日本応用動物昆虫学会誌
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13 巻 , 1 号
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  • 福原 敏彦, 有賀 久雄, 小林 正彦
    1969 年 13 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 1969/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    アメリカシロヒトリの顆粒病の病徴について記載した。顆粒体から分離したウイルス粒子は桿状で300∼350×50∼65mμの大きさであった。罹病幼虫の脂肪組織細胞の細胞質内に顆粒体とウイルス粒子が認められた。顆粒病ウイルスと核多角体病ウイルスの病原性はほぼ同じで,両ウイルスを混合して接種した場合も大差なかった。アメリカシロヒトリの顆粒病ウイルスはカイコ幼虫に対して病原性を示さなかった。
  • 大津 正英
    1969 年 13 巻 1 号 p. 5-8
    発行日: 1969/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1967年5月から11月まで,山形県下の針葉樹幼令人工造林地30個所を選んで,野ネズミを採集し次の結果を得た。
    総数320頭のうちハタネズミ37頭,トウホクヤチネズミ24頭,アカネズミ243頭,そしてヒメネズミは16頭であった。
    概してアカネズミの多い林地にはハタネズミが少ないか,またはその逆である。ハタネズミは山形県の東側に位する奥羽山脈より,西側の出羽丘陵における採集数が多かった。
    また標高の差は,ハタネズミとアカネズミの採集数には影響がなかったが,トウホクヤチネズミは低地より高地の林地における採集数が多かった。なおヒメネズミは標高約1,000mまでの一般の人工造林地よりも,高地の天然林における生息数が比較的多いものとみられた。
  • 茂木 幹義
    1969 年 13 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 1969/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    捕食者ナミテントウ幼虫を種々のシャーレあたり餌(マメアブラムシ)密度で飼育し,その結果から,発育過程にあるナミテントウ幼虫が餌アブラムシの密度調節に役だち得るか否かを知ろうとした。
    1. 各令における1個体1日あたり捕食数(x)は,餌密度(w)の増加に応じて飽和曲線を描いて増加した。
    2. 各令における生存期間(y)は,捕食数が成長可能な最小捕食数以下の時は捕食数の増加に応じて増加すると推測され,それ以上の時は増加に応じて始めは急激に後には緩やかに減少した。
    3. 各令から次令になった時の生存率(Z)は,餌密度の増加に応じてS字型曲線を描いて増加した。
    4. 各令による捕食率Pは,餌密度の増加に応じて始め増加し,ある密度で最高になった後に低下し続ける可能性が高いと推測された。したがって,また,ある餌密度の範囲内ではその調節に役だち得る可能性が高いとも推測された。Pnw%={(x×y)/(w×ln)}×100ここでx: 1日1個体あたり捕食数,y:生存期間,w:餌密度,n:令数,ln: n令の平均最長生存期間。
    5. 各令がその前令の過程の連続としてあらわれる場合の各令による捕食率Qは,餌密度の増加に応じて始め増加し,ある密度で最高になった後に低下し続けた。したがって,ある餌密度の範囲内ではその調節に役だち得る。Qnw%={(x×y×Zn-1)/(w×ln)}×100ここでZn-1: (n-1)令からn令になった時の生存率。
    6. 全幼虫期による捕食率Rは,餌密度の増加に応じて始め増加し,ある密度で最高となった後に低下し続けた。したがって,ある餌密度の範囲内ではその調節に役だち得る。Rw%={1004Σn=1(x×y×Zn)/(w×L)}ここでZn:卵からn令になった時の生存率,L:幼虫の平均最長生存期間。
    7. これらの結果から,発育過程にあるナミテントウ幼虫の捕食は,ある餌密度の範囲内ではその調節に役だつ可能性があるといえる。しかしどの場合でも,捕食率が比較的に高い餌密度では,捕食者は飢えており,捕食者の発育,増殖にとっては比較的に悪い餌密度であった。
  • 赤井 弘
    1969 年 13 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 1969/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    変態期のエリサンの脂肪体細胞に接して出現する3種の血球細胞の電子顕微鏡観察を行なった。
    第I型の血球細胞は,脂肪体細胞質にみられる,いわゆる“脂肪球”に一致する3種のリピッド様小体と不定形の内容物を含む液胞体を包含している。これらの血球細胞は,入戸野(1960)によって分類されたカイコの“顆粒細胞”に相当するものと考えた。
