日本ヒューマンケア科学会誌
Online ISSN : 2436-0309
Print ISSN : 1882-6962
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原著
  • 福井 幸子, 大西 香代子, 安岡 砂織, 矢野 久子
    原稿種別: 原著
    2021 年 14 巻 1 号 p. 1-15
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

     背景:B型肝炎ウイルス(HBV)に感染した患者のスティグマと差別については多くの報告があるが、医療者の関わりに焦点を当てた報告はみられない。目的:B型肝炎ウイルスキャリアの経験を明らかにし、医療者の倫理的行動について検討する。方法:HBVキャリア10人に対して、感染判明後の体験についてインタビューした。データは帰納的に分析し、カテゴリ間の関連図を作成した。倫理的配慮:青森県立保健大学研究倫理委員会の承認を得て(承認番号1618、2016年7月29日)、全ての対象者から書面で同意を得た。結果:データは1)医療者の関与による否定的な経験 2)医療者の関与による肯定的な経験 3)周囲の状況 4)病気による影響、の4コアカテゴリに分析された。結論:医療者は感染対策のみならず、HBVキャリアが抱える問題を理解して対応しなければならない。さらに看護師は、精神的サポートと生活指導、アドボケイトとしての役割を認識する必要がある。

研究報告
  • 宮野 公惠, 大山 一志, 柏葉 英美, 岸田 るみ, 齋藤 史彦, 成松 玉委, 藤井 博英
    原稿種別: 研究報告
    2021 年 14 巻 1 号 p. 16-24
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

     認知症サポーター事業に参画するA新聞社の新聞販売店78店舗で働く新聞販売員733名を対象に自記式質問紙調査を実施した。回答が得られた553名(回収率75.4%)のうち、認知症サポーターは164名(29.7%)であった。その中で、業務中に認知症を疑わせる高齢者と関わって遭遇した「困惑した体験」について自由記述のあった42名(7.6%)の内容分析を行った。その結果、新聞販売員の認知症サポーターが、認知症を疑わせる高齢者との関わりの中で遭遇した「困惑した体験」として、【契約の事実を忘れられる】【物の置き場がわからなくなっている場面に遭遇する】【やっている・言っている側から忘れられる】【自分の家がわからずさ迷っている姿に出遭う】【受け取り・支払いに伴う誤った思い込みをされる】【脈絡がなく理解できない話をされる】【人や物の判別がつかない場面に遭遇する】【勘定ができない場面に遭遇する】の8カテゴリが導出された。

     新聞販売員の認知症サポーターが、認知症を疑わせる高齢者と関わったときの困惑を緩和する支援の方向性として、認知症サポーター養成講座の中で、新聞販売員が体験する可能性の高い8カテゴリの「現象」と、「知識」を有機的に結びつける教育内容と方法を構築し、実行性の高い学習をすることで、対応にゆとりができると考えられた。更に、新聞販売員の認知症サポーターに期待される役割として、新聞販売が地域に密着して戸別に巡回するという業務の特性を活かすことで、高齢者の軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:以後MCIと略す)の段階での早期発見と、行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:以後BPSDと略す)における事故・トラブルを未然に回避できることが示唆された。

資料
  • ―13名へのインタビュー調査を通して―
    佐藤 美那, 石田 賢哉
    原稿種別: 資料
    2021 年 14 巻 1 号 p. 25-38
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、介護保険サービスを利用している要介護者等を介護する家族介護者を対象として、ケアマネジャーについて家族介護者の視点からケアマネジャーの肯定的評価と否定的評価を明らかにすることである。家族介護者13名を対象にインタビューを行い、ケアマネジャーの評価を、「肯定的」―「否定的」の軸から分類し、カテゴリを生成した。

     その結果、肯定的評価として、【家族介護者に対する受容】【家族介護者への発信】【家族介護者への態度】【個別性への配慮】、否定的評価として、【家族介護者に対する受容が不十分】【家族介護者への発信が不十分】【家族介護者への態度が不十分】【個別性への配慮が不十分】が抽出された。家族介護者は、ケアマネジャーに対して、【家族介護者に対する受容】がされている、【家族介護者への発信】ができている、【家族介護者への態度】がよい、【個別性への配慮】をされていると感じることで、ケアマネジャーに肯定的な評価をしていることが明らかになった。

  • ―母親のストレングスに影響を与える要因に着目して―
    長谷川 あかね, 石田 賢哉
    原稿種別: 資料
    2021 年 14 巻 1 号 p. 39-56
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、重症心身障害の子をもつ母親の、障害告知から現在に至るまでの子育てと人生をめぐる体験や思いの変化から、母親のストレングスに影響を与える要因を導き出すことである。母親12名を対象に半構造化面接によりデータを収集し、質的帰納的に分析を行った。結果、【障害告知をめぐる思い】【障害の子をもった故の生きづらさ】【自身の人生に思いを巡らせる】【子育てに向かう気持ち】【家庭生活での葛藤】【気持ちのバランスをとる】【前向きな気持ちへの変化】【家族からの支え】【環境からの支え】【専門職からの支え】【有機的なネットワークの存在】【母親のストレングスについての認識】の12の内的・外的な要因が明らかになった。これらの要因が、母親のストレングスに影響を与えることが示唆された。

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