日本応用動物昆虫学会誌
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19 巻, 3 号
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  • III.ニカメイチュウに対する殺虫剤散布の,ニカメイチュウ幼虫およびクモ類の密度に及ぼす影響
    小山 重郎
    1975 年 19 巻 3 号 p. 125-132
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ニカメイチュウの要防除被害水準以下の発生に対し,殺虫剤散布をやめることが,次世代の発生増加をもたらすおそれがないかどうかをあきらかにし,また散布が必要な場合も水田のクモ類に影響の少ない散布法をみいだそうとして,1970∼1973年,秋田県農業試験場において試験をおこない,次の結果をえた。
    1) ニカメイチュウ第1世代被害末期において,株当り約1本の被害茎(要防除被害水準である被害茎率約5%にほぼ相当する)までの範囲では,被害の程度によって老令幼虫+蛹の密度に大差がないので,無散布による次世代の増加の可能性は低い。
    2) 第2世代の被害末期においては,株当り被害茎数が多いほど老令幼虫の密度が高いので,要防除被害水準以下でも散布をやめれば次世代が増加する可能性が考えられる。
    3) MEPまたはクロルフェナミジンの散布によってニカメイチュウ第1世代の場合にはクモ密度の低下が明瞭でないが,第2世代に散布するとあきらかにクモ密度が低下し,特にコサラグモ科への影響が大きい。
    4) 種々のニカメイチュウ防除剤の液剤を常用濃度で第2世代に散布した場合,BHC, EPN, MEPはクモ密度を低下させる効果が大きく,カルタップ,クロルフェナミジンは比較的影響が少ない。5) クロルフェナミジン乳剤の低濃度液を散布したポット稲では5ppmまでニカメイチュウふ化幼虫の食入防止効果が認められた。
    6) クロルフェナミジン乳剤の低濃度液をほ場に散布した試験では,50∼100ppmでニカメイチュウ第2世代にかなりの防除効果が認められ,同時にクモ,特にコサラグモ科の密度はほとんど低下しなかった。したがってクモ密度を維持しながらニカメイチュウ第2世代を防除するには,クロルフェナミジンの低濃度散布が有効と考えられる。
  • 川本 文彦, 川瀬 茂実, 浅井 淳平
    1975 年 19 巻 3 号 p. 133-138
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    50%庶糖クッション法により精製したCPVをネガティブ染色し,電子顕微鏡による観察を行い,以下の事実が判明した。
    多角体由来のCPVおよびfree CPVのいずれにも,突起先端部に直径約12nmの球形粒子(SP)が付着しており,何れも同一の大きさと形態を示した。新鮮標品からの電顕像では,大部分のCPV粒子に2∼3個のSPが付着していたが,中には6個のSPを持つCPV粒子も観察された。これらのSPは,フルオロカーボン,エーテル,DOC,トリプシンによる処理を行っても,付着数に差は認められなかった。
    SPを含むと考えられる共重合体が観察され,ある場合には,その先端粒子はSPと同様にCPV粒子の突起先端部に結合していた。この共重合体はSPを含む3種類の構成成分からなるhexamerあるいはそれ以上のcopolymerと考えられた。
  • 立花 観二
    1975 年 19 巻 3 号 p. 139-143
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    蛹の一時期および成虫期の脈動数は,急速相,停止相,緩徐相の3相を1単位とする変動経過を示すことが,すでに明らかにされているが,急速相は後方より前方へ向かう正脈であり,緩徐相は前方より後方へ向かう逆脈であることを確認し,背脈管における刺激生成部位に移動のあることが明らかとなった。また,その部位の移動は停止相のあと,脈はくの1回欠落のあと,衝突波(心臓部と大動脈部における刺激の同時生成)のあとなどにみられることを明らかにし,羽ばたきや体動のあとでは,しばらくの間移動のないことを認めた。さらに正脈と逆脈の波形についても考察し,正脈は急速な収縮のあと緩やかに拡張し,逆脈は通常の拡張状態から一段と広い拡張があってのち,急速な収縮がありもとの拡張に復するなどの様相を明らかにした。
