本研究の目的は、積雪寒冷地における冬季積雪路面での転倒による外傷を経験した高齢者の心理的な側面を理解するために、雪や氷に対してどのようなイメージを抱いているのかを明らかにすることである。
対象者は、冬季積雪路面での転倒による外傷を経験した65歳以上の高齢者4名であった。方法は対象者ごとにPAC分析を用いた調査を行い、抽出された11のクラスターをKJ法によって総合した。
その結果、「辛い体験を繰り返さないように雪とのつきあい方を変える」、「雪道で転ばないためにできることはすべてやる」、「雪道を歩くことを想像し事前の不安を除く」の3つの島に総合された。
これらの結果から、冬季積雪路面において転倒し外傷を経験した高齢者は、転倒恐怖感を抱いていること。また、受傷後には、転倒経験を受け入れ適応的な行動変容を遂げていることが明らかになった。
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