背景:心不全患者の在宅療養を継続するうえで介護者は重要な役割を果たし,介護者への支援が課題となっている.介護に対する評価には負担感などの否定的な側面と満足感などの肯定的な側面があり,後者は介護負担感を軽減するが心不全患者の介護者の現状は不明である.
目的:心不全患者の介護者の介護評価の実態と介入研究の現状を明らかにする.
方法:心不全患者の介護者に関する原著論文142 編に対してスコーピングレビューを行った.
結果:介護者は否定的・肯定的な側面双方を経験し,肯定的な側面が介護者の心理状態を改善させた.否定的な側面には心不全の重さや入院回数が影響し,肯定的な側面には急性増悪を来す回数が少ないことなどが影響していた.否定的な側面を軽減する介入は報告されていたが,肯定的な側面を増進する研究はなかった.
結論:介護に対する肯定的な側面を増進することは在宅療養の質の向上が期待でき,具体的な看護支援の構築が求められる.
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