日本応用動物昆虫学会誌
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2 巻 , 4 号
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  • 巖 俊一
    1958 年 2 巻 4 号 p. 237-243
    発行日: 1958/11/15
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) アワヨトウにみられる相変異の現象を明らかにする手段の一つとして,シャーレ当り1頭および10頭の密度区における幼虫の令数,各令の発育日数,体重,頭幅および摂食量をしらべ,成長のパターンのちがいを知ろうとした。
    2) 1頭区にまれに7令を経過する個体があるが,本種は普通6令を経て蛹化する。4令までは発育日数にちがいはみられないが,5令以後10頭区の個体の発育は促進され,蛹化までの所要日数は1∼2日短縮される。
    3) 体重(眠に計測)は4令までは10頭区のほうが重いが,以後逆に1頭区のほうが重くなる。頭幅は体重より1令おくれて同様の変化を示し,また4令までは10頭区のほうが個体変異が少ないが,5令以後は逆に多くなる。
    4) 摂食量は5令頃より10頭区の個体のほうがやや多く,6令には1頭区の約1.2倍の量を消費する。
  • 吉田 正義, 出島 富士夫
    1958 年 2 巻 4 号 p. 244-250
    発行日: 1958/11/15
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) 圃場におけるハリガネムシの分布の実態を知らんがため,春(大麦畑)秋(白菜畑)の2期ハリガネムシが耕土上層に棲息する時期をねらって,作物を中心とした区劃および植物の根株を単位にハリガネムシを採集して,2年目以降の幼虫に対する個体群の分布様式について調査した。
    2) 秋期および春期における区劃ならびに根株単位の分布様式はいずれもPólya Eggenberger分布に適合した。根株単位の頻度分布は区劃単位のそれに比してχ2検定は高い信頼度で適合した。
    3) 白菜の根部以外の区劃内に棲息するハリガネムシの数は,根部の土壌に棲息するそれに比較してきわめて少ないので,密度を推定するには1区劃全部の土壌を調査する方法より植物の根部の土壤のみを対象とするほうが得策かも知れない。
    4) ハリガネムシの分布が栽培植物に対して高い集中性を示したが,その理由としてa)成虫の産卵は栽培植物の周辺の土壤にばらばらに行われることb)摂食期の幼虫は栽培植物に好んで潜入する性質をもつことc)非摂食期においても栽培植物の真下に当る耕土の下部に潜入していることが考えられる。
    5) 集中性をはばむ事柄として,マルクビクシコメツキの幼虫のように経過の長い昆虫では,栽培植物に集中したものを耕転により分散させることが考えられるが,春期の甘藷の畝立作業や秋期の麦作は2年目以降のハリガネムシが耕土の下層に潜入した後に当るため大きな影響は考えられない。
    6) 大麦畑における頻度分布もおおむね白菜畑におけると同様な傾向を示した。
    7) 調査圃場はいずれも西側が高く東側に低いゆるやかな傾斜地であったが,分布は何れも低い場所に多く認められた。これは成虫が風の当らない日だまりの低地に集中産卵を行うことによるものであろう。
    8) 棲息密度の増加と集中性について,S2/xにより比較すれば,各区とも1より大きく,密度が高くなるにつれて高い集中性がみられ,各区ともPólya Eggenberger分布に当てはまった。
    9) 白菜の被害程度の異なる株を任意に選び根部に棲息するハリガネムシの数を調査した。採集虫数は枯死葉と健全葉の混合株区に最も多く,次は枯死株区,健全株区,欠株区の順であった。
    10) アリの巣やモグラの孔のある場所ではハリガネムシは比較的少なく採集された。また圃場はコガネムシ類の多数棲息する場所であるが,ハリガネムシの密度の多い場所では,コガネムシの幼虫はほとんど採集できず圃場の周辺にのみ少しずつしか採集されなかった。
    11) 圃場に栽培されている植物が少ない場合はハリガネムシもコガネムシの幼虫も根部に集中するが,ハリガネムシは肉食性でもあるのでコガネムシの体内に潜入して同虫を倒すためであろう。
    12) このことはハリガネムシを採集する時,しばしば1頭のコガネムシの幼虫に10数頭のハリガネムシが集中して潜入しているのを観察したり,同じ容器でヒメコガネの幼虫とハリガネムシを混合して飼育する時,コガネムシ幼虫の体内に多数のハリガネムシが潜入することなどにより容易に推察される。
  • 宮武 睦夫
    1958 年 2 巻 4 号 p. 251-257
    発行日: 1958/11/15
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    In this paper I intend to publish bibliographical notes on Scymnus (s. str.) hareja WEISE which has been formerly known as a predacious enemy for some scale insects in Japan, and of this scymnid also to discuss the errorneous or indeterminable specific names used in some Japanese references.
