日本応用動物昆虫学会誌
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10 巻 , 4 号
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  • 渡部 仁, 高野 繁通
    1966 年 10 巻 4 号 p. 167-173
    発行日: 1966/12/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    カイコの5令起蚕におけるp, p'-DDTおよびSumithionに対する感受性について,系統間差異および地理的品種間差異を明らかにするとともに,抵抗性に関するヘテローシスの存在や,抵抗性の遺伝様式を調べて次のような結果を得た。
    (1) 269の保存系統を用いてDDTおよびSumithionのLD50を調べたところ,DDTに関しては平均すると2.1μg/gのLD50を示し,もっとも感受性の低かった系統と高かった系統との間ではLD50に約200倍の差がみられた(LD50: 0.2∼40.4μg/g)。またSumithionにおけるLD50は平均が1.5μg/gで,感受性の程度に関して両極端に位する系統間のLD50には数10倍の開きが認められた(LD50: 0.3∼13.2μg/g)。
    (2) これらの系統のDDTおよびSumithionに対するLD50の頻度分布は,薬量の対数に関してそれぞれ正規分布型を示した。
    (3) 各系統の体重差とDDTに対するLD50との間には相関がなかったが,Sumithionに対するLD50との間には相関があり,その相関係数はr=+0.38であった。
    (4) DDTのLD50とSumithionのLD50との間には相関係数r=-0.42の関係があった。
    (5) DDTとSumithion感受性に関する地理的品種間差異,すなわち日本種,支那種およびヨーロッパ種における殺虫剤感受性の差異は特に認められなかった。
    (6) 交雑F1のDDTおよびSumithionによるLD50は,両親系統の中間か抵抗力の大きい親に似る場合が多く,殺虫剤抵抗性に関しては顕著なヘテローシスは生起されないものと考えられた。
    (7) カイコにおけるDDTおよびSumithion抵抗性の遺伝様式はポリジーン型であって,抵抗性が特定の主要遺伝子に支配されているという積極的な結果は得られなかった。
  • 津川 力, 山田 雅輝, 白崎 将瑛, 小山 信行
    1966 年 10 巻 4 号 p. 174-180
    発行日: 1966/12/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    リンゴハダニの休眠卵を越冬中のいろいろの時期に加温すると,その反応につぎの4型がみられた。A,ふ化しない卵,B,加温後かなりの期間の後休眠を終了し,不斉一にふ化する卵,C,加温後速やかに休眠を離脱して短期間にふ化する卵,D,加温前に休眠を終って形態発育をはじめており,非常に早くふ化する卵。越冬中にA→Dの順に休眠の過程が進行して完了にいたると考えられる。これらの4型の反応のうちA, B, Cは休眠過程の3段階に対応し,各段階には特有の温度反応があるものと推察される。この4型のほかに不休眠卵と思われるものEがごく少数あり,初秋に加温すると直ちにふ化した。
    短期間のふ化率(C)は12月下旬∼1月上旬に急に高まり,1月下旬∼2月下旬に生存卵の100%を占めるようになる。野外条件でも,また人工的に5°CにおいてもC型に到達するに必要な低温期間は約3∼4か月である。したがって発育限界以上の温度がふ化の促進に効果的に作用するのは2月末以降であり,実用上は3月以降の有効積算温度によってふ化日を予察するのが適切であると考えられる。
  • 福原 敏彦, 阿久津 喜作, 渡部 仁
    1966 年 10 巻 4 号 p. 181-184
    発行日: 1966/12/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    オビカレハ,マメドクガ,キアシドクガおよびマツノキハバチの核多角体病の病徴と多角体の形態について記載した。オビカレハの核多角体から分離したウイルスは桿状で300×50mμの大きさであり,2本の桿状粒子が束になっているものが多かった。
  • 大島 格, 藤原 公, 広瀬 安春, 樺沢 ヨウ, 沢田 紀一
    1966 年 10 巻 4 号 p. 185-191
    発行日: 1966/12/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    The percentage of the diseased female moths of silkworms always diminished with high speed in accordance with retardation of eclosion date irrespective of the difference of maturation days of larvae and their combination like that of the previous experiment (OHSHIMA et al., 1966c). In the case of male moths, their diminution velocity fairly decreased and became somewhat irregular. Comparing the result of the present experiment with that of the previous, there exist two great differences: (1) The percentage of diseased female and male moths of larvae that ripened early was inferior to that of the larvae that ripened late in the present experiment, while it was just the reverse in the latter. (2) Reversal in the percentage of diseased male moths occurred only on the day near the end of eclosion where their number greatly diminished in the former, if it happened, while it always occurred on an intermediate day where a great many moths eclosed. When a room was continuously lightened by the electric lamp every night from 0 hour until day break, the eclosion time of diseased female moths moved up and it happened earlier by repeated lightening, but in the case of diseased male moths, this phenomenon was not so conspicuous as that of the diseased female moths.
