鹿児島県奄美大島において,1986年から1年間,サトウキビ圃場における有翅アブラムシ類の飛来状況とサトウキビモザイクウイルス病の発生の関係を調査した。また,1989年の11∼12月に,生育ステージの異なるサトウキビ圃場におけるアブラムシ類の飛来量を調査した。
1) 有翅アブラムシ類の飛来ピーク時期は,春(4∼6月)と秋(10∼11月)で,本ウイルス病の媒介アブラムシ類もこのころ多く,主な媒介アブラムシ類としてニセダイコンアブラムシ,ワタアブラムシなど4種が確認された。
2) サトウキビモザイクウイルスのおもな感染時期とアブラムシ類の飛来ピーク時期とはよく一致した。また,サトウキビの生育ステージが高い圃場は低い圃場よりアブラムシ類の飛来量が少ない傾向が認められ,ウイルス感染率に影響していると考えられた。
3) 5月にサトウキビを植え付けた場合,本ウイルス病の発生を最少限に留めることができた。
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