日本応用動物昆虫学会誌
Online ISSN : 1347-6068
Print ISSN : 0021-4914
ISSN-L : 0021-4914
34 巻 , 3 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 平井 一男
    1990 年 34 巻 3 号 p. 189-198
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    アワヨトウの多発生と気象(気温と降水量)との関係を解析した結果,越冬世代を含め,いずれの世代も,成虫期∼幼虫期前半は乾燥,幼虫期後半∼蛹期は湿潤の気象条件下で多発していた。
    第1世代アワヨトウの北方への多飛来を予測するには,越冬地における越冬密度の把握が決め手になるが,その調査は現実的には困難なので,代りに越冬密度と関連の深い冬の気象要因を用いて多飛来を推定することとした。
    1958∼1988年の間に日本海側を中心に第2世代アワヨトウが多発した年における越冬可能地帯の5地点の12∼3月の月平均気温と月降水量の共通性を解析したところ,5地点の1∼2月が温暖少雨の範囲にあり,乾燥指数(月降水量を月平均気温で割った値)が平年値より小さめの範囲で,さらに12月および3月の月降水量と月平均気温が平年に比べ,異常多雨や寒冷でない年に多発していた。そこで,このような気象状態になった年を多飛来予想年とすることを提案した。
  • 白井 洋一
    1990 年 34 巻 3 号 p. 199-204
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) 長野県伊那地方に分布するオオニジュウヤホシテントウ群のうち,ジャガイモやナスなどナス科作物を寄主とし害虫化しているオオニジュウヤホシテントウ(Ev)とルイヨウマダラテントウ(Ey,これまで「東京西郊型エピラクナ」と呼ばれていた)の2種個体群に,ジャガイモと野生植物を別々に与えて飼育し,産卵雌率,1雌あたり産卵数,卵塊サイズ,未成熟期の生存率と発育日数,および世代あたり増殖率を比較した。
    2) Evではジャガイモを食草とすると,ハシリドコロを食草としたときに比べ,1雌あたり産卵数と未成熟期生存率が増加し,世代あたり増殖率は約14倍に増加した。卵塊サイズと未成熟期発育日数には食草間の差がなかった。
    3) Eyではジャガイモを食草とすると,世代あたり増殖率はハシリドコロを食草としたときの約3倍,ルイヨウボタンを食草としたときの約10倍に増加した。これは1雌あたり産卵数の差だけによるもので,未成熟期生存率には食草間の差がほとんどなかった。卵塊サイズと未成熟期発育日数にも食草間の差がなかった。
    4)以上の結果を,野生植物を寄主としている非害虫個体群の食草に対する適合性と比較したところ,Ev, Eyとも,害虫化した個体群と非害虫個体群の間に顕著な差はなかった。いずれの個体群もジャガイモを食草とすると,野生植物(ハシリドコロかルイヨウボタン)を食草としたときに比べて,おもに1雌あたり産卵数の増加によって,個体群増殖率が高くなった。
  • 大谷 英児, 池田 俊弥
    1990 年 34 巻 3 号 p. 205-210
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    セモンホソオオキノコムシの干しシイタケによる大量継代飼育法を検討した。100対の羽化直後の雌雄成虫に50gの干しシイタケに水分を与えたものを与え,25°C, 14L-10Dの条件で飼育したところ,雌成虫は羽化後8∼14日目に集中的に産卵し,1日平均約260頭の次世代成虫を22日間にわたりうることができた。卵期間は3日,幼虫期間は約30日,蛹期間は7日で,卵から羽化までは約40日であった。継代飼育の第4世代と第8世代の間で,雌成虫の寿命,産卵数,卵から羽化までの生育日数,次世代成虫数とも差は認められなかった。
  • 山下 伸夫, 篠田 一孝, 三木 利博, 吉田 敏治
    1990 年 34 巻 3 号 p. 211-216
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) 1981年,7月より11月まで,岡山県下4市町(倉敷市,久米南町,津山市,奥津町)の製粉所と酪農家倉庫において貯蔵穀物の害虫相の調査を行った。
    2) 確認された害虫は粒状の穀物を加害する胚乳部および胚部食害虫が3種,粉状の穀物を主に食する粉類食害者が8種,変質食品食害者(腐食者と菌食者)は13種であり,貯穀害虫相の種構成の大部分を変質食品食害者が占めていた。
    種数は,年間平均気温の最も低い県北部の奥津町で最も少なく,季節的には月平均気温が10°Cを割る11月に急激に減少した。
