日本応用動物昆虫学会誌
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37 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 高橋 滋, 稲泉 三丸, 川上 幸司
    1993 年 37 巻 4 号 p. 207-212
    発行日: 1993/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) 日本でのダイズアブラムシの生活環は野外観察と飼育実験から,クロウメモドキ属のクロウメモドキ,クロツバラを一次寄主とすることを明らかにした。
    2) ダイズアブラムシの生活環と一次寄主の落葉期,萌芽期との同調性について考察した。
    3) これまで記載のなかった,ダイズアブラムシの幹母,幹雌,産卵雌虫と雄ならびに簡単な記載だけだった産雌虫を図示し,ワタアブラムシと比較して記載した。
  • 中村 寛志
    1993 年 37 巻 4 号 p. 213-219
    発行日: 1993/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    スギカミキリ発生林においてその年に形成された成虫の新脱出孔および過去の累積脱出孔の空間分布を明らかにすることを目的として,1987年から1989年にかけて地上から4mまでの樹幹上にある脱出孔の調査を行った。
    1) 新脱出孔の平均値は年次を追って小さくなり,本調査林では本種成虫の発生数が減少傾向にあることを示した。新脱出孔の分布も累積脱出孔の分布も集中分布を示したが,累積脱出孔の分布集中度のほうが小さかった。また累積脱出孔の分布集中度は年次を追って小さくなる傾向を示した。
    2) *m-m回帰分析から,新脱出孔の分布は一つの脱出孔を基本単位としてそれが集中分布をする負の二項分布であると示された。累積脱出孔については,平均11.5個の脱出孔の基本単位がランダムに分布している構造であった。
    3) 新脱出孔は前年に脱出孔を形成した木に次の年も脱出孔が形成される傾向がみられた。
    4) 負の二項分布を年次ごとに独立に累積する方法で累積脱出孔の分布モデルを作成したが,その分布の集中度は実際の累積脱出孔の分布より小さな値となり,実際の分布には適合しなかった。
    5) 以上の結果から林内での累積脱出孔の分布形成の過程について考察した。
  • 竹内 将俊, 田村 正人
    1993 年 37 巻 4 号 p. 221-226
    発行日: 1993/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) ウリキンウワバ幼虫のトレンチ行動を野外および室内で観察し,ククルビタシン,師管液,隠蔽との関連性について検討した。
    2) 幼虫のトレンチ部位は,発育に伴って葉端から葉脈基部へ変化した。
    3) 寄主植物に対する人為的な処理がトレンチ率へ与える影響を調べた結果,野外の自然状態の葉に対し,茎を切って水差し状態にした無傷の葉ではトレンチ率は低かった。
    4) 師管液の量は野外状態の葉で多く,また茎を切って水差し状態にした無傷の葉では切断からの放置時間が長いほど少なかった。
    5) 葉の表に細く切った紙を貼り,葉の強度を増した条件でのトレンチ率を調べたところ野外状態では100%のトレンチ率を示したが,室内において切断から2時間経った葉ではトレンチを描かずに摂食した。
    6) ウリキンウワバ幼虫のトレンチ行動は,ウリ科植物の師管液に対する適応的行動である可能性が示唆されたが,師管液説,ククルビタシン説のいずれかに断定することはできなかった。
  • 3. 寄生部位および密度と被害との関係
    宮下 武則, 祖一 範夫
    1993 年 37 巻 4 号 p. 227-233
    発行日: 1993/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) ガラス温室に栽培されている被害の出やすさの異なる秋ギク5品種を対象に,ミナミキイロアザミウマの寄生虫数と被害程度の推移を葉位別に調査し,キクの被害の品種間差異が本種の寄生虫数や寄生部位の違いによるものかどうかを検討した。
    2) 寄生虫数については,成虫,幼虫とも品種間差異は小さく,被害の出やすさとの関係はないと考えられた。
    3) 寄生部位についても,成虫,幼虫とも品種間差異は認められず,被害の品種間差異には影響していないと考えられた。
    4) 本種成虫は,キクの茎の先端に未展開葉が存在する場合はその付近に集中して摂食および産卵活動をする。しかし,花蕾の分化に伴い未展開葉が消失すると成虫は分散する。
    5) 幼虫は上から10枚目付近の展開葉の裏面に多くみられる。この傾向は,卵は生長点付近の未展開葉に産み込まれ,ふ化した幼虫が活動する時期には産卵された葉の葉位が下がり10枚目付近に達すること,幼虫はふ化した葉に留まって発育する性質が強いことを示している。
  • 1. トビイロウンカの吸汁におよぼすエトフェンプロックスの影響
    宇田川 隆敏, 今北 武, 桐谷 幸生, 榎本 祐司
    1993 年 37 巻 4 号 p. 235-237
    発行日: 1993/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    Little honeydew was excreted by brown planthoppers on rice plants treated with Etofenprox compared with planthoppers on untreated rice plants. The sucking deterrent effect of Etofenprox continued for more than 3 weeks after the disappearance of any insecticidal activity.
  • 武田 光能
    1993 年 37 巻 4 号 p. 238-240
    発行日: 1993/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    Larval instars and adult sexes of Chlorops oryzae are distinguished by the characters of the posterior spiracles and external genitalia, respectively. These differences are easily visible under a binocular microscope at low magnification (15×).
  • 橋本 義文, 畠中 悦子, 石崎 哲誠, 松本 継男
    1993 年 37 巻 4 号 p. 240-243
    発行日: 1993/11/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    A plaque-purified Bombyx mori nuclear polyhedrosis virus, BmNPV D1 isolate, was propagated for 30 generations by serial undiluted passages in BmN4 cells. During the passages, a few polyhedra phenotypes and defective viral genomes were generated. By contrast, the population of wild type polyhedra and genomes decreased. The main component of defective genomes contained most of the interspersed homologous sequences of the baculovirus genomes.
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