山形県の中央部に位置する白鷹山(海抜992m)の東側山腹,標高550∼600mにおいて,アカマツ,スギ,カラマツおよび広葉落葉樹の幼・壮令林において野ネズミを採集し,つぎの結果を得た。
1) ハタネズミは,日当たりのよいアカマツ,スギ,カラマツおよび広葉落葉樹のいずれの幼令林においても採集数が多かったが,カラマツおよび広葉落葉樹の壮令林では,採集することができなかった。
2) ヤチネズミは,スギ,カラマツおよび広葉落葉樹林で陰湿な場所に多く,壮令林より幼令林における採集数が多かった。アカマツ林では,まったく採集することができなかった。
3) アカネズミは,山形県の森林に最も普遍的に生息する。また樹種や林令には,ほとんど関係なく生息する。アカネズミは,ハタネズミの採集が少なかったカラマツ林と,広葉落葉樹林に多かった。
4) ヒメネズミは,アカマツ,スギおよびカラマツ林では,壮令林より幼令林における採集数が多かったが,広葉落葉樹林だけは,幼令林よりも壮令林における採集数が多かった。アカマツ壮令林では,まったく採集することができなかった。
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