    3) 数量化3類を用い害虫相の構造解析を行ったところ,製粉所と酪農家倉庫における害虫相間で構造的相違が認められた。製粉所では,それぞれが似通った害虫相を示し,粉類食害者の存在で特徴づけられた。酪農家倉庫間では製粉所に比べそれぞれ異なった害虫相が見られ,とくに変質食品食害者の存在で特徴づけられた。
  • 井上 大成
    1990 年 34 巻 3 号 p. 217-226
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    テントウノミハムシ属の近縁種,ヘリグロテントウノミハムシとテントウノミハムシの樹上における生息習性を調査し,両種を比較検討した。
    1) 成虫の生息部位は,ヘリグロでは主として葉裏であったが,テントウでは葉裏とともに葉表にも多くの個体が生息していた。
    2) 成虫が摂食し,産卵する葉面は,生息部位と同様ヘリグロでは葉裏,テントウでは葉裏および葉表であった。
    3) 幼虫は,ヘリグロでは初期には葉表から潜葉し,背を上にして生息するが,後期には葉裏から潜葉し,腹を上にして生息するようになった。この際比較的頻繁に孔道を変えているものと考えられた。テントウではごく初期には葉裏から潜葉し,腹を上にしているが,その後は葉裏から潜葉し,背を上,そして葉表から潜葉し,背を上と生息の仕方を変化させていった。孔道を変える頻度はヘリグロより少なく,同一の孔道に依存する度合いが高いと考えられた。このような幼虫の潜葉習性は,ヘリグロでは亜熱帯の常緑性寄主植物,テントウでは冷温帯の落葉性寄主植物に適応した習性であると考えられた。
  • 有沢 宣幸, 普後 一
    1990 年 34 巻 3 号 p. 227-235
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    カイコガ雌膠質腺の湿重量,タンパク質そして核酸含量の経日的変化を調べた。カイコガ膠質腺は化蛹5日頃にほぼ形態的に完成し,その構造は基部側に幹状部,その先端側に樹枝状の形態をした枝状部から成る。膠質腺の湿重量は化蛹5日から羽化当日まで直線的に増加したが,羽化後は急激に減少した。タンパク質量は湿重量の変化と並行して変動した。湿重量に占めるタンパク質量は全齢を通じほぼ定常で4∼6%であった。RNA含量は化蛹6日から上昇し,羽化当日にピークをもつ山形を示した。この変動は膠質腺全RNA量の約90%を占める枝状部のRNA含量の変動と一致したが,幹状部では変動は見られなかった。膠質腺DNAの含量は,形態形成を終えた以降では枝状部,幹状部ともに定常値をとり続けた。膠質腺タンパク質の合成部位を明らかにする目的で培養条件下アミノ酸の取込み実験を行った。その結果,タンパク質分画への14C-U-ロイシンの取込みは枝状部で高く,幹状部では低かった。これらのことから,枝状部は膠質腺分泌タンパク質の合成をしており,幹状部は分泌タンパク質の蓄積場所であることが確認された。SDS-PAGEによる分析から,膠質腺タンパク質は分子量300kd付近にみられるタンパク質を主成分として,この他にすくなくとも25∼35もの成分からなることものと推定された。
  • 高梨 祐明
    1990 年 34 巻 3 号 p. 237-243
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ミカンクロアブラムシの寄生蜂ミカンノアブラバチLysiphlebus japonicus ASHMEADの成虫の生存日数,卵から成虫までの発育所要日数,卵巣発育様式,齢別生存率および齢別産卵数を種々の恒温条件下(16L-8D)で調査し,以下の結果を得た。
    1) 成虫の生存日数は飼育温度の上昇にともなって短くなった。餌として蜂蜜を与えた場合と寄主が分泌した甘露を与えた場合では,生存日数に差は認められなかった。25°Cで寄主を与えた場合,与えなかった場合よりも雌成虫の生存日数は長かった。
    2) 卵から成虫までの発育所要日数は飼育温度の上昇にともなって短縮されたが,25°Cより高い温度では発育は阻害された。
    3) 成虫の齢別生存率は25°Cでは20°Cにおけるより急勾配で低下した。齢別産卵数はいずれの温度においても羽化後1日目に最も多くその後漸減したが,その勾配は25°Cでは20°Cにおけるより急であった。
    4) 発育所要日数と齢別生存率および産卵数から算出した内的自然増加率(rm)は20°Cで0.243, 25°Cでは0.441であった。温度によるrmの差は,20°Cにおける大きい世代時間(T)と小さい純繁殖率(R0)の両方が起因した。
    5) 成熟卵形成様式は逐次成熟型であり,成熟卵形成は羽化後急速に進行し,産卵によって促進された。
    6) 寄主ミカンクロアブラムシの増殖能力との比較から,有翅型によるコロニー創設後初期に寄生蜂が攻撃を開始した場合に効果的な抑圧が期待された。
  • 高橋 滋, 稲泉 三丸
