日本応用動物昆虫学会誌
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36 巻 , 4 号
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  • 多々良 明夫, 古橋 嘉一
    1992 年 36 巻 4 号 p. 217-223
    発行日: 1992/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    チャノキイロアザミウマに対する防除カンキツ園,無防除カンキツ園の5年間にわたる延べ12ほ場の調査データから,本種の果実に対する加害習性および果実上に存在する個体数と被害との関係を解明し,要防除密度を算出した。同時に,カンキツ園における分布特性を明らかにし,調査に必要な抽出果実数を求めた。
    1) 果実果梗部に生じる灰白色の被害は6月上旬に発現し始め,8月上旬にピークとなった。果頂部に生じる灰白色の被害は8月中旬に発現し始め,9月中旬にピークとなった。同じく果頂部に生じる褐色の被害は8月下旬ごろから現れ始め10月下旬まで増加した。
    2) 果梗部では加害時期とアザミウマの存在部位の場所が一致したが,果頂部の加害時期は被害発生部位にいる虫が少なかった。成虫よりも幼虫のほうがそれぞれの被害発生時期に被害発生部位にいる割合が高かった。
    3) 調査期間中の最高観察虫数と収穫期の被害度との関係は,果梗部の加害時期では幼虫,成虫ともに有意な正の相関関係が認められたが,果頂部の加害期間では有意な関係が認められなかった。
    4) 以上の関係より,果梗部における収穫期の被害度を10以下に抑えるための要防除水準は,6月上旬から7月下旬の期間では100果あたり幼虫数12頭と算出された。また,幼虫の存在果率に換算すると,要防除水準は果梗部の加害期間では8.0%,そのときの必要サンプル数は,果実の単純ランダム抽出とし,相対精度を0.3とした場合,調査ほ場あたり125果となった。
    5) 果実上の幼虫・成虫はともに樹間・果実間で集中分布を示し,とくに成虫より幼虫,果実間より樹間で集中分布の度合いが強かった。
  • 安達 宏, 奈良部 孝, 百田 洋二
    1992 年 36 巻 4 号 p. 225-230
    発行日: 1992/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    国内で分離したAgrobacterium rhizogenes菌により誘導されたマクワウリ毛状根を用いてサツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)を無菌的に培養するとともに,生育,産卵,卵のサイズおよび幼虫形態に及ぼす温度の影響を調べた。毛状根内に侵入した2期幼虫は,成虫まで成長し,卵嚢を産生した。この卵嚢からは次世代幼虫が孵化遊出した。発育零点は10.9°Cであった。2期幼虫の接種から産卵開始および次世代幼虫の孵化遊出までの有効積算温度は,それぞれ296日度および473日度であった。毛状根および通常の植物根から得た卵および2期幼虫の測定値に差異は認められなかった。一方,卵の長径および2期幼虫の体長,体長/最大体幅,尾長の測定値は,培養温度によって変化した。ネコブセンチュウの判別寄主に対する寄生性は毛状根で培養した後も変化しなかった。
  • 小林 勝, 米川 昌志, 横山 マルシア紀子, 中垣 雅雄, 田中 一行
    1992 年 36 巻 4 号 p. 231-237
    発行日: 1992/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    野蚕の生殖に関する基礎研究の一環としてヤママユガとサクサンおよび正逆交雑種(F1)における精子形成を微細形態的に調べ,以下の結果を得た。
    1) 精原細胞は原始生殖細胞に由来し,体細胞分裂によって初期精原細胞と被のう細胞に分かれ,前者は分裂をくり返して指数関数的に数を増加させ,一定数に達すると分裂を中止した。相互の細胞間は細胞間橋によって結合し,この構造物は精細胞におけるコンドリオーム体の形成期まで持続された。
    2) 被のう細胞は分化して精原細胞のうとなり,一定数に達した精原細胞群(64個)を被覆した。
    3) ザイゴテン期からパキテン期にかけて両親および正逆交雑種ともに核内にSynaptonemal complexが形成され,雑種においても相同染色体の対合の起こることが認められた。
    4) ヤママユガおよびサクサンの成熟分裂はカイコと同様に,前還元であることが明らかとなった。
    5) Y×P, P×Yの精細胞にのみ,コンドリオーム体出現期に細胞間橋を介して隣接する2細胞以上の核融合現象が認められた。
    6) 両雑種ともに,鞭毛内に軸糸を複数もった精子がみられ,その出現率は1精子束当り40∼50%と約半数におよんだ。この異常精子は運動機能に支障をきたすものと考えられた。
  • 増田 俊雄, 菊地 修
    1992 年 36 巻 4 号 p. 239-245
    発行日: 1992/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    オンシツコナジラミから分離したMG-Vl-18株とワタアブラムシから分離したMG-Vl-45株を用い,オンシツコナジラミおよびモモアカアブラムシ,ワタアブラムシに対する病原性について検討した。
    1) MG-Vl-18株とMG-Vl-45株は,オンシツコナジラミ,ワタアブラムシおよびモモアカアブラムシに対し病原性を示したが,菌株によって明らかな病原性の相違が認められた。
    2) オンシツコナジラミ成虫および幼虫に対しては,MG-Vl-18株の病原性がMG-Vl-45株に比較して強く,とくに幼虫への接種試験で顕著な差が認められた。
