日本応用動物昆虫学会誌
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11 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 第3報 毛色変化に及ぼす要因
    大津 正英
    1967 年 11 巻 2 号 p. 37-42
    発行日: 1967/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1963年9月から1966年4月まで,トウホクノウサギの毛色変化を起こす要因と,更にその要因の詳細を研究し,次の結果を得た。
    1) 白変期に入った動物に,蛍光燈を1日に12時間以上照射すると,白変がほとんど停止し,褐変期に入ろうとする動物を暗室に入れ,これに1日10時間蛍光燈を照射すると,褐変はほとんど進まない。
    2) 毛色変化の遅速は,蛍光燈の照射時間の長短とほぼ一致し,長いほど褐変を促進し,白変を抑制する。したがって毛色変化を起こす最も重要な要因は,日照時間とみられる。
    3) 毛色変化は,環境温度・周囲の白色または褐色にほとんど影響されない。
  • 奥谷 禎一
    1967 年 11 巻 2 号 p. 43-49
    発行日: 1967/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    In this paper the food-plants of Japanese Symphyta so far known to the writer at present are listed. The plants observed by him or reliabley published are described in scientific names and new or corrected observations are shown with an asterisk on the plant names. The food-plants of family Tenthredinidae will be given in the next paper.
  • 第1報 寄主植物への口針挿入
    内藤 篤, 正木 十二郎
    1967 年 11 巻 2 号 p. 50-56
    発行日: 1967/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ツマグロヨコバイの水稲葉面における口針の挿入開始部位は,一般に中葉脈の両側にある気孔細胞付近が多く,機動細胞や小葉脈上には少ない。しかし2令幼虫では中葉脈上に多かった。
    高圧電気ショック法を用い,植物体に口針を挿入したままの状態で殺し,切片によって植物組織内への挿入状態を調べた結果,ツマグロヨコバイの口針は,左右方向には自由に曲げることができ,口針の先端は維管束,すなわち篩管部ないし導管部に到達しているものが多かった。その際口針の進入にともなって,根状の唾液鞘が形成される。また口針の維管束への到達割合を透視法によって調べたところ,平均70.3%のものが維管束に,29.7%のものが葉肉内に挿入されていた。このことから本種の摂食習性はいわゆる維管束タイプに属するものと思われる。
  • 渡辺 直
    1967 年 11 巻 2 号 p. 57-61
    発行日: 1967/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) トビイロウンカの雌においては,飼料あたりの虫数が少い場合に短ばね型出現率が高くなり,空間あたりの集合は短ばね型出現を抑制していない。ヒメトビウンカの雌では飼料あたりの虫数が少ないことが短ばね型出現の第一条件であるが,空間あたりの虫数が多いことによって短ばね型出現が抑制される。トビイロウンカの雄においては空間あたりの集合が短ばね型出現を促進するが,飼料あたりの集合はこれを抑制する。ヒメトビウンカの雄の短ばね型は著者の行なった実験方法ではごくまれにしか出現しなかった。
    2) 衰弱した芽出しイネでの単独飼育では両ウンカとも雌も雄も短ばね型の出現が全くないか,ごくわずかであった。
    3) ヒトメビウンカにおいて管壁を隔てての視覚による相互認識がはね型に影響するという証明は得られなかった。
    4) 幼虫の芽出しイネ上での分布の仕方は,両ウンカとも1令のみに同一芽出しイネへの集中性が見られた。
  • 永冨 昭
    1967 年 11 巻 2 号 p. 62-65
    発行日: 1967/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    マメハンミョウ幼虫は25°Cで発育するときわめて少数の例外を除いて深い休眠におちいり,そのまま越冬するが,30°Cでは休眠にはいらないか,あるいははいってもその期間は非常に短く共に年内に羽化する。
  • 須貝 悦治
    1967 年 11 巻 2 号 p. 66-70
    発行日: 1967/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    5令期の雌蚕にapholateを1頭当たり,300μgおよび500μgずつ経口的に投与し,産卵数と不受精卵歩合をしらべ,さらに生殖細胞の変化を病理組織学的に検討した。
    5令期いずれの時期の投与でも,著しい産下卵数の減少と不受精卵の発現が認められたが,末期に比較して,初期および中期が特に顕著であった。
    組織学的には投与48時間目頃より,栄養細胞と卵細胞の分化域に存在する細胞がピクノーシスを起こし,一時的に卵細胞形成が中断されるが,およそ120時間後には再び正常にもどるのが観察された。また投与後72時間頃より,5令期卵巣の大部分を占める分化後の細胞のうち,栄養細胞核が顕著なピクノーシスの症状を示した。これらの細胞の異常形態は,その後の時間の経過にしたがって,再び認められなくなるが,化蛹変態を境に栄養細胞,卵細胞ともに前後して崩壊消失した。これに対し,投与当時,栄養細胞が縮小し,卵細胞が発達して,包卵被膜細胞がその周囲に縦列する発育段階に達したものでは,初期の異常化も軽微にとどまり,化蛹後も形態的異常はほとんど示されなかった。また,5令期投与の場合に示される不受精卵は,卵細胞の核質の異常化よりも,むしろ栄養細胞の生理的異常が主因となって誘起されることを考察した。
  • 小原 隆三
    1967 年 11 巻 2 号 p. 71-75
    発行日: 1967/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    カイコの幼虫,蛹,ニカメイチュウの幼虫,ワモンゴキブリの成虫およびイエバエ成虫の体液蛋白の雌雄差をアクリルアミドゲルを用いるディスク電気泳動法によって調べた。その結果,体液蛋白の雌雄差はカイコでは5令中期からある特定の泳動帯で差が明らかとなり,蛹期においても差が認められた。同様に雌雄差はニカメイチュウ幼虫,ワモンゴキブリ成虫そしてイエバエ成虫の体液蛋白でそれぞれ特定の泳動帯で認められた。
    さらにカイコの5令初期幼虫を用い卵巣,精巣の摘出,移植を行ない,それらが体液蛋白におよぼす影響について調べた。その結果,精巣および卵巣の摘出,移植は幼虫の体液蛋白には影響を与えなかったが,卵巣を摘出したKL系統では蛹の中期においてその変化がみられた。
  • 杉本 達美
    1967 年 11 巻 2 号 p. 76-78
    発行日: 1967/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) 15°C短日条件ではトビイロウンカの冬卵(15°C短日産下卵)は夏卵(27.5°C長日産下卵)より卵期間長く,孵化率は低かった。
    2) 冬卵を5°C短日に10∼50日間冷蔵すると孵化が遅延し60日以上では孵化しなかった。一方夏卵を7日以上処理すると孵化しない。
    3) 0°C短日に24時間以上処理すると夏卵は全く孵化しないが,冬卵はわずかながら孵化した。
    4) 冬卵の未孵化卵の多くは眼点期卵であるのに対し,夏卵の未孵化卵の大部分は黄斑期卵であった。
    5) 以上の現象は成虫の飼育密度,age,翅型等に関係なくみられた。
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