併用検診を同時併用方式で, さらに平成4年10月より分離併用方式で施行している。平成10年3月までに同時併用, 分離併用でそれぞれ6,991名, 4,156名の受診者に対してマンモグラフィが撮影された。同時では49歳以下が約半数, 分離では50歳以上が約3/4を占める年齢分布であるのにもかかわらず, 要精検率は同時7.9%, 分離9.3%であった。要精検率, 受診者の精神的な負担等からみるとマンモグラフィ併用検診は同時併用が望ましいと思われた。
  • 厚生省班研究報告
    大内 憲明, 遠藤 登喜子, 東田 善治, 堀田 勝平, 今村 惠子, 舘野 之男, 飯沼 武
    1999 年 8 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 1999/03/20
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    本研究では, わが国において乳癌検診にマンモグラフィを導入するにあたってのマンモグラフィの設置状況ならびに品質管理の実態, 読影可能または読影に協力できる医師数などの実態を調査し, 併せて放射線被曝リスク等について調査した。
    調査の結果, 1) 乳房撮影装置は全国2,380施設に備えられていた。うち104施設について乳房撮影における画質・線量の実態調査を実施した結果, 乳房撮影用増感紙一フィルム特性の感度は従来より約2倍高くなっており, 従来に比べて被曝線量の大幅な軽減が期待できることが判明した。今後は, 品質を保証するため撮影の標準化を行い, 精度管理のシステムを構築することが必要である。2) 撮影技術に関しては, 技術講習会を全国的に展開しており, その成果が現れている。技師数は充足しているが, 撮影技術, 品質管理についての教育が必要である.3) マンモグラフィ読影医師に関するアンケート調査では, 全国で2,576名の医師がマンモグラフィ読影に協力可能であり, これをマンモグラフィ検診のガイドラインに沿って, 50歳以上で隔年検診, 受診率30%とした場合, 医師1人当たりの受診者数は全国平均で920名/年 (医師2人で読影の場合は1,841名) と算出された。4) 医師の診断精度を高めるための教育システムが急務であるが, 今回実施した講習会と読影テストのROC解析の結果により, 短期間で診断精度の向上が得られ, 効果的な教育プログラムが具体化してきた。5) リスク・ベネフィット分析では, 検診により期待できる効果に比して, 被曝リスクがずっと低いことが示された。今後は検診者の多様性を考慮し, インフォームドコンセントを実施することが望ましい。以上より, マンモグラフィを導入した乳癌検診が現実的に実施可能であることが明らかとなってきた。
  • 検診間隔との関係
    飯沼 武, 松本 徹, 舘野 之男
    1999 年 8 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 1999/03/20
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    マンモグラフィと視触診を併用する新しい乳癌検診が注目されている。日本乳癌検診学会はマンモグラフィ併用検診に関するガイドラインを発表し, 50歳以上の女性に対し, 2年間隔の検診を勧告した。本研究はガイドラインに則った形で, 併用2年間隔の検診がどのくらいの費用効果比を示すかを推定する。分析は飯沼のモデルにより, 代入する数値はがん研究大内班の関係者のアンケートから求め, 視触診1年, マンモグラフィ併用1年とマンモグラフィ併用2年の3種の検診を比較した。結果は効果は併用1年がもっとも良く, 費用は併用2年がもっとも安く, 費用効果比は併用2年がもっとも良好であった。マンモ併用検診は1年, 2年とも視触診1年に比して費用効果比がよく, とくに2年の場合は費用も安いことが明らかとなった。一方, 併用2年は効果は1年に比してやや劣るものの, 費用効果比は大きく向上する。したがって, 併用2年は選択する価値があると考える。
  • 郡部における集団型総合検診と都市部における個別施設検診の提案
    沢井 清司, 角野 宏達, 寺内 一男, 梅原 誠, 藤原 康典, 蔭山 典男, 中野 昌彦
    1999 年 8 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 1999/03/20
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    乳癌検診の受診率を向上させるとともに検診費用の一般財源化に対応可能な検診システムとして, 郡部における集団型総合検診と都市部における個別施設検診を提案する。
    集団型総合検診は, 基本健康診査と各種のがん検診 (乳がん, 肺がん, 胃がん, 大腸がん, 子宮がんの検診) を同じ日に同じ場所で集団検診として行う方法で, 各種癌の専門医が少ない郡部において受診率を高めるとともに, 検診実施日数の減少により人件費の削減が可能である。1997年度の乳がん検診の受診率は, 京都府全体が8.0%であったのに対し, 集団型総合検診を行った9町では, 24.0~48.3% (平均30.5%) と大幅に高かった。また, 検診実施日数を約5分の1に減少させたことにより, 延べのスタッフ数を約3分の2に減少させることができた。
    一方, 都市部においては, 各種癌の専門医が多く, 受診者が希望したときに希望した施設で検診が受けられる個別施設検診が有効である。1997年度から個別施設検診を実施した宇治保健所管内の成績を前年度と比較すると, 乳がん検診の受診率は8.6%から10.3%と高くなり, 乳癌発見率も0.14%から0.23%と飛躍的に向上した。
  • Group Mass Screeningの提案
    古妻 嘉一, 弥生 恵司, 西 敏夫, 中川 公彦, 畑田 率達, 若狭 研一, 上池 渉, 永山 孝一, 成子 元彦, 池側 美登里, 増 ...