    As the food-scales of S. hareja WEISE, 5 species belonging to 3 families have hitherto been recorded. I could confirm in Matsuyama and its vicinities that S. hareja WEISE attacks the following 3 species belonging all to the family Diaspididae, Pseudaulacaspis pentagona TARGIONI (mulberry scale), Unaspsis yanonensis KUWANA (arrow-head scale) and Aspidiotus cryptomeriae KUWANA (round Japanese cedar scale). And, so far as I have investigated, S. hareja WEISE seems to be most abundant on the Citrus-tree, feeding on U. yanonensis KUWANA.
    According to my present examination, S. hareja WEISE is distributed in Kyushu, Shikoku and Honshu south of Nikko (Tochigi Pref.), except in the lower temperate districts as Shin'etsu, Hokuriku and San'in (excluding Yamaguchi Pref.). OHTA (1929) described yezoensis, a varietas of this species from Hokkaido and he also reported this species from Formosa, but I have not examined any specimen taken in the ranges from Tohoku district to Hokkaido and from Loo-choo Archipelago to Formosa.
    Scymnus (s. str.) seboshii OHTA, 1929, was originally described as a subspecies of S. hareja WEISE and considered later as an aberrant form of the latter by KORSCHEFSKY (1931), MADER (1955), and others. From my comparative study of specimens of the two, typical and aberrant, forms, I came to a conclusion that S. seboshii OHTA is to be separated from S. hareja WEISE as an apparent species, as I have already suggested (1957). S. seboshii OHTA occurs in Mt. Togakushi and Nikko of Honshu and Mt. Ishizuchi of Shikoku, which are the mountainous regions of Japan.
    The typical forms of S. hareja WEISE and S. seboshii OHTA can be easily separated from each other by their elytral markings. Although the median spots of both species vary considerably in their size and shape, being connected frequently with the apical markings (Figs. 1 & 2), the spots of the former always retain the black borders along the suture on the elytra even in the specimen with the largest spots. Apart from the coloration of the elytra, I have illustrated the differences between them in the following structure: the punctation of the dorsal surface, especially of the head; the relative length of the eye to the width of frons between the inner margins of eyes, and the anterior margin of the clypeal area (Fig. 3, A & C); the femoral lines and the punctation on the area adjacent to the lines in the first visible segment of venter (Fig. 3, B & D), and the punctation of the other segments of venter; the angle formed by the side margin of pronotum and that of elytra; the male genitalia (Fig. 4) and the female genitalia (Fig. 5).
