日本応用動物昆虫学会誌
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24 巻 , 3 号
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  • 中村 寛志
    1980 年 24 巻 3 号 p. 137-144
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    集合性昆虫の一種であるマツノキハバチの幼虫について集団サイズ別分離飼育を行い集合効果の検証をするとともに,幼虫集団の摂食過程と集合形態の調査を行った。
    1. 集団サイズ別分離飼育における令期間は1頭区の1, 2令期が他の集団サイズより長くなったが,繭重量に関しては差がみられなかった。また集団サイズと生存率の関係は1, 2, 3, 5頭区で55∼60%,7頭区で77%, 10, 20頭区ではほぼ100%であった。
    2. 不適な餌による集団サイズ別分離飼育においても10, 20頭区はほとんど死亡がみられず集団サイズが小さくなるにつれて死亡率が高くなった。
    3. 孵化幼虫はアカマツの枝の先端に集団を形成するが,1令幼虫では1葉につき約8頭の小集団に分かれて摂食した。また脱皮時には葉の基部に多くの個体が集まり密な集団を形成した。
    4. 以上のことから明らかになった本種幼虫の摂食集団と脱皮集団という2種類の集合形態の生態的意義を考察した。
  • 斉藤 修
    1980 年 24 巻 3 号 p. 145-149
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    アワノメイガ幼虫の生存率,増体重に及ぼすトウモロコシの生育段階の影響について岩手県盛岡市の圃場で調査し,また,温室内で播種時期を変えて栽培したトウモロコシにアワノメイガを接種して調査した。
    その結果,圃場においてアワノメイガ第1世代幼虫はトウモロコシの栄養生長期から生殖生長期を,第2世代幼虫は登熟期を摂食した。これらの幼虫の生存率は第2世代が第1世代より高い傾向を示した。また,蛹体重は第1世代が第2世代よりやや重かった。
    温室内における実験の結果,生殖生長期以後のトウモロコシを摂食した場合に幼虫食入時,及び生長期間の生存率は高かったが,栄養生長期のトウモロコシを摂食した幼虫は食入時の生存率が低いばかりでなく,生長期間の生存率も低かった。生殖生長期後期から登熟期前期のトウモロコシを摂食した幼虫の体重は最も重くなり,これよりも若い時期あるいは登熟の進んだ時期のトウモロコシを摂食した幼虫の体重は軽くなり,これは蛹体重にも反映された。これらの結果から,圃場におけるアワノメイガ幼虫の生存率,増体重は摂食するトウモロコシの生育段階に影響されることがわかった。
  • 江村 一雄, 小嶋 昭雄
    1980 年 24 巻 3 号 p. 150-156
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1. イネクビボソハムシの幼虫加害によるイネの被害許容密度は,現状における利用上の安全性を考慮して,加害最盛期の株当り3令以上の幼虫数で約3.5頭と推定した。
    2. 被害許容密度と水田での卵に対する3令幼虫期までの生存率の関係から,産卵最盛期の卵密度を指標とした要防除密度は,株当り約8粒と推定した。
    3. 越冬成虫の本田侵入最盛期における成虫密度による要防除密度は,株当り約0.1頭と推定した。ただし,この値は卵密度による推定値より精度は低くなる。
    4. 卵塊のほ場内分布はランダム分布で,成虫では集中分布と推定された。要防除密度に従って防除要否を決めるために必要で,実用的に調査可能な調査株数は,卵密度を指標とする場合は1ほ場当り18ヵ所で,1ヵ所2株あて調査すれば,ほぼ満足できる精度が期待できる。成虫では卵塊と同じ調査精度を期待することは困難であり,推定精度は低くなるが,1ほ場当り4ヵ所で1ヵ所25株を調査して利用せざるを得ない。
  • 前川 秀彰, 木村 敬助, 最首 直子, 赤井 弘
    1980 年 24 巻 3 号 p. 157-166
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    多糸量系と少糸量系は,欧州種の1種,Pyrénées種(H5)から50代にわたって,その繭層歩合によって継代分離し,少糸量系では裸蛹がみられるほどその絹生産能力が低下した。
    多糸量系の後部絹糸腺は,その超微形態および核酸量において実用蚕品種と大差はみられなかった。しかし,少糸量系では,多糸量系に比し核の分岐の程度が低く,核小体数も少く,粗面小胞体にはラメラ状構造が形成され,またゴルジ装置内のフィブロイン基本繊維の数も減少していた。これらの形態的観察は,少糸量系では細胞内でのフィブロイン合成活性が明らかに低いことを示している。
    リボゾームRNAおよびフィブロインmRNAの合成比は,両系の間で差は見られないが,DNAおよびRNA量は少糸量系の約1/3に低下していた。したがって,少糸量系における超微形態的変化は,フィブロインmRNAを含む全RNAの量的減少を伴うDNA量の低下によって生じたと思考される。
  • 一瀬 太良, 柴崎 史郎, 太田 正義
    1980 年 24 巻 3 号 p. 167-174
