日本応用動物昆虫学会誌
Online ISSN : 1347-6068
Print ISSN : 0021-4914
ISSN-L : 0021-4914
33 巻 , 4 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
  • 横井 直人
    1989 年 33 巻 4 号 p. 175-179
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    キボシカミキリの配偶行動を野外,室内で観察し,以下の結果を得た。
    1) 雌雄の出会いにおいて,雄はクワ幹上を活発に俳徊し,また待ち伏せして雌との接触を行った。このなかで,とくに待ち伏せは俳徊しても雌との接触が得られない場合に観察された。
    2) 雄は触角または小腮鬚と下唇鬚が直接雌に触れたときのみ雌を認知できた。
    3) 配偶行動は終日観察されたが,午前,午後それぞれ1回ピークがあった。
    4) 雄は羽化当日に交尾可能だが,多くは5日後に交尾した。雌は羽化後10日に50%が交尾したが,9日後までは雄との接触を避けた。
    5) 1回の交尾様式は短時間の多回の結合と1回の長時間継続する結合からなっており,これらの交尾のなかで長時間継続する結合のみで射精が認められた。
  • 永田 啓一, 斎藤 哲夫, 宮田 正
    1989 年 33 巻 4 号 p. 180-186
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    チャバネゴキブリBlattella germanicaの雄成虫を用いてフェンバレレートの二つの光学異性体14C α-racemicフェンバレレートおよび14C β-racemicフェンバレレートの体内分布と神経組織への透過性を調べた。
    体内分布について14C α-racemicフェンバレレートと14C β-racemicフェンバレレートを等薬量局所施用し一定時間後頭部,血リンパ,神経索,脂肪体および消化管の各組織を摘出し薬量を調べたところ,血リンパについては3時間まで,頭部については6時間まで14C α-racemicフェンバレレートが14C β-racemicフェンバレレートより多く存在した。神経索,脂肪体および消化管においては光学異性体間で明らかな違いは見られなかった。
    摘出神経索を用いて各薬剤の侵入を調べたところ明らかな差が見られ,14C α-racemicフェンバレレートは14C β-racemicフェンバレレートよりも多くまた時定数を比較したところ14C α-racemicフェンバレレートは14C β-racemicフェンバレレートよりも速やかに侵入した。
    以上の結果は14C α-racemicフェンバレレートと14C β-racemicフェンバレレートの間でチャバネゴキブリについて薬剤動力学的な違いがあることを示したが,この二つの光学異性体間の示す殺虫活性の差の違いを説明する主要な要因である可能性は低いと考えられる。
  • 野里 和雄
    1989 年 33 巻 4 号 p. 187-192
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ワタアブラムシ有翅虫の初飛翔前期間は高密度から出現した個体では長くなり,一部の個体は新鮮な寄主植物に接種すると飛ぶ前に産子した。しかし,それらの個体はワタアブラムシコロニーのいる葉では産子しなかった。羽化した有翅虫の卵巣は未熟で,その後時間の経過とともに卵巣内の胚子はゆっくりと発育した。羽化13時間後までに飛んだ個体の卵巣は飛ばない個体より明らかに発育していた。しかし,卵巣が十分に発育した有翅虫でも暗い条件下では飛ばなかった。
  • 細田 昭男
    1989 年 33 巻 4 号 p. 193-197
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    広島県と東シナ海洋上で採集したセジロウンカの有機リン剤とカーバメート剤に対する感受性を局所施用法によって検定し,同時に水田における薬剤の防除効果を検討した。
    1) 広島県で1985∼1987年に採集した7系統のfenitrothion, malathion, fenthionとphenthoateの有機リン剤に対するLD50値は,S系統に比べ9∼37倍と著しく増加していた。また,diazinonやpropaphosのLD50値もS系統の3∼5倍であった。
    2) 広島県で1985∼1987年に採集した7系統のcarbaryl, BPMCなどのカーバメート剤に対するLD50値は,大部分がS系統の2∼3倍であった。
    3) 1986年に東シナ海洋上で採集した2系統の有機リン剤やカーバメート剤に対する感受性は,広島県で1985∼1987年に採集した系統と同程度であった。このことは,飛来源においてセジロウンカの殺虫剤感受性が低下したことを示唆している。
    4) 1986年8月に実施したセジロウンカに対する防除試験では,マラソン粉剤やフェニトロチオン粉剤の効果が低く,成虫と老齢幼虫の生存が目立ったが,BPMC粉剤の効果は高かった。
  • 河野 哲
    1989 年 33 巻 4 号 p. 198-203
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    乾燥ダイズ子実で飼育したホソヘリカメムシの発育温度およびに産卵停止に至る日長時間を求め,自然温度,自然日長条件下の飼育から年間発生回数を推定した。
    1) 発育零点は,卵12.2°C,幼虫11.4∼14.1°C,卵から羽化までは13.3°Cであった。有効積算温度は卵では107.6日度,幼虫229.4日度,卵から羽化までは326.8日度であった。
