日本応用動物昆虫学会誌
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35 巻 , 4 号
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  • 永井 一哉
    1991 年 35 巻 4 号 p. 269-274
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    室内実験において,露地栽培ナスの主要な害虫であるミナミキイロアザミウマ,カンザワハダニおよびワタアブラムシに対するハナカメムシの捕食量および餌選択を調べた。
    1) ハナカメムシ雌成虫はミナミキイロアザミウマ成幼虫,カンザワハダニ雌成虫およびワタアブラムシ幼虫を捕食したが,ミナミキイロアザミウマの卵は捕食しなかった。ミナミキイロアザミウマ2齢幼虫を与えた場合,ハナカメムシ1齢幼虫,3齢幼虫,5齢幼虫および雌成虫の25°C, 16L-8Dにおける24時間当りの捕食量はそれぞれ3, 11, 13および22匹であり,ミナミキイロアザミウマ成虫を与えた場合,ハナカメムシ雌成虫の捕食量は26匹であった。
    2) 同じ条件下で,ハナカメムシ雌成虫はカンザワハダニ雌成虫を21匹,ワタアブラムシ1齢幼虫を12匹,4齢幼虫を6匹捕食した。
    3) 孵化直後からカンザワハダニで飼育したハナカメムシ雌成虫にミナミキイロアザミウマ2齢幼虫とカンザワハダニ雌成虫とを同時に与えた場合はミナミキイロアザミウマが,カンザワハダニ雌成虫とワタアブラムシ4齢幼虫とを同時に与えた場合はカンザワハダニが先に捕食される確率が高かった。
    ワタアブラムシで飼育したハナカメムシ雌成虫にミナミキイロアザミウマ2齢幼虫,ワタアブラムシ4齢幼虫およびミナミキイロアザミウマ2齢幼虫,ワタアブラムシ1∼2齢幼虫を2種ずつ同時に与えた場合では,最初に捕食される確率はどちらもミナミキイロアザミウマが高かった。
    野外から採集したハナカメムシ雌成虫にミナミキイロアザミウマ2齢幼虫,カンザワハダニ雌成虫およびワタアブラムシ4齢幼虫を2種ずつ同時に与え餌選択を調べた結果,最初に捕食される確率はミナミキイロアザミウマが最も高く,次いでカンザワハダニとなり,ワタアブラムシが最も低かった。
  • 市川 俊英, 吉田 正一
    1991 年 35 巻 4 号 p. 275-281
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    オリーブアナアキゾウムシ成虫の飛翔行動発現に及ぼす環境要因の影響を室内条件下で実験的に調査した。通常の飼育と同様に餌と水を与えて飼育した場合(対照区),実験期間中(28日間)の死亡個体はなく,作業中に飛翔行動あるいはその徴候を示す個体もなかった。水のみを与えた場合(給水区)あるいは何も与えなかった場合(完全絶食区)には時折一部の個体が飛翔行動あるいはその徴候を示し,実験期間中に全供試個体が死亡した。乾燥ヒノキ棒を飛翔台として4日間雌の行動を調べた結果,歩行と飛翔は夜間多く見られた。最も活発に飛翔したのは給水区の雌で,実験期間中に死亡個体が現れた完全絶食区の雌は翅を開いても飛翔しないものが大半であった。給水区の状態で4日間飼育した雌雄をオリーブの健全木と枯死木に放飼し夕刻から夜間にかけて観察した結果,健全木では5%が歩行して離脱したのに対して,枯死木では20%が歩行して,60%が飛翔して離脱した。
  • 永井 一哉
    1991 年 35 巻 4 号 p. 283-289
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    Pyriproxyfen乳剤を8月上旬から9月中旬に露地栽培のナスに散布すると,アザミウマ類の幼虫の発生を抑制でき,この時期の20日間隔での3回以内の散布ではOrius sp.の発生に悪影響はなかった。
    ミナミキイロアザミウマに対し捕食性天敵Orius sp.とpyriproxyfen乳剤を,ニジュウヤホシテントウの防除にbuprofezin水和剤を用いた総合防除体系区(以下,総合区とする)と殺虫剤を用いミナミキイロアザミウマ,ニジュウヤホシテントウ,カンザワハダニおよびワタアブラムシの防除を実施した慣行の化学的防除体系区(以下,化学区とする)とを設定し,ミナミキイロアザミウマをはじめとする露地栽培ナスの主要害虫の発生と被害を比較した。