    3) モモアカアブラムシの有翅虫および無翅虫,ワタアブラムシの無翅虫に対する病原性はMG-Vl-45株がMG-Vl-18株よりも強く,とくに106濃度以下の低濃度で顕著に現れた。
    4) 分離源の異なるMG-Vl-18株とMG-Vl-45株では,分生子およびblastosporeの大きさが異なり,どちらもMG-Vl-45株において大型であった。一方,MG-Vl-18株はMG-Vl-45株に比べ生育温度範囲が広く,生育速度も速かった。
  • 河田 和雄, 山下 泉
    1992 年 36 巻 4 号 p. 247-251
    発行日: 1992/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    フウナガマダラオオアブラムシについて1990年10月∼1992年4月まで分布と発生状況を調査した。
    1) 1990年11月,倉敷市岡山大学資源生物科学研究所構内で,本種が発生増殖しているのをみつけた。これは日本における最初の記録である。
    2) 1992年4月までに倉敷,岡山,伊丹,大阪,京都,呉,つくば,中村,高知,南国の各市と高知市周辺の3か町村で発生が認められた。
    3) 本種の寄主植物はフウとモミジバフウで,胎生雌虫により通年増殖している可能性が強い。これまでに両性世代虫はみつかっていない。
    4) 本種の侵入経路は不明である。発生状況から推定すると,日本に定着が可能で分布域をさらに拡大することが考えられる。
  • 氏家 武, Rut MORAKOTE
    1992 年 36 巻 4 号 p. 253-255
    発行日: 1992/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    Ten species of chalcidoid parasitoids were reared from the citrus leafminer, Phyllocnistis citrella in Thailand. Among them, Ageniaspis sp. seemed to be the most dominant and important biological control agent.
  • 笠松 紀美, 小川 正臣
    1992 年 36 巻 4 号 p. 256-258
    発行日: 1992/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    The reproductivity of a fenpropathrin-resistant strain (FS-strain) of Tetranychus urticae (KOCH) was compared with that of a susceptible strain of the same origin (INM-strain) at temperatures of 20°C, 25°C and 30°C. The number of eggs produced by the FS-strain was lower than the number produced the INM-strain, especially at 30°C. There was no significant difference for hatchability of eggs, total development time and survival rate of immature stages and adults between strains. The intrinsic rate of natural increase (rm) was lower in the FS-strain than in the INM-strain at each temperature. These results suggest a lower fitness value for the FS-strain than for the original INM-strain.
  • 濱田 龍一
    1992 年 36 巻 4 号 p. 258-259
    発行日: 1992/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    During study of egg parasitism of Spodoptera litura (FABRICIUS) (Lepidoptera: Noctuidae), three species of Trichogramma (Hymenoptera: Trichogrammatidae) and one species of Telenomus (Hymenoptera: Scelionidae) were seen emerging from host eggs. Comparing the egg masses parasitized by Trichogramma spp. and Telenomus sp., percent of egg masses parasitized by the former was higher than that by the latter, whereas percent of parasitized eggs among attacked egg masses by the latter was higher than that by the former.
  • 1992 年 36 巻 4 号 p. 267
    発行日: 1992年
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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