目的:本研究では,障害児の在宅療養における,1)家族介護者の休息状況,介護負担,睡眠障害,抑うつの実態を明らかにするとともに,2)休息状況が介護負担,睡眠障害,抑うつに及ぼす影響を検討する.
方法:障害児の家族介護者465 人に対し質問票調査を実施し,226 人(48.6%)からの有効回答を分析対象とした.おもな調査項目は,Caregiving Consequence Inventory(CCI)の介護負担尺度,Pittsburgh Sleep Quality Index(PSQI),Patient Health Questionnaire(PHQ-9),家族介護者の休息状況である.
結果:家族介護者の休息状況は,1 か月以内にゆっくり休息がとれたと回答した家族介護者が全体の52.1%,介護を始めてからずっと休息がとれていないと回答した家族介護者は20.2%であった.ロジスティック回帰分析の結果,家族介護者の睡眠障害と抑うつにはともに休息状況が関連していることが示された.
結論:睡眠障害の決定因子として休息状況が,抑うつの決定因子として精神的負担感と休息状況,睡眠障害が認められた.これらより,家族介護者の健康維持には休息が不可欠であり,在宅療養支援におけるレスパイトケアの必要性が示唆された.
抄録全体を表示