    2) 25°Cで短日条件(11L-13D)で飼育した場合は,産卵がみられず,卵巣は未成熟であったが,長日条件(16L-8D)ではすべての個体が産卵し,いずれも成熟卵を有していた。また13.5L-10.5Dでは経卵率が45.5%であったことから,休眠誘導臨界日長は13.5時間ぐらいと推察された。
    3) 休眠誘導ならびに終了に関与する日長感受ステージは成虫および5齢と推定された。
    4) 発育零点および有効積算温度より推定した発生回数は年3回で,自然温度,自然日長条件下で飼育して確認した発生回数と一致した。自然界では餌などの条件によって年2回発生もありうるものと思われた。
  • 西東 力
    1989 年 33 巻 4 号 p. 204-210
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    静岡県におけるワタアブラムシの薬剤感受性低下の実態を明らかにするため,各種の植物から採集した個体群について薬剤感受性の検定を実施し,あわせて個体別のエステラーゼ活性を測定した。
    1) 有機リン剤(dichlorvos, malathion),カーバメート剤(carbaryl),合成ピレスロイド混合剤(fenvalerate・malathion)のうち,合成ピレスロイド混合剤に対する感受性低下はほとんどみられなかったが,有機リン剤に対しては顕著な感受性低下が認められた。
    2) Dichlorvosの抵抗性比は最大でも30倍強にとどまったのに対し,malathionのそれでは100倍に達する個体群も認められ,有機リン剤のなかでも薬剤の種類によって抵抗性の発達程度が異なった。
    3) 有機リン剤に対する感受性低下の程度は,ウリ科作物,キク,イチゴから採集した個体群で大きく,ナス科作物,ムクゲ,ツルウメモドキから採集した個体群では小さい傾向がみられたが,感受性低下の程度と殺虫剤の使用回数には明確な関連が認められなかった。
    4) エステラーゼ活性の個体頻度分布は寄主植物によって大きく異なり,ウリ科作物,キクおよびイチゴでは高活性個体の頻度が高く,ナス科作物,ムクゲ,ツルウメモドキでは低活性個体の頻度が高かった。
    5) 薬剤感受性の検定およびエステラーゼ活性の測定結果から,本虫の薬剤抵抗性には寄主植物との関連が示唆された。
    6) DichlorvosあるいはmalathionのLC50値は個体別に測定したエステラーゼ活性の平均値と正の相関を示した。
  • 近藤 章, 田中 福三郎
    1989 年 33 巻 4 号 p. 211-216
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    実験室内においてスクミリンゴガイを餌として与えた場合のヘイケボタル幼虫の発育と捕食能力,および寄主選択性について検討した。
    1) スクミリンゴガイで飼育した場合のヘイケボタルの飼育開始79日後における供試卵数に対する全幼虫数の割合は63.4%で,カワニナの場合(86.3%)よりやや劣るものの,幼虫はスクミリンゴガイで比較的良好に発育した。
    2) ヘイケボタル幼虫は全明・全暗条件にかかわらず,どの齢においてもスクミリンゴガイとカワニナを同程度に選択した。
    3) スクミリンゴガイの密度に対するヘイケボタル幼虫の捕食反応を,幼虫の齢と貝の大きさを変えて調べたところ,大部分の組合せで飽和型曲線を示した。幼虫の1頭1日当り最大捕食貝数は,ふ化数日後の貝では2齢幼虫で0.7頭,3齢で2.3頭,4齢で3.2頭であった。
    4) 貝の大きさと4齢幼虫の最大捕食量との間には直線関係が認められ,捕食可能な貝の最大殻高は1.1cmと推定された。
  • 井上 大成, 真梶 徳純
    1989 年 33 巻 4 号 p. 217-222
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    千葉県松戸市および東京都葛飾区でヘリグロテントウノミハムシの各種寄主植物上での加害様相と発生経過を調査した。
    1) 本種は寄主植物付近の落葉下等で成虫で越冬し,3月中旬∼4月上旬に樹上に出現し始めた。そのピークは4月中旬∼5月上旬であった。越冬成虫の発生密度は寄主植物によって大きな差があった。
    2) 越冬成虫は樹上で春季に交尾し,4月中・下旬から産卵を開始し,卵・幼虫数は5月上旬∼下旬にピークに達した。幼虫は比較的若い芽や葉でしか発育を完了できなかった。卵・幼虫の密度やその消長には寄主植物によって差があり,ヒイラギモクセイ,ヒイラギ,ネズミモチの生育相が季節的に本種の発生とよく同調していた。
    3) 幼虫は潜葉性で,3齢を経過したのち5月中・下旬から土窩の中で蛹となり,約20∼30日を経て土中で羽化した。
    4) 新成虫は6月中旬ごろから地上に出現し,個体数は6月下旬∼7月上旬にピークとなった。成虫はこの時期に寄主植物に甚大な被害を与えた。
    5) ピークののち樹上の成虫数は7月中・下旬にかけて激減した。このころになると成虫の活動は不活発となり,この状態は秋まで続いた。また夏や秋にもわずかに卵や幼虫の発生がみられることがあった。
    6) 10月∼11月にかけて樹上の成虫数は越冬のために減少し,12月までに樹上からはほとんど姿を消した。これと時期を同じくして越冬場所の成虫数が増加した。越冬場所における成虫数は冬期間を通じてほぼ同じであった。
  • 井上 大成, 真梶 徳純
    1989 年 33 巻 4 号 p. 223-230
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ヘリグロテントウノミハムシの寄主植物について,各種のモクセイ科植物の寄主としての役割を野外観察および室内実験の結果から考察した。
