日本応用動物昆虫学会誌
Online ISSN : 1347-6068
Print ISSN : 0021-4914
ISSN-L : 0021-4914
18 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 国見 裕久, 有賀 久雄
    1974 年 18 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 1974/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    桑葉粉末をそれぞれ50%, 25%含む人工飼料および桑葉粉末を含まない準合成飼料,ならびにそれらを組み合わせた飼料条件でアメリカシロヒトリ幼虫を飼育して成長を調べ,さらに核多角体病ウイルス(NPV)と細胞質多角体病ウイルス(CPV)を3令起幼虫に同時添食して,感染抵抗性を調べた。得られた結果は次の通りである。
    1. 3令起以後の幼虫を桑葉粉末を含まない飼料で飼育すると,桑葉粉末を含む飼料で飼育したものと比較して,蛹化率は低く,蛹体重は小さく,経過は遅延した。また1, 2令期幼虫を桑葉粉末を含まない飼料で飼育し3令以後を桑葉粉末を含む飼料で飼育すると,蛹化率および蛹体重は全令を桑葉粉末を含む飼料で飼育した場合と異ならないが,経過が遅延し,かつばらつきがみられた。
    2. NPVとCPVによる感染致死率は,桑葉粉末を含まない飼料で飼育した場合の方が,桑葉粉末を含む飼料で飼育した場合よりも著しく高かった。飼料を種々に組み合わせて飼育した場合について,NPVおよびCPVによる感染致死率をみると,飼料の組み合わせによって異なり,特にウイルス添食前に桑葉粉末を含まない飼料で飼育した幼虫が,ウイルスに対して最も感受性が高かった。
  • 仲盛 広明, 伊藤 嘉昭
    1974 年 18 巻 1 号 p. 5-8
    発行日: 1974/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) 1971∼1973年,沖繩県南大東島のサトウキビ畑で,トノサマバッタが大発生した。
    2) 大発生地区の幼虫は体色が黒化し,前胸背板上面が凹み,顕著な集合性を示した。また小規模ながら,成虫の群飛と集合産卵が認められた。
    3) トノサマバッタの孤独相と群生相を分ける形質の一つである,成虫前胸背板上方の形状(第3図のh/P比)をしらべたところ,南大東島大発生地区の標本はいずれもマイナスの値を示し,本州,九州産の孤独相と有意に異った。しかし,大規模な群飛がみられないことから,本個体群は転移相に達したものと判断した。
    謝辞:論文発表にあたり,最初に異常発生の事実を教示され,筆者の一人仲盛の研究に便宣をはかって下さった琉球大学農学部東清二助教授,現地調査に協力された沖繩県農業改良普及員嘉陽宗男氏,南大東村役所産業課佐藤民樹氏,大東糖業農産課岸本忠直氏,沖繩県農業試験場村井実博士に感謝する。また,農業技術研究所の所蔵標本を貸与され,種々御教示頂いた同所昆虫科福原楢男技官に御礼申し上る。
  • 小山 光男
    1974 年 18 巻 1 号 p. 9-13
    発行日: 1974/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    フェロモンによる配偶行動阻害効果を評価する基礎資料を得るために,処女雌トラップを用いてトラップ群からの距離およびトラップで囲んだ面積の大小とつなぎ雌の交尾率との関係をしらべ,交尾に対するトラップの阻害効果を検討した。
    (1) 処女雌トラップ群からの距離とつなぎ雌の交尾率との関係は,野外密度の高い8, 9月においては,トラップ群からの距離に関係なく,ほとんどが90%以上の交尾雌率を示し,トラップの影響はみられなかった。しかし,野外密度の低い5, 6, 11月においては,トラップ群に近いほど交尾雌率は低下し,トラップによって交尾が阻害されることがわかった。ただし,トラップによって交尾が阻害される範囲はあまり広くなかった。
    (2) 処女雌トラップで囲んだ面積の大小とつなぎ雌の交尾率との関係は,一般に囲んだ面積が小さいほど処女雌トラップによる交尾阻害効果が高まることが認められた。この場合前夜半の平均気温とトラップの交尾阻害効果とは関係があり,15°C付近を境として高温側では,配偶行動が可能な時間帯が長く,その行動が活発なために,単純に4台で囲んだトラップの有効性は,15°C以下の場合より劣る傾向があった。
