日本応用動物昆虫学会誌
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37 巻 , 3 号
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  • 丸山 威
    1993 年 37 巻 3 号 p. 117-122
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ツゲノメイガGlyphodes perspectalis (WALKER)の幼虫を3種類のツゲ(クサツゲ,セイヨウツゲ,チョウセンヒメツゲ)で飼育した場合の発育期間,摂食量,脱糞量,体重増加量を調査した。それらの結果をもとに日当り摂取量,日当り体重増加量,消化率,消化餌の変換効率および摂取餌の変換効率を求め,ツゲ種類間での本種幼虫に対する栄養性を比較した。
    1) 越冬世代幼虫の日当り摂取量はセイヨウツゲで最も高かったが,日当り体重増加量と摂取餌の変換効率はクサツゲで最も高かった。
    2) 4齢幼虫に対する栄養性の指数のうち,消化率はチョウセンヒメツゲで最も高く,クサツゲで最も低かった。しかし,それ以外は逆にクサツゲが最も高く,チョウセンヒメツゲが最も低かった。また,死亡率は,チョウセンヒメツゲを摂取したものが最も高かった。
    3) 6齢幼虫に対する栄養性の指数のうち,日当り摂取量はセイヨウツゲで高かったが,それ以外の指数ではクサツゲが高かった。
    4) 以上の結果より,本種幼虫の発育に対してはクサツゲが最も栄養性に優れており,逆にチョウセンヒメツゲの栄養性はきわめて乏しいことが明らかとなった。
  • 仲盛 広明, 志賀 正和, 金城 邦夫
    1993 年 37 巻 3 号 p. 123-128
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) 不妊虫放飼法によるウリミバエの根絶防除においてしばしば難防除地域になる,ホット・スポット(不妊虫放飼効果からの野生個体群の空間的なエスケープ)の出現地域を防除開始前に予測するために,トラップによる誘殺虫数と主要寄主植物の採果数からその地域の特徴を明らかにした。
    2) 沖縄本島南部におけるウリミバエの季節的発生消長は,トラップによる誘殺虫数と沖縄県内で本種の主要野生寄主であるオキナワスズメウリ,クロミノオキナワスズメウリと栽培寄主であるニガウリの採果数の季節変化から,四つのZoneに分けることができた。すなわち,Zone Iは,1日1,000トラップ当りの誘殺虫数が年間を通して1,000以上という高い値で推移し,冬春期に野生寄主,夏秋期に栽培寄主と連続して豊富に存在する地域である。Zone IIは夏秋期の誘殺虫数が1,000以上で推移するが,冬春期は,野生寄主が比較的少ないため誘殺数は連続して1,000以下になる地域である。栽培寄主の少ないZone IIIの地域は冬春期に野生寄主が多く,トラップ誘殺虫数もこれを反映した消長を示す地域である。Zone IVは寄主植物が少なく誘殺虫数が年間を通して低い値で推移する地域である。
    3) Zone Iに相当する糸満市では不妊虫の放飼開始から4か月を経過した時点でのS/N比が1以下,追加放飼をした後も4前後で推移したのに対し,Zone IIに相当する豊見城村では,S/N比が不妊虫の放飼開始直後から急激に高くなり,4か月頃から野生虫がほとんど採集できない状況になった。
    4) 以上の結果,Zone Iの地域は,不妊虫放飼法による本種の根絶防除においてしばしば難防除地域となり,より強い防除圧を必要とするホット・スポットになりやすいことが明らかにされた。
  • 平尾 常男, 荒井 成彦
    1993 年 37 巻 3 号 p. 129-136
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ハスモンヨトウ幼虫の味覚に関して,口器の小顋粒状体に存在する2本の感覚毛(Ss-I, Ss-II)における味覚細胞の種類と,それらの感受性などについて,電気生理学的手法を用いて検討を行った。
    1) Ss-Iには,塩類に応答するN1細胞,糖に応答するS1細胞,“苦味物質”ならびにアミノ酸に応答するR細胞,および水に応答するW細胞の4種類が,またSs-IIには,塩類に応答するN2とN2'の2種類の細胞,furctoseに応答するS2細胞およびinositolに応答するI細胞の4種類が,それぞれ分布していることが明らかになった。
    2) もっとも鋭敏な応答がみられた物質を供試して,各味覚細胞の受容閾値を測定した。sucroseに対するS1細胞の,furctoseに対するS2細胞の,inositolに対するI細胞の,そしてsinigrinに対するR細胞の受容閾値は,それぞれ10-4M, 10-2M, 10-4M,および10-3Mであった。
    3) 糖(sucrose)と“苦味物質”(sinigrin)の混合液に対する応答を調べた結果,糖の存在がR細胞の感受性を抑制していることが判明した。
