日本応用動物昆虫学会誌
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32 巻 , 3 号
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  • 橋本 ほしみ, 古田 公人
    1988 年 32 巻 3 号 p. 169-175
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    カエデに寄生するモミジニタイケアブラムシの産子と食物条件との関連を調べ,春における繁殖のあり方を考察した。
    1) 世代に関係なく,展開していない葉上では非越夏型幼虫を,展開した葉上では越夏型幼虫を産下した。また,越夏型幼虫を産んだ個体でも,展開していない葉上に移せば非越夏型幼虫を産んだ。
    2) 展開した葉上で育ったアブラムシは,産子数はきわめて少なく,展開した葉は,アブラムシの繁殖に適さない。
    3) 未展開の葉は窒素含有率が高いが展開した葉は窒素含有率が低い。カエデの葉の窒素含有率の低下とアブラムシの越夏型幼虫の産下は,同時に引き起こされている。
    4) 花序や新梢先端の若い葉は,窒素含有率が高く,好適な寄生場所となりうるが,窒素含有率の高い部位は,急速に消えていく。このため第2世代虫が非越夏型幼虫を産むためには,芽吹きの遅い木を求めて移動していくことは有効であると推測された。
  • 沼沢 健一, 小谷野 伸二, 武田 直邦, 高柳 博
    1988 年 32 巻 3 号 p. 176-181
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1985年5月,小笠原諸島の父島と母島においてアフリカマイマイの生息状況を調査し次の結果を得た。
    1) 本種生貝は集落,農耕地,車道沿いの地域および戦前の放棄地など人為的攪乱が行われた地域に広く分布しており,人為的影響度の低い地域では,本種の出現率は低かった。生貝に比べ死貝はより広域に分布していたが,一部はオカヤドカリ類による2次的分散の可能性が高い。
    2) 人為的攪乱地のなかでも戦前の放棄地と比べ集落,農耕地など現在も開発が続いている地域で生貝密度が高かった。人為的攪乱を受けていない地域の生貝密度は人為的攪乱地より低い傾向を示した。
    3) 大型個体は人為的攪乱が恒常的に続いている集落や農耕地に少なく,人為的攪乱を受けた地域と受けていない地域がとなりあう山地車道沿いや戦前の放棄地であるB地域に多い傾向を示した。
    4) アフリカマイマイにとって好適な生息地は集落や農耕地など開発が続いている地域であり,開発の進行とともに密度は増加するが,殻高は小型化すると考えられる。
  • 清水 進, 鮎沢 啓夫
    1988 年 32 巻 3 号 p. 182-186
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    昆虫病原性糸状菌である赤きょう病菌Paecilomyces fumosoroseusのblastosporeの性状について分生子と比較検討した。乾燥状態での保存および水中保存のいずれの場合もblastosporeは分生子よりも不安定であった。各種消毒剤(昇汞水,石炭酸,クレゾール石けん液)に対する感受性試験ではblastosporeと分生子の間に有意差が認められなかった。紫外線処理および高温処理に対する分生子およびblastosporeの感受性は同程度であったが,超音波処理に対してblastosporeは分生子より感受性であった。カイコ幼虫に対するblastosporeおよび分生子のLD50(菌数/1頭)値はそれぞれ4.5および2.4×102で,blastosporeが分生子よりも約50倍強い病原力を示した。しかし,塗布接種では両者の病原力の間には有意差が認められなかった。blastosporeまたは分生子をカイコ幼虫に注射した場合,blastospore注射区における菌数の増加は分生子注射区のそれより早かった。抗分生子血清の凝集素価は分生子に対して10倍以下,blastosporeに対して320倍であった。抗分生子血清は破砕分生子抗原に対して高い凝集素価を示すので,分生子の表層は抗原性の低い物質で構成され,その内部にはblastosporeの表層との共通抗原が存在するものと考えられる。
  • 本林 隆, 国見 裕久, 森田 芳昭, 土屋 大二
    1988 年 32 巻 3 号 p. 187-191
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    培地組成および培養期間がマツノマダラカミキリから分離されたBeauveria bassianaの分生子形成に及ぼす影響を調査した。
    1) スクロース添加培地と比べて,ソルビトール添加培地でより多くの分生子が得られ,ソルビトールを1.2%添加したときに分生子収量が最も多かった。
    2) 培地の窒素源として蚕蛹粉末が有効であった。蚕蛹粉末の最適添加濃度は0.8%で,ペプトン1.0%を併用することによって分生子収量は1.5倍増加した。
    3) 凝固剤としてカラゲーナンあるいは寒天を用いた培地での分生子収量は両培地でほぼ同じであった。
    4) 調査した培地での分生子収量はいずれも培養10日目に最も多かった。また,収穫された分生子の発芽率は,培養6∼20日目まで90%前後でほぼ一定であった。
  • 平井 一男
    1988 年 32 巻 3 号 p. 192-197
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    盛岡のダイズ圃場において1982∼1987年の6年間,7月下旬から9月中旬までの毎日マメシンクイガの捕獲調査を行った。成虫は7月29日から9月20日の間に捕獲され,8月11∼24日に50%捕獲日,8月10∼27日に最多捕獲日が見られた。捕獲数の曲線は,1世代の成虫からなると思われる発蛾数曲線を示した。日別の発蛾数曲線には年次により1山形,2山形等の変化が見られた。この発蛾パターンには気温の変動が影響するようで,平均気温の低下によって捕獲数は減少し,昇温によって増加した。蛹化は,夏至以後の短日化によって促進され,18∼45日後に蛹化開始すると算出された。6月下旬と8月上旬までの半旬ごとの平均気温と50%捕獲日との間には,負の相関関係が見られ,夏至以後の気温が高いほど,50%捕獲日は早まる傾向を示した。東北地方における発蛾期の地域別変動に及ぼす気象要因についても考察した。