    (3) 以上2試験の結果から,5, 6, 11月などの低密度下もしくは,配偶行動がある程度抑制される温度条件下,すなわち前夜半の平均気温が約15°C以下の条件下では,フェロモントラップによる交尾阻害効果が期待できると考えられた。
  • 松田 一寛, 松本 義明
    1974 年 18 巻 1 号 p. 14-20
    発行日: 1974/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    糖類:供試した糖類7種およびデン粉などのうち,イチゴハムシに対して摂食刺激活性のあったものはショ糖,D-フルクトース,D-グルコースの3種である。3種のうちでは,ショ糖がもっとも閾値が低く,活性も高く至適濃度範囲も広い。D-フルクトースも活性は強いが,閾値は高く,D-グルコースの閾値はD-フルクトースよりいくらか高いとともに,至適濃度範囲がきわめて狭く,活性も前2者に比べると弱い。しかし,ショ糖は寄主のエゾノギシギシ,オランダイチゴに含まれない。D-フルクトース,D-グルコースが本種の寄主植物摂食時の味覚刺激源となっていると考えられる。
    アミノ酸:20種のアミノ酸を試験した結果,活性を示したものは,ショ糖の存在下で0.01MのL-アラニンだけであり,両寄主から同定された16種のアミノ酸および他の3種のアミノ酸には活性が認められなかった。L-アラニンは両植物葉の17種のアミノ酸中ずばぬけて多量に含まれるアミノ酸であり,植物中のアミノ酸の量的分布と活性を有するアミノ酸の種類が一致したことは注目される。
    ビタミン,ステリン・脂質,無機塩:これらのもののうち活性を示したものはなく,ステリン・脂質はむしろ抑制的に働いた。したがって,イチゴハムシの寄主植物摂食の際にこれらの物質が刺激となっている可能性はまずないものと考えられる。
  • 阿部 禎
    1974 年 18 巻 1 号 p. 21-27
    発行日: 1974/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ハタネズミの発生予察に関する研究の基礎として,個体群変動の機構を明らかにするため,1972年1月から同年12月まで,岩手県滝沢村の牧草地において,捕殺法による調査をおこない,生息密度,個体群構成の季節変動および繁殖活動などについて,つぎの結果を得た。
    1) ヘクタールあたりの生息密度は,季節によって異なるものの20∼100頭の範囲にあり,林地にくらべて多い傾向にあった。年間の生息密度の推移は,6∼7月と11月をそれぞれピークとする2山型の季節変動を示した。
    2) 体重にもとづき捕獲個体を幼体・亜成体・成体の発育段階に令区分した。個体群の令構成からみて,越冬個体は8月までに死亡し,夏には春生まれの個体が現われて数は増えるが,これらも冬までには死亡する。ついで秋生まれが現われ,これが越冬個体群になると推定された。
    3) 繁殖期は,5月,7月,9∼10月をそれぞれピークとする3山型を示したが,7月のピークは6月の捕獲個体中の越冬個体の量によって決定されることから,通常は,5∼7月,9∼10月をピークとする2山型であり,生息密度の季節変動の型と一致する。
    4) 個体群変動は,直接的には当年個体の増加と減少によっておこるが,当年個体を生みだす春の越冬個体群の大きさも影響していると考えられる。
  • 川瀬 英爾
    1974 年 18 巻 1 号 p. 28-29
    発行日: 1974/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 村越 重雄
    1974 年 18 巻 1 号 p. 29-31
    発行日: 1974/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • (V) Vamidothionとmalathionの殺虫力におよぼす降雨の影響
    石黒 丈雄, 片山 慈敏
    1974 年 18 巻 1 号 p. 32-35
    発行日: 1974/03/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
feedback
Top