  • 真梶 徳純
    1975 年 19 巻 3 号 p. 144-148
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    トドマツノハダニの越冬卵の休眠消去時期とふ化時期を平塚産のクリ寄生のものについて調査した。
    (1) 休眠は0∼15°Cの温度範囲で消去されたが,それに必要な期間は10°Cで最も短く75∼100日,15°Cで100∼120日,4.5°Cで120日前後,0°Cでは120日以上であった。
    (2) 平塚では休眠消去は1月下旬から始まり3月上旬には終るものと考えられる。
    (3) 休眠消去後の発育速度と温度との間には15∼27°Cの範囲で直線関係が認められ,これから求めた発育限界温度は5.6°C,有効積算温度は270.3日度であった。
    (4) 平塚における越冬卵のふ化時期は4月下旬∼5月上旬であった。
    (5) 平塚の(最高,最低気温から求めた)平均気温により3月1日を起算日として有効積算温度からふ化日を推定したところ,それは2ヵ年の調査結果とよく一致した。
  • 浅山 哲
    1975 年 19 巻 3 号 p. 149-156
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    コナガ幼虫脂肪体細胞における顆粒病ウイルスの成熟過程に関する電子顕微鏡観察を行った。本ウイルスの成熟順序は1. nucleocapsidの出現。2. nucleocapsidの規則的積層配列。3. nucleocapsidの遊離。4. envelopment。5. encapsulationであり,6. encapsulationの終了がウイルスの成熟時点であった。nucleocapsidは細胞質に新生した膜構造物によりenvelopmentされ,完成したウイルス粒子の一端には,針状突起構造が認められた。封入体蛋白の最初の堆積は針状突起の認められない側のウイルス粒子(ウイルス粒子先端部)に見られ,これに続くencapsulationは針状突起の認められる側(ウイルス粒子後端部)へ進行した。またウイルス粒子の両端部よりencapsulationが進行する例は認められなかった。
    感染の進行に伴い,宿主細胞には2, 3の特異構造が観察された。homogeneous fine granuleは湾曲状に変形した小胞体の内側に出現し,別にリング状構造も小胞体と密接に関連して出現した。しかしこれらの特異構造は,小胞体の退化と共に消失した。compact clumps of materialは細胞小器官の退化消失域に出現した。本構造は他の顆粒病ウイルスにおいてvirogenic stromaと報告されているものと,きわめて類似していた。
  • 横井 進二, 辻 英明
    1975 年 19 巻 3 号 p. 157-161
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    ハクサイ,コマツナ,サツマイモ葉を使い,ヨトウガ,ハスモンヨトウ終令幼虫の食草間における移動性を実験室条件下で調べた。
    ヨトウガでは放飼密度に関係なく食草がハクサイ,コマツナでは幼虫の移動は起こり難く,サツマイモの場合移動がみられた。ハスモンヨトウでは5頭放飼の場合,実験したいずれの食草の組合せでも移動がみられたが,1頭放飼の場合移動がほとんど起こらなかった。
    両種幼虫の食草選好を調べた結果,ヨトウガではハクサイ≈コマツナ>サツマイモであり,ハスモンヨトウではサツマイモ>コマツナ>ハクサイの順位であった。
    以上の結果からヨトウガは生息密度に関係なく食草の相異に敏感であり,ハスモンヨトウは食草の相異にもまして生息密度に敏感に反応して幼虫の移動が起こると考えられる。
    模擬ほ場としてパレットに植えられたコマツナ株群でもヨトウガ幼虫は集中的な食害を示すのに対し,ハスモンヨトウ幼虫は,より拡散的な分布と食害を示した。