  • 岩田 俊一
    1958 年 2 巻 4 号 p. 258-263
    発行日: 1958/11/15
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    イネカラバエに対する抵抗性並びに出穂期の異なる10品種を供試し,第1化期および第2化期における被害の発現と幼虫の生存率をしらべたところ次のような知見が得られた。
    1) 出現した傷葉は第1化期と第2化期では非常に異なり,第1化期では3∼4枚の食葉で蛹化できるのに第2化期では3∼4枚の葉を食っても幼穂を食わなければ蛹化できない。
    2) 産卵茎のうち被害の出る茎の割合は抵抗性の強弱には関係せず,第1化期においては平均87%,第2化期においては平均35%で,前者のほうが2倍以上の値を示した。
    3) 第1化期においては品種間における幼虫生存率の差は若令幼虫期に決定され,幼虫末期における死亡率は各品種一様に作用する要因に支配されるところ大である。
    4) 第2化期においても抵抗性の強い品種では若令死亡が多いが,傷葉を作った幼虫の死亡率即ち傷穂茎内に蛹の存在しない割合は早生品種では高く中∼晩生品種では低い。
    5) 第2化期においては出稲期の早い品種では傷穂が出やすい傾向があり,晩生品種では食葉中の死亡率が第1化期より高いので,傷穂の出現は少なくなる。
    6) 以上の事柄が総合された結果,産卵茎に対する幼虫生存率は第2化期では第1化期より全般的に低い。
  • 西垣 定治郎
    1958 年 2 巻 4 号 p. 264-270
    発行日: 1958/11/15
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) 世界各地産のコクゾウCalandra oryzae L.とココクゾウC. sasakii TAKAHASHIの各4系統をつかって発育速度と増殖率(1日当り平均次代羽化数)に及ぼす米の含水量と温度の影響を調べた。使用した系統はコクゾウでは,日本(JL),オーストラリア(AL),インドネシア(ID),米国ミズリー(UM)産,ココクゾウでは日本(JS),オーストラリア(AS),ネパール(NE),カナダ(CA)産のものであった。
    2) 米の含水量12.2, 14.7, 15.5, 16.7%の下では一般に発育速度は含水量とともに増す。その影響を受ける割合は系統によって異なるが,JL, AL, CA, NEはID, UM, JS, ASに比して大きい。
    3) 米の含水量が高くなると共に増殖率も増す。各系統間の差異は,発育速度におけるよりははっきりしないが,ほぼ同様の傾向を示す。
    4) 20, 25, 30°Cの各温度条件下における発育日数は,おおむねコクゾウよりもココクゾウの方が長い。積算温度法則より求めた発育零点はコクゾウの方が低い。有効積算温度は一般にコクゾウの方が小さい。
    5) 一般に25∼30°C間における羽化数増加率は20∼25°C間におけるそれに比して,コクゾウでは減少するがココクゾウではむしろ増加する。
    6) 各温度条件下における雌雄の発育日数は,コクゾウでは雌は雄より短い。ココクゾウにおいても30°Cでは同じく雌が短いが,20, 25°Cでは逆に雄のほうが短い。
    7) 以上の結果から,コクゾウ類の発育速度と増殖率に及ぼす米の含水量の影響の差は,各系統間のクロス型と貯穀型という生活の様式のちがいを示し,温度による差はコクゾウ,ココクゾウ両種間のちがいを明らかにするものと考えられる。
  • 草野 忠治
    1958 年 2 巻 4 号 p. 271-284
    発行日: 1958/11/15
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    WarfarinによるPTの延長はprothrombin, pro-thrombinogen, SFの減少,antithrombinの増加,血中のLFとprothrombinの量的不均衡によりpro-thrombin転化時間,thrombin形成時間が延長し,thrombin生成量の減少,fibrinogen転化時間,fibrin形成時間が延長することによるものである。さらにprothrombinの減少以上にSFが著しく減少するのでprothrombin転化量は少なくなり,したがってfibrin量の減少,血清fibrinogen消失時間の延長,血餅収縮力の減退がおこるのである。
    Warfarin中毒による凝血障害は血友病と種々の点でことなる。
  • 正木 進三
    1958 年 2 巻 4 号 p. 285-294
    発行日: 1958/11/15
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ユウマダラエダシャクの生活史は夏世代の蛹の休眠と冬世代の幼虫のゆるやかな摂食発育によって特徴づけられている。このやや風変りな生活史をなりたたせている因果関係を知るために休眠を左右する環境条件を分析した結果,次のことがわかった。1)この虫は幼虫期の日長に対して蛹期に3種の反応を示す:照明時間がa)長い(14∼16時間)場合には休眠期の長い夏型の蛹になり,b)中くらい(11∼13時間)では休眠の短い秋型の蛹が現われc)短い(7∼9時間)場合には休眠しない冬∼春型の蛹になる。2)高温は長日と,また低温は短日と同じ効果をもつ。このような型の反応は夏に活動する多くの長日昆虫とは逆であり,このシャクガは短日昆虫と呼ぶことができる。この結果にもとづいてユウマダラエダシャクの生活史がなりたつゆえんを因果的に説明することができる。
  • 岡田 益吉
    1958 年 2 巻 4 号 p. 295-296
    発行日: 1958/11/15
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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