    4) 今回得られたハスモンヨトウ幼虫の味覚応答の実験結果と,すでに明らかにされているカイコ幼虫の味覚感受性とを比較し,両昆虫種にみられる植物選好性の違いについての考察を試みた。
  • 梶村 達人, 前岡 庸介, I Nyoman WIDIARTA, 須藤 猛, 日鷹 一雅, 中筋 房夫, 永井 一哉
    1993 年 37 巻 3 号 p. 137-144
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    イネの有機栽培がウンカ・ヨコバイ類の個体群密度に与える影響を明らかにするために,岡山県立農業試験場の化学肥料区,有機肥料区,無肥料区および岡山市の有機栽培田で発生密度の調査を行った。
    1) 有機栽培田ではツマグロヨコバイの密度が各世代とも極めて低かった。このことは,有機栽培田が乾田直播地帯にあり,冬期の耕起のためツマグロヨコバイの侵入世代密度が地域的に低かったことによると考えられた。
    2) 有機栽培田におけるセジロウンカの侵入世代密度は他の区と同程度であったが,その後の増殖率は著しく低く,第1世代幼虫期以降の密度は他の区に比べ著しく低くなった。
    3) トビイロウンカ第3世代幼虫の密度は有機栽培田で最も低かった。このことは侵入世代成虫の密度が有機栽培田で低かったことに起因すると推測された。
    4) 天敵類の密度は有機栽培田で特に高い傾向は認められなかったことから,ウンカ類の密度が有機栽培田で最も低くなった原因は天敵以外の要因によると示唆された。
  • 篠田 徹郎
    1993 年 37 巻 3 号 p. 145-152
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ワタアブラムシの吸汁によって起こる,アブラムシ抵抗性および感受性メロン品種の葉内のカロース形成を,アニリンブルー染色,蛍光顕微鏡観察法によって解析した。10頭のワタアブラムシを6時間あるいは24時間放飼した場合,抵抗性メロン品種‘PMAR No.5’の葉脈中には,感受性の4品種に比べて多数のカロースの形成部位が観察された。個々にアブラムシの吸汁行動とカロース形成を検討した結果,抵抗性品種では吸汁20分以内にワタアブラムシが自発的に口針を引き抜く行動がしばしば観察されたが,そのような行動は感受性品種では観察されなかった。また葉脈内に形成された口針鞘の長さやその到達組織には明瞭な品種間差が認められなかったが,抵抗性品種ではかなり多量のカロースが口針鞘の周辺に高率で形成されていたのに対し,感受性品種ではカロースの形成はごく少ないか全く認められなかった。以上の結果から,カロース形成はメロン品種のワタアブラムシ抵抗性に重要な役割を持つことが示唆された。
  • 森下 正彦
    1993 年 37 巻 3 号 p. 153-157
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1985∼1991年に和歌山県貴志川町と印南町においてキュウリ等の栽培団地から定期的にミナミキイロアザミウマを採集し,薬剤感受性を調査した。検定方法はインゲンの葉片上に雌成虫を放飼し,容器を25°Cで保持し産卵させ,7日後に幼虫に対して薬剤散布を行い,その24時間後に生死の判行を行った。貴志川町における各薬剤のLC50値は,BPMC乳剤で428∼821ppm, DMTP乳剤は137∼551ppm,シペルメトリン乳剤は16∼41ppmで大きい変動は見られなかった。しかし,スルプロホス乳剤は,1985∼1989年では59∼105ppmであったが,1990年以降感受性が急激に低下し,1991年には572ppmとなった。圃場においても防除効果が低下した。印南町では,BPMC乳剤は558∼1,266ppm, DMTP乳剤は440∼911ppm,シペルメトリン乳剤は29∼76ppmで変動幅は小さかった。薬剤混用による防除を目的として薬剤間の協力作用の検討を行った。市販薬剤を1:1の割合で混合した場合,スルプロホス乳剤+シペルメトリン乳剤とスルプロホス乳剤+BPMC乳剤,DMTP水和剤+BPMC乳剤の組み合わせで協力作用係数が250以上と高く,協力作用が認められた。
  • 瀬戸口 脩
    1993 年 37 巻 3 号 p. 159-162
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    鹿児島県奄美大島において,1989年6月から1990年8月まで毎月1回サトウキビの根部に寄生しているアブラムシ類を採集し,種名と寄生時期を調査した。
    1. 寄生の多い順にオカボノアカアブラムシ,オカボノキバラアブラムシ,Tetraneura javensis VAN DER GOOT,サトウキビネワタムシの4種が確認された。T. javensisはわが国からの初記録である。サトウキビの寄生記録としてはオカボノアカアブラムシは世界初で,他の3種もわが国のサトウキビからの初記録であった。
