クロクサアリ
Lasius fuliginosus LATERILLEの大顎腺には,セスキテルペン骨格をもつ抗菌活性成分:3-ホルミル-7, 11-ジメチル-(2
E, 6
Z, 10)-ドデカトリエン-1-アールが含まれている。今回の発芽抑制試験によって,この化合物がウリ類炭疽病菌
Colletotrichum lagenariumをはじめイネいもち病菌
Pyricularia oryzae CAVARA,フザリウム病菌
Fusarium oxysporum SCHLECHTENDAHLなどの植物病原菌,黒きょう病菌
Metarhizium anisopliae F126,白きょう病菌
Beauveria bassiana F18などの昆虫病原菌,大腸菌や枯草菌などの種々の土壌細菌に対して抗菌活性を示すことが明らかになった。また,ファルネソールおよびファルネサール,デンドラシンに関しても抗菌活性を同様に測定したところ,デンドラシンには全く活性が認められず,ファルネサール,ファルネソールは,3-ホルミル-7, 11-ジメチル-(2
E, 6
Z, 10)-ドデカトリエン-1-アールのおよそ1/100程度の抗菌活性を示した。このことから,二重結合と共役した2つのアルデヒド基の存在が抗菌活性に大きく関係している可能性が推察される。
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