転位を持つヘテロエピタキシャル成長の表面形態について2次元弾性格子模型を用いたこれまでの研究を紹介する.転位が作る結晶中の非一様な歪み場により,吸着原子は特定のサイトに集められる.その結果,平坦な表面上での次の層の核生成サイトが,転位直上もしくは転位間の中間位置の2つの場合に分かれる.また,いくつかの吸着量でエネルギー最低となる平衡形状を決めることで,吸着物結晶の成長様式を推測した.表面を完全に濡らす通常の半導体結晶の組み合わせを想定すると,格子不整合が大きくなるにつれ,Frank-van der Merwe (FM)成長,Stranski-Krastanov (SK)成長,転位を含むSK成長,転位を含むFM成長と変化する.また,SK成長と転位を含むFM成長間の領域で一時的に島状構造が現れうることがわかった.
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