    2. オカボノアカアブラムシとオカボノキバラアブラムシは3∼6月の春季に寄生が多く,夏季には寄生が認められなかったが,他の2種は春季に加え7∼8月の夏季にも寄生が認められた。
    3. T. javensisを除く3種は12∼1月にもサトウキビに寄生しており,胎生雌による越冬が確認された。
  • 齊藤 準
    1993 年 37 巻 3 号 p. 163-167
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    エリサン,シンジュサンおよびこれらの亜種間交雑種について25±1℃, 16L-8Dの光周条件下で産卵習性を調査した。
    1) エリサンの産卵の経時的変化は,交尾蛾では交尾後1日と2日の暗期に総産下卵数の約75%が集中的に産卵され,明期での産卵はほとんどみられなかった。一方,未交尾蛾では,羽化後3日から8日までの長期に渡り明暗両期間で産卵がみられた。
    2) エリサンおよびシンジュサンそれぞれの雌蛾1頭当りの卵塊数は,エリサンよりも,シンジュサンの方が約2.5倍多かった。
    3) エリサンおよびシンジュサンそれぞれの産卵習性は,エリサンで1卵塊当りの産下卵数が50卵以上にも及ぶ集中性の大卵塊を形成したのに対して,シンジュサンでは,1~10卵程度の比較的少ない産下卵からなる散在性の小卵塊を形成した。
    4) エリサンとシンジュサンの亜種間正逆交雑種(F1)におけるそれぞれの産卵習性を調べた。エリサン♀×シンジュサン♂のF1雌蛾は散在性の小卵塊を形成し,シンジュサン♀×エリサン♂のF1雌蛾は集中性の大卵塊を形成した。
  • 阿部 芳彦
    1993 年 37 巻 3 号 p. 169-174
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    チャバネアオカメムシ成虫から鞭毛虫が分離された。この鞭毛虫は紡錘形を呈し,核の前部のキネトプラストから波動膜を伴った鞭毛が伸びており,トリパノゾーマ科の鞭毛虫のepimastigoteの形態を示すことからBlastocrithidia属の鞭毛虫と同定された。本鞭毛虫は宿主消化管内でepimastigote態で増殖した。epimastigoteは2分裂によって増殖し,個体密度の上昇にしたがってロゼット状のクラスターを形成し,クラスター内でepimastigoteは融合しcyst化した。cystは経口的に感染するが感染成虫の排泄物中にcystが含まれており,感染成虫の産下する卵の表面のcystによる汚染が主要な感染経路と考えられた。
  • 手塚 俊行, 前田 泰生
    1993 年 37 巻 3 号 p. 175-180
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ビニールハウスを被覆する紫外線除去(UVA)フィルムがハナバチ類の外役行動に及ぼす影響を生活型の異なる3種のハナバチ類でみた。ヤマトツヤハナバチでは全く出巣することなく巣口のガードに従事した。アルファルファハキリバチでは,ほとんどすべての個体が出巣したが,大半の個体はハウスの天井下部周辺で乱飛し,全く帰巣しなかった。真社会性のヒメハリナシバチでは,一部の個体は正常に外役活動を行った。これらのうち蜜荷運搬個体は24.5%,花粉荷運搬個体は19.3%,樹脂荷運搬個体は56.2%であった。一般農業用(CA)フィルム被覆下のそれは71.8, 19.8, 8.4%であった。樹脂の採材だけは正常であった。老齢で外役経験が最も豊富な樹脂荷運搬個体は,紫外線に依存しないで,ランドマークを利用して定位できるのではないかと考えられた。
  • 中田 圭亮, 蜂谷 春雄, 千葉 保夫, 佐藤 富行
    1993 年 37 巻 3 号 p. 181-182
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    Intermittent gnawing activity, paralysis, urine incontinence, convulsions and panting were observed in the gray red-backed voles after consumption of rodenticide pellets weighing 0.167g and containing 1% zinc phosphide. When the voles ate 1.0-2.7 pellets, their haunches were paralyzed 2.2h later at the earliest. They then suffered considerable locomotion ataxia. Death occurred after 4-6h.
  • 佐藤 仁彦, 池本 始
    1993 年 37 巻 3 号 p. 183-185
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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