日本健康相談活動学会誌
Online ISSN : 2436-1038
Print ISSN : 1882-3807
4 巻, 1 号
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投稿論文
原著
  • 遠藤 伸子, 三木 とみ子, 大沼 久美子, 鈴木 裕子, 平川 俊功, 力丸 真智子, 久保田 美穂, 道上 恵美子
    2009 年 4 巻 1 号 p. 47-65
    発行日: 2009/03/24
    公開日: 2021/12/03
    ジャーナル フリー

     本研究は、1)養護診断開発の方途ならびに養護診断開発システムを検討し、プロトタイプとして提案すること、2)作成した養護診断(案)の妥当性と養護診断枠組みとを検討することにより、養護診断開発システムの実用化を検討することを目的とした。目的を達成するために有効と考える研究会を組織し、システム開発法の1つである、プロトタイプモデルを参考に、養護診断開発システムのプロトタイプを作成した。要求定義に従いプロトタイプは2段階に分けて作成し、1段階目では、少人数での養護診断開発システムのプロトタイプ1を、2段階目では、プロトタイプ1を拡充し、多人数での診断開発及び検証の行えるプロトタイプ2として作成した。また、プロトタイプ1で開発された養護診断(案)の妥当性検証のために、現職養護教諭490名を対象に無記名自記式質問紙調査を実施し393名から回答を得た。診断妥当性については養護教諭の一致率によって評価し、調査した10の診断のうち8つに妥当性が認められた。また、8つの診断のうち、診断指標と背景要因については、養護教諭の80%以上が支持したものについては主要指標、50%~79%のものは副次指標としてプロトタイプ2に提案することにした。本結果により養護診断開発の方途の一つを示すことができたと考える。また、養護診断開発システムもプロトタイプとして十分に機能すると考えられる。

実践報告
  • 齊藤 理砂子
    2009 年 4 巻 1 号 p. 75-86
    発行日: 2009/03/24
    公開日: 2021/12/03
    ジャーナル フリー

     養護教諭は健康相談活動の中で、身体的な訴えに対する対応とともに心的な対応を行っているが、これらの生徒は後を絶たず、健康相談活動とともに、生徒の対人関係能力を育成することが重要と考えられる。本研究においては、対人関係能力の育成に焦点をあてて、生徒保健委員が中心となり、生徒が主体となった活動の実践と検討を行うことを目的とした。保健委員会では、主にA校の健康の実態を把握するための調査票の作成、調査・集計、明確化された健康課題に向けての啓発活動、評価を行った。具体的には、保健委員会の活動の中で、今回明確化された健康課題は、人間関係やコミュニケーションに関することだった。そこで啓発活動は、保健委員会で検討した結果、生徒集会で対人関係に関する内容の発表を行うこととなった。発表後の調査票の結果からは、生徒たちのコミュニケーションに関する意識の変容がみられた。また調査・集計を行う際に、各学級の保健委員が自分の学級の実態について知ること、健康の意識を高めることを目的として、学級ごとにその保健委員が行った。その結果、生徒同士で人間関係に関する話題が繰り広げられるなど、学校全体から生徒一人ひとりの対人関係に関する意識が高められたことが明らかとなった。

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