    1990 年 34 巻 3 号 p. 245-248
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) これまで未発見だった,セリフクレアブラムシの有翅胎生雌虫,産卵雌虫,雄をセリより採集し,記載を行った。
    2) 本種は寒冷地では非移住型の完全生活環,暖地では不完全生活環の2通りを持っていた。
    3) ミツバもセリと同様,本種の良好な寄主植物と考えられた。
  • 野田 隆志
    1990 年 34 巻 3 号 p. 249-252
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    Eggs of 13 species of plant bugs were tested for parasitism by Gryon japonicum in the laboratory. Among those Leptocorisa chinensis, Cletus punctiger, and C. rusticus were hosts as suitable as Riptortus clavatus which was known as only one natural host of this parasitoid. Parastitism by G. japonicum of the eggs of L. chinensis and two Cletus species was also ascertained in the field.
  • 青柳 正人, 石井 実, 広渡 俊哉, 保田 淑郎
    1990 年 34 巻 3 号 p. 253-254
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    The zoysiagrass billbug, Sphenophorus venatus vestitus CHITTENDEN (Coleoptera: Curculionidae), which is inferred to be introduced into Japan from the United States, has been found occurring in Fukuoka, Hyôgo and Tokyo Prefectures since the first discovery at a golf course in Okinawa Prefecture in 1979. Five adults (2 females and 3 males) of this species were captured by using pitfall traps at the bank of Yamato River in Osaka and Nara Prefectures in 1986, 1988 and 1989 (Table 1). This may be the first discovery of this species in both prefectures and the second record from the river bank after the record from the Tama River in Tokyo.
  • 井上 雅央
    1990 年 34 巻 3 号 p. 254-257
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 齊藤 準, 普後 一
    1990 年 34 巻 3 号 p. 257-259
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    The eclosion hormone (EH) activities which can induce the precocious adult eclosion of the pharate-adults of Bombyx mori or Samia cynthia ricini were present in the adult heads of Pseudaletia separata, Bombyx mori, Samia cynthia ricini, Antheraea pernyi, Antheraea yamamai and Manduca sexta. These results indicated that EH is not a species-specific hormone among the lepidopteran insects.
  • 吉沢 栄治
    1990 年 34 巻 3 号 p. 259-262
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
feedback
Top