    1) 千葉県北部の野外で本種が利用している植物として,モクセイ科の4属11樹種が確認された。これらを利用する方法は,それぞれの寄主植物の季節的生育相により特徴があった。
    2) 野外においては,成虫は摂食・産卵寄主として,モクセイ属およびトウネズミモチを除くイボタノキ属を選好した。また,幼虫の生存率はヒイラギモクセイ,ヒイラギおよびネズミモチの3樹種で高かった。
    3) 室内において成虫の摂食・産卵選好性を同一生育相の寄主植物で比較すると,その程度は大きいほうからモクセイ属,トウネズミモチを除くイボタノキ属,そしてハシドイ属の順序であった。トウネズミモチやオウバイ,さらに野外では利用されていない各種のモクセイ科植物の選好性はこれらに比較してきわめて劣った。
    4) 成虫の食痕形態の比較から,寄主植物によって成虫を一か所にとどめておく働きに違いのあることが示唆された。
    5) これらのことを総合すると,本種による被害が近年顕在化したヒイラギモクセイは,成虫の誘引あるいは摂食・産卵の寄主として非常に優れており,また,同一か所に成虫をとどめておく働きも強いと思われた。
  • 久保 敬雄, 安藤 喜一
    1989 年 33 巻 4 号 p. 231-237
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    広食性昆虫ウリハムシモドキにシロツメクサ,セイヨウタンポポ,エゾノギシギシおよびカモガヤを与えて食物選択実験を行い,次の結果を得た。
    1) 幼虫・成虫は,ともに放された場所から任意の方向に移動し,食草に対して定位運動は示さなかった。
    2) ふ化幼虫は食草の種類にかかわらず,最初に到達したものに定着し摂食する傾向が強い。
    3) 2齢以後は発育が進むにつれて到達した食草が好適でない場合には,他の食草に移動するようになった。
    4) 3齢幼虫や成虫の食草選好度を食痕から判定すると,セイヨウタンポポ,シロツメクサ,エゾノギシギシの順となり,カモガヤは全く摂食されなかった。
    5) どの食草でもふ化から羽化まで発育できたが,選好度の高い食草で飼育したときほど,発育が早く,羽化率が高く,成虫の体重が重かった。
  • 本田 洋, 羽生 健
    1989 年 33 巻 4 号 p. 238-246
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    走査型電子顕微鏡を用いてモモノゴマダラノメイガとマツノゴマダラノメイガ成虫の触角上の感覚器について形態,数,分布を比較検討した。観察に先立ち同一試料で検体の全面を観察できる特殊な試料固定装置を考案作製した。両種の触角からはBähm's bristle, s. styloconicum, s. trichodeum, s. chaeticum, s. squamiformium, s. basiconicum, s. auricillicum, s. coeloconicumの合計8種類の感覚器が見いだされ,これらの感覚器の形態および分布様式には性差あるいは種間差はなかった。一方,いずれの種においても,s. trichodeumは雌よりも雄に多く,その数は8,000∼8,500本(雄),6,500∼6,800本(雌)であり,逆にs. basiconicumは雄(760本)よりも雌(1,400本)に多く見いだされた。しかし,残りの7種類の感覚器に関しては数の上での性差は両種にはみられなかった。以上の結果から,モモノゴマダラノメイガとマツノゴマダラノメイガは,すでにそれぞれの触角上の嗅覚感覚器の匂い物質に対する感受性は一部分化しているが,感覚器の大きな形態的分化はまだ起きてないと結論した。
  • 阿部 芳彦
    1989 年 33 巻 4 号 p. 247-249
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    Larvae of the common cutworm Spodoptera litura infected with Japanese isolates of a microsporidium Nosema mesnili showed acute paralysis as early as 3 days postinoculation, and larval death followed within several days. Invasion of the parasites into the outer layer of larval ganglia occurred, and histopathological changes of the infected ganglia were evident. Small numbers of spores were observed in the cell body of the infected ganglia.
  • 篠田 徹郎, 田中 清
    1989 年 33 巻 4 号 p. 249-251
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 行成 正昭
    1989 年 33 巻 4 号 p. 252-257
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 野田 隆志
    1989 年 33 巻 4 号 p. 257-259