    その結果,Orius sp.の密度は総合区では化学区より高く,ミナミキイロアザミウマ成虫の密度および被害果率は総合区では化学区より低かった。化学区ではミナミキイロアザミウマ成虫の密度が8月中旬から9月上旬に高まり,8月下旬から9月上旬に被害が特に多発したが,総合区ではこの時期の被害も少なかった。
    ワタアブラムシは総合区で6月に密度が高まった。カンザワハダニは総合区では低密度の発生であったが,化学区では密度が高まったため防除を必要とした。ニジュウヤホシテントウ,チャノホコリダニおよびハスモンヨトウによる被害果の発生は両区ともに少なく,被害果率に区間差はみられなかった。
  • 後藤 三千代, 納谷 伸一, 木村 秀一
    1991 年 35 巻 4 号 p. 291-295
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ホソメイガEmmalocera sp.の休眠機構を明かにするため,休眠覚醒時期とそれを制御する要因を調べた。休眠誘起直後の9月は越冬幼虫の休眠は深く,日長感受性を示し,短日条件下で小窓形成前期間を延長させたが,以後しだいに浅くなり,11月下旬に休眠は覚醒された。休眠覚醒に及ぼす日長,湿度および温度の影響を調べたところ,温度だけ関与が認められ,0, 5, 25°Cでは休眠覚醒が遅れたが,10, 15および20°Cでは進行した。
  • 小山 健二
    1991 年 35 巻 4 号 p. 297-301
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    セジロウンカの幼虫発育に不可欠なビタミンを明らかにした。ふ化直後から幼虫をビタミン各1種類を除去した人工飼料で飼育したところ,チアミン塩酸塩および塩化コリンを欠いた場合,ふ化幼虫は成虫まで発育することができなかった。したがってこれら2種のビタミンは不可欠なビタミンと考えられた。飼料中のチアミン塩酸塩の最低有効濃度は0.005mg/100ml付近と推定され,塩化コリンの最低有効濃度は0.098mg/100ml付近と推定された。至適濃度の範囲は決定することができなかった。ピリドキシン塩酸塩およびパントテン酸カルシウムは不可欠なビタミンではないが成虫化率が非常に低かった。
  • 中尾 弘志
    1991 年 35 巻 4 号 p. 303-309
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    野菜類の育苗期に発生し加害するコナダニ類について,1981∼1990年にかけて北海道内63地点で調査を行った。39地点の植物体,土壌,モミガラあるいは稲わらからケナガコナダニTyrohagus putrescentiae (SCHRANK),ホウレンソウケナガコナダニT. similis VOLGIN,オオケナガコナダニT. perniciosus ZACHVATKIN,オソアシブトコナダニAcarus immobilis GRIFFITHS,ロビンネダニRhizoglyphus robini CLAPARÈDEが採集された。これらのうちTyrohagus属の3種が野菜類の苗に被害をあたえていた。T. putrescentiaeはメロン,スイカ,キュウリ,カボチャを,T. similisはメロン,スイカ,キュウリ,カボチャ,トマト,ピーマン,長ネギを,T. perniciosusはメロン,キュウリ,カボチャを加害していた。
    被害症状は以下のようにまとめられる。
    a) メロン,キュウリ,カボチャ:新葉に小孔,小斑点ができ,その後,生育すると奇形になる。
    b) スイカ,トマト,ピーマン:葉は光沢を帯び,褪色し奇形となる。
    c) トマト,長ネギ:苗は萎縮し生育が止まる。キュウリでのコナダニ類の発生源は保温資材として利用されたモミガラであることが明らかになった。被害が発生した他のハウスでも育苗資材としてモミガラか稲わらが使用され,これらがコナダニ類の発生源になっていると考えられた。
    なお,スジブトホコリダニTarsonemus bilobatus SUSUKIはメロン,スイカ,キュウリおよびハクサイから採集され,これらに被害を与えていた。被害症状は葉が光沢を帯び,褪色し内側に巻きこみ奇形となる。