    ハスモンヨトウ1頭に対しヨトウガ4または9頭,およびその逆の組合せの2種幼虫混合群の移動実験では,1頭の種は移動が起こらないかあるいは起こり難かった。これは生息密度依存的な移動刺激およびそれを感受して移動する能力の両方に種特異性があることを示している。
  • 中尾 舜一
    1975 年 19 巻 3 号 p. 162-168
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    カンキツ害虫の生物防除の基礎的研究として各地のカンキツ園の捕食性天敵甲虫類及びクモ類の調査をおこない,その天敵相の地域性等について若干の知見を得たので簡単に報告する。
    1. 捕食性甲虫の主要種は第2表の16種のうち,キムネタマキスイ・キイロテントウムシダマシ・ハレヤヒメテントウ・コクロヒメテントウ・キアシクロヒメテントウ等である。
    2. 捕食性天敵相の地域的類似性は,Cλの値によってみると奄美大島と他の地域では全く異なる。他の地域同志では,緯度差が大きい程異なる傾向があるが,九州以外同志では緯度差が小さくても類似性は弱いようである。
    3. 害虫密度と捕食性天敵密度との関係は,あまり明確ではないが,害虫密度が高ければ,天敵密度も高い傾向がみられる。4. 農薬散布と天敵密度との関係は,当然のことながら無散布園の方が天敵密度が高い。
    5. クモ相の地域性については,個体数が少ないので明確ではないが,地域的特異性が若干認められるようである。
  • 津金 良吉
    1975 年 19 巻 3 号 p. 169-175
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    カラスヨトウの生活史を明らにするために,いろいろな飼育温度下での発育日数,夏眠覚せいの条件,平地での越夏成虫の個体数変動,および山地での越夏期間をしらべた。
    幼虫はレタスで飼育可能で,6令を経過した。1令幼虫から蛹まのの発育零点は8.7°Cであって,その間の発育零点以上の有効積算温量は約840日度であった。生存率と発育速度の調査から,幼虫∼蛹までの発育に好適な温度条件は,25°C附近であると推定された。
    いろいろな温度と日長を組み合わせて飼育した結果,成虫が夏眠から覚せいするのは,20°C-11hr照明の条件下でのみ認められた。越夏中の成虫は,平地においても山地と同様に,建物の隙間や屋根裏などの特定な場所に集合しているのが観察され,個体数では夏の期間中ほとんど変動がみられなかった。越夏地への集合の時期は年によって大きく変ったが,越夏地からの分散の時期はほとんど変らなかった。産卵時期は,10月中旬∼12月上旬であると推定され,産れた卵は休眠の状態で越冬することが予想される。
  • 片山 栄助
    1975 年 19 巻 3 号 p. 176-181
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ヒメトビウンカ,セジロウンカ,トビイロウンカおよびツマグロヨコバイの卵巣発育と交尾との関係を,室内飼育虫の卵巣解剖によって調査した。
    1. ウンカ類はツマグロヨコバイよりも卵巣発育速度が速く,羽化後3日目ごろから成熟卵蔵卵個体が出現した。ツマグロヨコバイでは,羽化後6∼7日目になって成熟卵蔵卵個体が出現しはじめた。しかし卵巣発育の個体間差がどの種でも非常に大きく,各種とも調査期間の最後まで,卵巣未発育の個体が10%以上みられた。
    2. ウンカ類では羽化後3日目ごろから交尾が行われ羽化4∼5日後には大半の個体が交尾を完了した。しかし,調査期間中つねに10%以上の個体が未交尾のままであった。これに対して,ツマグロヨコバイは羽化4日後から交尾個体が出現し,その後交尾個体は急増し,羽化後9日以降はすべての個体が交尾を完了していた。
    3. ツマグロヨコバイでは,交尾は卵巣未発育の個体でも,かなりの率で行われたが,ウンカ類では卵巣が発育して成熟卵をもった個体でないと,ほとんど交尾は行われなかった。従って,ツマグロヨコバイは卵巣発育と交尾との関係で,生理,生態的にウンカ類と,かなりはっきりと相違していると考えられた。
  • 若村 定男, 北村 実彬, 高橋 正三
    1975 年 19 巻 3 号 p. 182-186