  • 野里 和雄, 安部 利和
    1988 年 32 巻 3 号 p. 198-204
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    高知県南国市において,1986年6,月から1987年5月まで,ワタアブラムシの幼虫と無翅成虫の生存率を天敵が自由に攻撃できる自然区と天敵を排除したケージ区で調べた。
    1986年の夏期の実験圃場のキュウリ上でのワタアブラムシの生存率は両区とも高温のためによると考えられる移動分散の結果低かった。一方,林内のヤブガラシ上でのそれらの生存率が圃場より高かったのは温度が実験圃場より低かったためによると考えられた。
    1986年の秋期の実験圃場と林内においては,ケージ区での生存率が高かったのに対して,自然区のほとんどすべてのワタアブラムシは接種後数日間にナナホシテントウによって捕食された。
    1986年12月から1987年2月の冬期にオオイヌノフグリに接種したほとんどのワタアブラムシは両区とも低温による影響で消失した。春期には多数のナナホシテントウが出現し,オオイヌノフグリに接種したほとんどすべてのワタアブラムシを攻撃した。
  • 浜 弘司
    1988 年 32 巻 3 号 p. 205-209
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    有機リン剤抵抗性の発達程度の異なる6個体群のコナガを,薬剤に接触させずに継代飼育し有機リン剤抵抗性の安定性について検討した。
    いずれの個体群も継代飼育によって有機リン剤に対する感受性は高まったが,その速度は個体群によって異なった。すなわち,抵抗性発達が中程度の長久手,高野個体群では2, 3世代の飼育で一部の薬剤に対する感受性は回復したが,抵抗性発達の著しい嬬恋,横田,御坊,那覇個体群の大幅な感受性の回復は10数世代から20世代以上を要した。
    また,御坊個体群では30世代の検定でもかなり高い抵抗性を保持していた。
    抵抗性発達の著しい4抵抗性個体群の感受性の回復は薬剤間で大きな違いがなく,感受性は回復しても抵抗性スペクトルの変動は小さかった。
  • 浜 弘司
    1988 年 32 巻 3 号 p. 210-214
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    fenvalerateに高度の抵抗性を示す野外個体群のコナガを薬剤に接触させずに継代飼育し,fenvalerate抵抗性の変動を調べた。
    fenvalerate抵抗性の変動は供試した10個体群で異なったが,その変動の特徴によって供試個体群は次の3群に類別された。すなわち,数世代で感受性が著しく高まった第I群,感受性は徐々に高まるが10数世代でも高い抵抗性を維持していた第II群,10数世代の検定で当初の高い抵抗性を保持していた第III群の3群である。
    この3群に属する各個体群について,採集当初のfenvalerateに対する抵抗性レベル,その抵抗性機構,有機リン剤抵抗性の発達程度および採集場所などを検討したが,各群を区別する特徴を見いだすことはできなかった。
    第I群の個体群でfenvalerate抵抗性がいったん消失した益田個体群では,fenvalerateの2回の淘汰によって元の高い抵抗性レベルに達することが確認された。
  • 瀬戸口 脩
    1988 年 32 巻 3 号 p. 215-218
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    鹿児島県奄美大島のサトウキビ圃場においてヒエノアブラムシがサトウキビの生育初期に寄生することを確認した。この個体群のサトウキビ上での増殖力は室内飼育実験では大きかったが,圃場においては低密度のまま経過した。ソルガムを用いて行った寄主選好実験結果から,ソルガム寄生個体群,サトウキビ寄生個体群の両者ともサトウキビよりソルガムをより好適な寄主として選好していることがわかった。したがって一部の地域で報告されているようなサトウキビに対して,強い寄主選好性を確立している個体群の存在は確認できなかった。
  • 後藤 哲雄
    1988 年 32 巻 3 号 p. 219-223
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    イタヤカエデに寄生するオオカエデハダニの生活環を札幌において調査した。
    1) 本種はイタヤカエデの奇形葉の葉裏にある凹部分にのみ層状網を張って生活していた。ハダニは越冬前に奇形葉から平滑な葉に移り,そこにオニグモ類の子グモで知られている団居に似た集合を形成したのち,越冬場所である樹皮内に移動した。
    2) 越冬雌は5月上旬に出現し,10月中旬から11月上旬の間に活動を終了した。これはイタヤカエデの展葉・落葉時期によく対応していた。この活動期間中に3∼4世代を経過したと推定された。
    3) ハダニの個体数は5月下旬にピークに達し,7月に急減したのち,9月中旬に再び増加した。5月のピークは越冬雌の産卵に起因し,7月の減少は出現した成虫の分散によると考えられた。9月の個体数の増加は越冬に伴うハダニの集合行動に起因していると考えられた。
    4) 18°Cにおける休眠誘起の臨界日長は14.5hrであった。野外の休眠誘起時期は9月上旬であり,臨界日長で予測される時期と一致していた。
    5) 本種の未交尾雌が10日間に産下した卵数は,交尾雌の約1/3であり,発育した成虫はすべて雄であった。一方,交尾雌の産下した卵から発育した成虫の90%は雌であり,性比に著しい偏りがみられた。
  • 西東 力
    1988 年 32 巻 3 号 p. 224-227
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 野田 隆志, 釜野 静也
    1988 年 32 巻 3 号 p. 227-229
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 石々川 英樹, 密田 和彦, 河上 清
    1988 年 32 巻 3 号 p. 230-231
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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