  • 八隅 慶一郎, 篠原 寿文, 堀池 道郎, 平野 千里
    1991 年 35 巻 4 号 p. 311-316
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ミナミキイロアザミウマ雌成虫はショ糖水溶液を浸み込ませた濾紙ディスク上で長期間生存できる。このディスクをキュウリあるいはナス葉のメタノール抽出物で処理しても,雌成虫は長期間生存できた。しかし同じディスクをトマト葉のメタノール抽出物で処理してあたえると,雌成虫はすべて数日中に死亡した。このことから,トマト葉には成虫の生存を抑制する化学成分,すなわち摂食阻害物質あるいは有毒成分が存在するものと考えられた。この活性成分はトマト葉のメタノール抽出物を水に分散させ,ブタノールで抽出する操作で部分的に精製できた。部分的に精製した活性成分の生存抑制作用は,提示している間のみ認められる一時的なものであること,およびショ糖と活性成分とを別々の濾紙ディスクに処理して提示すると活性が認められないことから,有毒成分ではなく摂食阻害物質であると考えられる。
  • 宮ノ下 明大, 田付 貞洋, 草野 忠治, 藤井 宏一
    1991 年 35 巻 4 号 p. 317-321
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    スギマルカイガラムシAspidiotus cryptomeriae KUWANAのスギ寄生個体群,カヤ寄生個体群およびイチイ寄生個体群について雌成虫のエステラーゼのアイソザイムを検出し比較した。1989年と1990年に複数の地域から供試虫を採集し比較したところスギ,カヤ両寄生個体群からは合わせて16本のバンドが確認できた。これらのうち,両者に常に出現したバンド,または各寄生個体群に特有のバンドはなかったが,出現頻度ゼロのバンドが両者で異なっていた。また,年や地域によってバンドの出現頻度が異なっていた。
    三つの寄生個体群に共通して高頻度(0.70以上)に現れたバンドは2, 5, 13であり,共通して活性が高く現れたバンドは2, 5, 11であり,これらはスギマルカイガラムシの主要バンドであると思われる。
    スギ寄生個体群では15本のバンドを確認し,バンド7が高頻度に出現しなおかつ活性が高くバンド10, 12が検出されなかった。カヤ寄生個体群では15本のバンドを確認しバンド11が比較的出現頻度が高く,バンド3の活性が高いことが特徴でありバンド16が検出されなかった。イチイ寄生個体群については,1990年のみの結果であるが,14本のバンドを確認しバンド4, 9, 15が高頻度に出現し,バンド9, 15の活性が高くバンド7, 8が検出されなかったことがスギ,カヤ両寄生個体群と異なっていた。
    これらの結果は,各寄主植物に対するスギマルカイガラムシの特殊化を示していると思われる。しかし,本実験は20個体をまとめて試料として用いており,個体単位のアイソザイムの検出によって,さらに検討することが必要であろう。
  • 栗原 政明, 臼井 健二, 内海 恭一, 田付 貞洋
    1991 年 35 巻 4 号 p. 323-324
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    (Z, E)-9, 12-tetradecadienyl acetate and (Z)-9-tetradecenyl acetate were identified chemically in sex pheromone gland extracts of female Spodoptera depravata (BUTLER). A laboratory wind-tunnel experiment showed that the former compound acts as an attractant-pheromone to the male but the latter compound has no pheromonal activity by itself or in combination with the former compound.
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