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    Incidence of egg parasitoids of Riptortus clavatus before and during soybean cultivation was investigated by placing host eggs on soybean and other leguminous plants in Tsukuba between May and October, 1985, and between April and May, 1986. Gryon japonicum, G. sp., Ooencyrtus nezarae, O. sp., and Anastatus japonicus were identified as the egg parasitoids. G. japonicum was found on soybeans from middle July to early October, mainly when pods were growing. This parasitoid was also common on white clover, common vetch and alfalfa as early as May, before soybean cultivation.
  • 永井 一哉
    1989 年 33 巻 4 号 p. 260-262
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    Developmental durations for egg and nymphal stages of Orius sp. were measured at four constant temperatures of 20, 25, 30, and 35°C. The durations for egg and nymphal stages decreased significantly with rise of temperature at 20-30°C. However there was no difference between the durations at 30°C and at 35°C. The developmental zero (T0) and the thermal constant (K)were calculated from the data obtained at 20°C, 25°C, and 30°C. T0 and K were estimated to be 11.6°C and 57.8 day-degrees for the egg stage and 11.9°C and 158.7 day-degrees for the nymphal stage, respectively. Hatchability was relatively low at 20°C and 35°C. Most nymphs died before adult emergence at 35°C.
  • 井上 大成, 真梶 徳純
    1989 年 33 巻 4 号 p. 262-263
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    The developmental success of larvae was superior on Osmanthus×Fortunei compared with that on O. fragrans var. aurantiacus. The results suggested that adult beetles showed a better harmonization of their ovipositional periods with the seasonal growth of immature leaves of O.×Fortunei.
  • 野田 博明
    1989 年 33 巻 4 号 p. 263-266
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 高梨 祐明
    1989 年 33 巻 4 号 p. 266-269
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    Development time of nymphs and adults, daily fecundity and survival rate of adults were determined for the apterous and alate viviparae of Toxoptera citricidus (KIRKIALDY) reared on Gitrus natsudaidai HAYATA, at 20 and 25°C under 16L-8D photo-period regime. The nymphal and pre-reproductive periods of apterae were significantly shorter than those of alatae. The age specific fecundity of apterae was consistently higher than that of alatae. The net reproductive rate (R0) and capacity for increase (rc) of apterae were higher than those of alatae. The capacity for increase of each morph was higher at 25°C than that at 20°C.
feedback
Top