    第II型の血球細胞は,リゾゾーム様小体を包含し,細胞内小器官の発達は不良である。これらの細胞もまた,別種の“顆粒細胞”であるかも知れない。
    第III型は紡錘形でその表面に仮足を有し,粗面小胞体やゴルジ装置も発達している。この細胞をプラズマ細胞と推定した。
    これらの血球細胞は,変態期には脂肪体細胞の細胞質の捕食ならびに“connective tissue sheath”の再生に関与しているものと思考した。
  • 野里 和雄
    1969 年 13 巻 1 号 p. 22-25
    発行日: 1969/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    福岡市箱崎,三苫のマツ林で,1965年から1967年まで,マツツマアカシンムシの新梢での産卵部位について調査を行ない,次のような結果を得た。
    野外でのマツ新梢における産卵箇所は,旧葉部の表皮,針葉の内側または外側,針葉の短枝,球果,芽鱗および新針葉の短枝である。この新梢での産卵箇所を旧葉部と新条部に分けて比較すると,後者よりも前者に多く産卵されている。また産下卵の分布をみると,新芽と旧葉部境界付近に多くの卵が集中しており,その他の部位にはきわめて少ない。
    クロマツ単木での新梢の長さ別の産卵数を比較すると,小さな新梢は産卵されにくく,たとえ産卵された場合でも,1新梢当たりの産下卵数は少ないのに対し,大きな新梢になるほど産卵の対象として選ばれやすく,しかも1新梢当たりに多くの卵が産み付けられている。
  • 浅山 哲
    1969 年 13 巻 1 号 p. 26-30
    発行日: 1969/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    愛知県長久手村内の4地点(三ヶ峯,大脇,越山,北熊)から採集したドクガ幼虫について,罹病実態を調査し,次のことを明らかにした。
    1) ドクガ幼虫の病気には核多角体病,細胞質多角体病,原虫病の3種の病気と,これらの併発病が認められた。
    2) 核多角体病では食欲がなくなるとともに体全体がむくんだ感じになり,死後,急速に形がくずれていった。多角体は0.6∼3.0μ大きさを示し,血球,脂肪組織,気管皮膜組織などの核内に認められた。ウイルスは幅40mμ,長さ400mμの長い桿状を呈し,1∼4本が膜につつまれて,多角体の内外に存在した。
    3) 細胞質多角体病では中腸が白濁していた。多角体は0.5∼3.0μの大きさを示し,6角形で,ブロームフェノールブルーに好染した。
    4) 原虫病では発育が遅れ,病徴があらわれてから死ぬまでの期間は長く,死後,ミイラ化した。罹病虫の中腸は黄白色化しており,その組織には,あらゆる発育段階の原虫を認めた。ある時期の原虫ではギムザ液に好染した。胞子はだ円形をしており,幅0.7∼0.9μ,長さ1.3∼1.6μであった。
    5) 併発病では,原虫と核多角体病ウイルスによる場合が多かった。
  • 竹沢 秀夫, 内田 正人
    1969 年 13 巻 1 号 p. 31-39
    発行日: 1969/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1964年2月から1965年1月にわたり原則として4∼5日間隔にヤノネカイガラムシの寄生葉を採集し,そのたびにこれに寄生しているすべての雌成虫(総計16,932匹)について介殻下幼虫数,産卵経験の有無,卵巣の成熟度ならびに成熟雌成虫の蔵卵数を調査した。結果の概要は次のとおりである。
    1) 越冬世代ならびに第1世代雌成虫の卵巣は1令幼虫の発生に先だち,規則的な発育経過を示した。
    2) 越冬世代ならびに第1世代雌成虫における蔵卵数の消長曲線は介殻下幼虫数の消長曲線に一定期間の幅をもって先行し,ほぼこれと平行的に推移した。
    3) 介殻下幼虫数の消長と葉に分散定着した1令幼虫の発生消長曲線とは第1・2世代とも平行的に推移し,介殻下幼虫数の消長を調べれば自然状態下における1令幼虫の発生推移をは握することができる。
    4) 越冬世代雌成虫を解剖して卵巣を観察し,卵が胚盤形成期以上に発育した雌成虫の50%発現日をは握すれば第1世代1令幼虫の50%発生日を約2ヵ月前に予察できる。
    5) 第1世代雌成虫については卵巣内の卵が卵黄形成期以上に発育した雌成虫の50%発現日を知ることによって第2世代1令幼虫の50%発生日を約1ヵ月前に予察できる。
    なお,雌成虫における生殖巣の発育経過と1令幼虫発生との相互関係から導かれる以上の予察法は卵胎生するすべての昆虫に直ちに適用することができると考えられる。
  • 橋本 皓, 吉田 弘美, 向井 克憲
    1969 年 13 巻 1 号 p. 40-41
    発行日: 1969/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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