    1999 年 8 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 1999/03/20
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    平成10年度から乳癌検診は老人保健法より除外されたため, 各市町村での財政負担が大きくなり, 検診の縮小・廃止の事態になる危険も予想される。これを避けるには, 受診者に今まで以上に魅力ある検診を提供し, 市町村に対して乳癌検診の継続を熱望してもらう必要がある。そのためには, 低コストでしかも今まで以上に質の良い検診形式が必要で, 私たちはGroup Mass Screening (G.M.S.) 形式 (一度に多数の受診者を集め, 正確な自己検診を行わせて異常を訴えたgroupおよび危険因子の多いgroupのみを医師が診察する形式) を考えたので提案する。この検診形式が行えるためには, 低コストに不可欠な「正確な自己検診法の修得」と「乳癌の危険因子や乳腺疾患についての十分な教育」が必要である。さらに検診の精度向上のため, この検診形式で節減できた財源をスクリーニングマンモグラフィの導入に利用したい。
  • 中原 浩, 難波 清, 深見 敦夫, 前田 資雄, 渡辺 良二, 古澤 秀実, 松 敬文
    1999 年 8 巻 1 号 p. 45-50
    発行日: 1999/03/20
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    マンモグラフィ (MMG) のコンピュータ支援診断装置 (computer-aided diagnosis : CAD) は微細石灰化 (microcalcifications : MC) を鋭敏に検出できる。今回MMGと超音波検査 (US) の併用検診 (視触診なし) でCADを用い, MMGを主にMC検出装置として機能させ, CADが乳癌検診に有効であるかどうかを検討した。441例の乳癌検診者を対象に, MMG (cranio-caudal像とmedio-lateral-oblique像の左右計4枚) とUS検査を施行した。CADにはR2 Technology社 (米国) のlmageChecker M 1000 systemを用いた。MMGをCADで処理後, 微細石灰化のみの検出に, USの結果を主に腫瘤の検出に用いて読影を行った。
    CADは約0.6~0.7個/filmの割合でfalse positive例を認めたものの, MCを100%検出することが可能であった。現在までに2例の乳癌症例が発見され, そのうち1例のMC癌はCADにより正確に検出されていた。
    今後CADのfalse positve rateがcomputerの発達により減少すれば, 読影医の負担の軽減, 読影医の少人数化につながり, 検診のコスト削減が期待される。
  • 森本 忠興, 福田 護
    1999 年 8 巻 1 号 p. 51-56
    発行日: 1999/03/20
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 施設検診10年間の評価
    比企 亮介, 山下 純一, 磯貝 雅裕, 阿部 道雄
    1999 年 8 巻 1 号 p. 57-62
    発行日: 1999/03/20
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    昭和63年に施設検診としてスタートした熊本市乳がん検診における10年間の成績を検討した。受診者数はのべ87,230名であり, うち4,104名 (4.7%) が要精検と判定された。発見乳癌数は計273例であり, これは検診受診者総数の0.31%にあたり, 熊本市を除く市町村を対象とした出張検診方式の熊本県乳がん検診 (0.04%) より著しく高い。発見乳癌を病期別に分類すると, I期とII期の割合は222名 (81.3%) であり, これは熊本県乳がん検診におけるI期・II期の割合 (90.4%) より低く, 熊本大学附属病院第2外科の一般外来を受診して発見されたI期・II期乳癌患者の割合 (74.3%) より高い。熊本市乳癌検診には, 従来から指摘されている外来患者の混入があることが示唆された。