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    羽化直後のスジマダラメイガ未交尾成虫2対を,腰高シャーレ(径11cm,高さ7cm)に入れ,合成性フェロモンcis-9, trans-12-Tetradecadien-1-ol acetate 100μgを浸み込ませたホルダーを容器内側にとりつけた。2日後から毎日一定時刻に卵を採取し産卵数を調べたところフェロモン処理区には,対照区に比べて1/2産卵日に平均2.8日の遅れが認められた。また,総産卵数は,統計的に有意な差ではなかったが,減少した。フェロモン処理区で産まれた卵からも,対照区と同様に,正常な成虫の羽化が性比ほぼ1対1で認められた。したがって,受精雌への合成フェロモンの影響はほとんどないと考えられる。また,フェロモン量を増しても,ある程度以上の1/2産卵日の遅れや,産卵数の減少は,認められなかった。一方,腰高シャーシに5対,10対,30対と成虫を入れ,同様に処理した場合には,2対の場合に認められたような対照区との差は認められなかった。2対合成フェロモン処理区における産卵の遅れの原因は,合成フェロモンにより交尾,特に初期の交尾がある程度阻害されたことによると考えられる。一方,交尾阻害が完全でなかったのは,腰高シャーレに2対という成虫密度では,偶然の出会いによる交尾が可能であったことを示唆している。
  • 玉木 佳男, 石渡 武敏, 刑部 勝
    1975 年 19 巻 3 号 p. 187-192
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    チャノコカクモンハマキの性フェロモンおよびその構成成分であるcis-9-tetradecenyl acetate (cis-9-TDA)およびcis-11-tetradecenyl acetate (cis-11-TDA)は,室内条件ガラス容器内でこのハマキガの交尾を阻害した。cis-9-TDA,cis-11-TDA,および両者の7対3混合物による90%阻害濃度は20°C, 14L-10D条件下でそれぞれ3, 0.3,および3μg/lであった。trans体による交尾阻害効果はこの条件下ではきわめて低かった。これらの化合物をほ場に均一に蒸散させた場合,cis-9-TDA, cis-11-TDA,および混合物いずれの処理の場合も処女雌トラップの雄の飛来を阻害した。しかし,これらの化合物およびtrans異性体を処女雌トラップに付置した場合には,trans異性体およびその混合物のほうがcis体よりも強く処女雌トラップの誘引性を抑え,室内条件下でもっとも強い交尾阻害を示したcis-11-TDAはむしろcis-9-TDAに劣る誘引阻害を示した。
  • 第2報 日本産3種のアンブロシアせん孔虫の殺虫線量,羽化阻止線量および不妊化線量について
    吉田 忠晴, 深見 順一, 福永 一夫, 松山 晃
    1975 年 19 巻 3 号 p. 193-202
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    アンブロシアせん孔虫のハンノキキクイムシ,シイノコキクイムシをクワの滅菌材,サカクレノキクイムシをクリの滅菌材を用いて飼育,各発育段階の60Coγ線に対する殺虫線量,羽化阻止線量および不妊化線量を求めた。
    その結果(1)羽化48時間以内の成虫に対する照射後12日目における殺虫線量LD50とLD99は,それぞれシイノコキクイムシでは39kradおよび73krad,ハンノキキクイムシでは50kradおよび91krad,サカクレノキクイムシでは94kradおよび130kradであった。(2)羽化阻止線量は5日目卵で3krad, 3令幼虫で5∼7krad,蛹では10krad以上であった。(3)不妊化線量は3種ともすべての発育段階で2∼4kradで,殺虫線量の順序とはまったく相関していない。(4)ハンノキキクイムシの未交尾成虫を照射後交尾させた場合の不妊化線量は,既交尾雌成虫照射の場合と同程度の4kradであった。(5)ハンノキキクイムシ,シイノコキクイムシの既交尾雌成虫に不妊化線量レベルの3∼4kradを照射した結果,雌成虫の羽化は認められないが,雄成虫の羽化が認められた。