  • 中山 勇, 長沢 純夫
    1966 年 10 巻 4 号 p. 192-196
    発行日: 1966/12/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    アズキゾウムシ精巣組織に対するmetpaの影響を検討することを目的に,産下卵のふ化を完全に抑制する,薬量10, 20, 40, 100μgを羽化直後の雄に滴下処理した。その結果つぎの事実をあきらかにすることができた。
    1. 処理薬量および経過時間にともなう精巣組織の形態的変化はみられなかった。
    2. 外部形態的には,処理雄×無処理雌および無処理雄×無処理雌の産下卵は正常な形(受精卵)を呈し,雌だけ10匹をひとつのペトリ皿にいれておいた場合の産下卵は,異常な形態(未受精卵)をもっていた。これは処理された雄の精子が,正常な授精能力をそなえていたものと考えられる。
    3. 卵の組織切片による観察では,処理雄×無処理雌の産下卵の発生は,初期卵割まではすすむが,その後の胚盤形成は認められなかった。48時間後に分割核のネクローシスが,96時間後には卵黄の縮少退化が認められた。
  • 高見 丈夫, 杉山 八郎, 北沢 敏男, 神田 俊男
    1966 年 10 巻 4 号 p. 197-204
    発行日: 1966/12/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    卵殼を除去した蚕卵は培養が容易で,これに核型多角体病ウイルスを接種すると種々な組織に多角体の形成が認められた。現在までに多角体形成を確認した組織は漿膜,卵黄細胞,羊膜,皮膚,気管被膜,神経球,前腸,後腸,絹糸腺,筋肉,脂肪体,生殖腺,血球,中腸で,この中には,幼虫では多角体形成のきわめて起こりにくいとされているものも含まれている。
    この結果により,卵培養は,外部からの感染をほとんど完全に防いでウイルスの実験ならびに継代を行なうのに有効な方法の一つであると考え,その方法を詳述した。
    多角体の形成と組織の生理機能との関係および組織に対するウイルスの親和性の問題などについての興味にも言及した。
  • 桐谷 圭治, 中筋 房夫, 法橋 信彦
    1966 年 10 巻 4 号 p. 205-211
    発行日: 1966/12/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ミナミアオカメムシの卵塊の大きさ,幼虫集団の大きさと生存率の関係を自然条件下で調べた。
    第1世代卵塊では両年とも卵塊サイズとふ化率との間には何らの規則性も認められなかった。第2世代卵塊では,平均卵塊サイズの付近で最もふ化率が高くそれより大きい卵塊でも,小さい卵塊でも多少ふ化率が下った。第3世代の卵塊は大きい卵塊ほどふ化率が増す傾向がみられた。しかし卵塊サイズに関係した死亡要因としては極端に小さい卵塊に不受精率が高く生理的に弱い事以外に考えられず,第2世代,第3世代にみられた卵塊サイズとふ化率の見掛上の規則性は卵寄生蜂の活動によるものであるが,寄生蜂がある特定のサイズの卵塊を選ぶことは考えられず,むしろ寄生蜂の寄生活動の時間的な偏りと卵塊サイズの偏りの偶然的な一致によるものと思われた。
    幼虫集団では1令期間中の死亡率は,集団サイズに関係なく一定であり,2令期では,極めて小さい集団で死亡率が高く,後はほぼ一定であった。3令期間中の死亡率は大きい集団ほど低くなる傾向があった。1令初期から4令初期までの全死亡率は3令期間の死亡率の影響をうけ,大きい集団ほど死亡率が低かった。この原因として,働き方に上限をもつクモ等の捕食動物の作用が考えられた。
  • 合田 昌義, 酒井 清六
    1966 年 10 巻 4 号 p. 212-214
    発行日: 1966/12/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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