  • 第3報 : デジタル評価と視覚評価
    今村 恵子, 福田 護, 遠藤 登喜子, 小山内 司郎, 東田 善治, 緒方 晴樹, 中山 義昭, 中島 康雄, 松本 徹, 大内 憲明
    1999 年 8 巻 1 号 p. 63-70
    発行日: 1999/03/20
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    ファントム画像の画質のデジタル評価を精度管理に利用する場合, 精度管理上の合格 (もしくは許容) 水準を設定する必要がある。多くのガイドラインなどで採用されている視覚評価と比較するため, ACR規格ファントムの42画像について, デジタル評価と視覚評価を行った。視覚評価は日本乳癌検診学会の「ガイドライン」に沿って3段階で評価した。評価に参加したのは, 長い読影経験を有する医師9名 (Aグループ) および読影経験の比較的少ない外科医5名 (Bグループ) である。Bグループの評価はAグループに比べ全画像について控えめであった。観察者間での視覚評価の変動はAグループにおいても見られるものの, テスト物質の信号対雑音比 (SNR) がある値よりも高い場合には観察者の一致はよく, 「見える」と判定された。境界となるSNRは石灰化第1群で13, 石灰化第3群では7.0, 一番目腫瘤では6.0であり, 対応する画質の到達度 (高画質の画像での各テスト物質のSNRに対する相対値) は順におおよそ0.75, 0.80, 0.70であった。到達度が0.7~0.8以上であれば視覚的にも安定して「見える」と判定され, 精度管理の観点から画質の合格 (許容) 水準の1つの目安になるものと考える。
  • 土屋 十次, 松橋 延壽, 永田 高康, 立花 進, 梶間 敏彦, 星野 睦夫, 右納 隆, 下川 邦泰
    1999 年 8 巻 1 号 p. 71-80
    発行日: 1999/03/20
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    視触診法のみの乳癌検診では検診効果が低いことが指摘されているが, 当院では1986年より受診者全例に視触診とともにセクター方式超音波検査 (以下, US) を併用する乳癌検診を行っており, 総受診者50,378名のうちから61例, 0.121%の乳癌を検出した。このうち, 検診医も精検担当医もともに腫瘤・抵抗を触知しない非触知TO乳癌症例は16例を数え, そのうちの3例は乳頭異常分泌により検出され, 他の13例はUSのみで検出された直径10mm以下の微小腫瘤径乳癌であった。そのうちの非浸潤癌Tis症例は3例, 18.7%のみで他の13例, 81.3%はすべて浸潤癌症例であり, USを併用する乳癌検診では乳房撮影 (以下, MG) を併用する乳癌検診と比較して, 悪性度の高い乳癌をより多く検出していることが示唆された。
    USのみで検出された13例のTO症例は61例の検診発見乳癌のうちの21.3%に相当し, 視触診法のみの検診では見落とされることとなるが, 同様にMGのみの検診でもこの13例のTO症例のうち4例, 30.8%がMGで「所見なし」であったので見落とされることとなる。全例がnOであったものの, そのうちの3例, 23.1%がリンパ管侵襲陽性(ly1~ly2) であり, 4例, 30.8%が脂肪織浸潤陽性であったことから, 触知し得ない微小腫瘤径乳癌であっても看過できないことが判明した。また, USのみで発見された13例のTO症例のうち11例, 84.6%が毎年繰り返し再診例であり, 平均3.5回で直径10mm以下の微小腫瘤径乳癌がUS上の低エコー像のみで検出されていた。有意に有効な生存率を示す乳癌検診を行うためには, 受診者全例にUSを併用する乳癌検診を毎年繰り返して行うことの重要性が示唆された。
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