(6)樹皮下せん孔虫に比較してアンブロシアせん孔虫の羽化阻止線量,不妊化線量はすべての発育段階で感受性が強い。(7)不妊化線量以上の10∼30kradでハンノキキクイムシを照射すると,寄主材へのせん入が阻害され,虫の活動力も弱まることがわかった。従って10∼30kradの照射の線量は,これら木材害虫の防除にきわめて有効であると結論される。また(8)染色体観察の結果,サカクレキクイムシ雌体細胞では2n=40,雄体細胞ではn=20で,ハンノキキクイムシおよびシイノコキクイムシと同じく雄半数性を示した。なおハンノキキクイムシとシイノコキクイムシ染色体の核型分析の結果,両種の染色体構成はかなり異なることが明らかになった。
  • 三国 辰男, 河上 清
    1975 年 19 巻 3 号 p. 203-207
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    緑きょう病菌がその病蚕体液または培養液中に,結果的にはカイコの早熟化を促進し,2眠蚕または3眠蚕を発現させる作用,さらに蛹化または羽化を阻害する作用をもつ物質を生産することを明らかにした。
    1. 緑きょう病蚕のろ過体液を4齢起蚕へ注射することにより,3眠蚕が高率に発現した。
    2. 緑きょう病菌培養ろ液を3齢および4齢幼虫に注射することにより,3齢蚕からは2眠蚕,4齢蚕からは3眠蚕を生じ,その発現率は起蚕時注射区において最も高率であった。なお,他の硬化病菌培養ろ液による3眠蚕の発現はまったく認められなかった。
    3. 緑きょう病菌培養ろ液を注射された5齢幼虫および蛹は,蛹化または羽化をそれぞれ阻害された。
    4. 培養ろ液に含まれる作用物質は,エーテルおよびクロロホルム処理の水層部に,アセトン処理の沈殿部に分別され,温度による影響はうけ易いが,pHによる影響はうけにくいことが知られた。
  • 村越 重雄, 張 清芬, 上門 敏也, 田村 三郎
    1975 年 19 巻 3 号 p. 208-213
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    117種の植物の地上部より得られたメタノール抽出物を人工飼料に混入し,4令起蚕に連続投与して6日間飼育し,カイコの成育におよぼす影響を調べ,その程度によって供試植物を5群に区分けした。
    6日間の飼育中にすべての幼虫が死亡したI群の植物は34種,成育の著しく劣ったII群は16種であった。ついで,III群は19種,IV群は22種で,ほとんど影響の見られなかったV群は26種であった。
    植物の分類学的位置とそれらがカイコの成育におよぼす影響との関係を,同一の科で三種以上を試験した植物について調べたところ,ミカン科,ツツジ科,スギ科,モクレン科,ウコギ科には強い悪影響が認められた。これに対して,ユリ科,セリ科,ショウガ科にはほとんど影響が見られなかった。キク科では悪影響の強いものと弱いものとに分かれた。
    成育に対してはなんらかの影響を示した植物中より25種を選び,それらのメタノール抽出物を分画して活性区を追求したところ,中性区のみに活性のみられたものは10種,水溶性区5種,塩基性区2種,不溶解性区1種で,残り7種は二つ以上の分画に活性が認められた。
  • I. 露地とガラス室におけるアブラムシ類の増殖パターンの比較
    斎藤 哲夫, 小倉 信夫, 巌 俊一, 本多 八郎
    1975 年 19 巻 3 号 p. 214-215
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • コナガ顆粒病に関する研究 第4報
    浅山 哲
    1975 年 19 巻 3 号 p. 216-218
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 鷲尾 宏, 西野 親生, 都筑 啓子
    1975 年 19 巻 3 号 p. 218-220
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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