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ブロイラー用鶏舎に大発生して,鶏舎壁面の断熱材に多大の穿孔被害を与えているガイマイゴミムシダマシAlphitobius diaperinus PANZERについて,これらの原因を明らかにするため実験を行い,次の結果を得た。
    1. 本種の発育は30°C内外の高温によって著しく促進されるが,15°Cではいずれの態も発育できない。3日以上の7°C接触は著しく孵化を阻害した。また高密度条件は発育を速め,死亡率を減少させた。
    2. 産卵は羽化4日後から認められ,死ぬまで続いた。水の供給を絶つと産卵しなくなる。30°Cにおける成虫の寿命は2∼3ヵ月であった。
    3. 断熱材に穿孔するのは,老齢幼虫のみであり,これは蛹化のためである。若,中齢幼虫および成虫は,断熱材と水のみでは生存できない。
    4. ポリウレタンフォウム,発泡ポリスチレン類は著しく穿孔され,またグラスウールや脱脂綿も著しい潜入を受けた。しかし幾種類かのコーティング処理は,いずれも穿孔を妨げた。
    5. 本昆虫のアミラーゼ活性は著しく高く,典型的な貯穀害虫であることを示している。その最適pHは4.6∼4.8であり,発育速度と一致して35°Cに最大活性を示した。
    ブロイラー用鶏舎における高温,多湿,および栄養条件は,本昆虫の発育と増殖に好適であり,加えて断熱材が蛹化,蛹期,および羽化の安全を保障することにより,大発生を招いたと考えられた。
  • 内田 正人
    1980 年 24 巻 3 号 p. 175-183
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    鳥取産ナシ寄生のナミハダニとカンザワハダニについて休眠の実態を調査した。
    (1) 両種ハダニの16°Cにおける休眠誘起の臨界日長は12hr前後であった。20°C以上の高温では休眠が阻止される傾向がみられた。
    (2) 両種ハダニは10月上旬には約半数が休眠雌であった。これらの雌の育った光周感応期の日長時間は12∼12.5hrであった。ナミハダニは11月上旬,カンザワハダニは11月下旬にすべて休眠雌となり,後者の休眠雌の出現は緩慢であった。
    (3) ナシ樹主幹部へとりつけた誘殺バンドへの越冬雌の侵入は,ナミハダニでは10月中旬,カンザワハダニでは10月上旬がピークとなった。越冬場所は前者がナシ樹皮間隙,後者がナシ樹上(誘引なわ,樹皮間隙),落葉などであった。
    (4) 両種ハダニ休眠雌の越冬数は秋季のナシ葉上のハダニ密度に依存しており,9月下旬の葉当たり密度あるいは9∼10月の発生量から越冬数を予察することが可能である。
    (5) 両種ハダニ共休眠覚醒の時期は早く,12月下旬までに60∼90%が休眠から離脱し,特にカンザワハダニの休眠は浅いことがうかがえた。11月中旬から約4°Cで低温処理したところカンザワハダニは約30日,ナミハダニは約40日で半数以上のものが休眠から離脱してきた。
    (6) 越冬場所からの離脱は2月下旬より3月上旬まで直線的に増加し,カンザワハダニは3月下旬まで,ナミハダニは4月中旬に離脱を完了した。
  • 釜野 静也
    1980 年 24 巻 3 号 p. 184-188
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1. ダイズ粉末を固めた人工豆を基本にホソヘリカメムシの人工飼料の開発を進めた。
    2. 粉末濾紙,でんぷん,サッカロース,ダイズカゼイン,アミノ酸混合,無機塩混合,コレステロール,アスコルビン酸,ビタミン混合の既知物質からなる合成飼料を作った。この飼料でふ化幼虫から飼育し,多数の成虫が得られた。
    3. 合成飼料の構成成分の中,でんぷん,ダイズカゼイン,アミノ酸混合,コレステロールのいずれを除いても幼虫期に死亡し成虫は得られなかった。粉末濾紙,サッカロース,アスコルビン酸,ビタミン混合の一つを欠いた飼料では幼虫の成育が悪くなり,わずかの個体しか成虫にならなかった。無機塩混合を除いても成育には影響なく,むしろ幼虫期間は短かくなった。
  • 積木 久明, 兼久 勝夫
    1980 年 24 巻 3 号 p. 189-193
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ニカメイガ幼虫におけるグリセロールとトレハロース含量に及ぼす低温の影響について調査した。
    25±1°Cで室内飼育された終齢幼虫を15°C, 10°C, 4°Cの低温に置くと,グリセロールの生成がみられ,10°Cで最も生成が高かった。一方野外越冬休眠幼虫では20°C以下の低温でグリセロールの蓄積がみられたが,休眠が破れた後休眠幼虫では15°Cで減少した。
    室内飼育で得られた休眠幼虫と非休眠幼虫を低温処理すると,休眠幼虫の方がはるかに多くのグリセロールの蓄積が起こったが,休眠が破れると減少した。一方非休眠幼虫に休眠誘起を起こすJH-Iを処理するグリセロールの蓄積が促進された。このようなことからニカメイガにおいてはグリセロールの生成は低温以外に休眠とも深く関係していることが推定された。
    トレハロース含量は休眠よりもむしろ低温がより関係しているものと推定された。
  • 藤吉 臨, 野田 政春, 酒井 久夫
    1980 年 24 巻 3 号 p. 194-196
    発行日: 1980/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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