1. 前報までの試験結果でウンカ・ヨコバイ類にすぐれた殺虫力の認められた2-クロル-3, 5-ジメチルフェニルN-メチルカーバメート(CXMC), 3, 5-ジメチルフェニルN-メチルカーバメート(XMC), 2-アリル-4-メチルフェニルN-メチルカーバメート(AMPMC)の3種のカーバメート化合物および既存のカーバメート系殺虫剤,CPMC, PHC, MPMC, MIPC, MTMC,カーバノレート,NACの殺虫特性を比較検討した。
2. 局所施用法によるツマグロヨコバイに対する殺虫力,ドライフィルム法によるヒメトビウンカ,ツマグロヨコバイに対する殺虫力はNACがヒメトビウンカに,AMPMCがツマグロヨコバイに対しそれぞれ他のものよりかなり低い殺虫力を示した以外はほぼ同程度の殺虫力を示した。また,ドライフィルム法と局所施用法による殺虫力は同一の傾向を示した。
3. 低温における殺虫力の低下はNACを除き小であった。
4. 殺虫速度について,ヒメトビウンカに対しては殺虫力の劣るNAC以外のカーバメート系殺虫剤ではMIPCがやや遅効性であったが,他はいずれもマラソンと同程度で,PHCがとくに速効性であった。ツマグロヨコバイについては殺虫力の劣るAMPMC以外のものではNACとカーバノレートが他のものに比較して遅効性であった。
5. トビイロウンカに対してはAMPMC, CXMC, XMC, PHCおよびNACなどの効力がとくにすぐれていた。
6. 葉面散布によるポット試験ではCXMC, NAC, PHC,カーバノレートは残効性が他のものよりすぐれ,他はマラソンと同等かまたは劣った。水面施用ではMIPCとPHCはヒメトビウンカ,ツマグロヨコバイに対してかなりの残効性が認められた。
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