日本ヒューマンケア科学会誌
Online ISSN : 2436-0309
Print ISSN : 1882-6962
7 巻, 2 号
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学会参加報告
研究報告
  • 清水 健史, 千葉 敦子, 吹田 夕起子
    原稿種別: 研究報告
    2014 年 7 巻 2 号 p. 3-10
    発行日: 2014年
    公開日: 2022/05/12
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、積雪寒冷地における冬季積雪路面での転倒による外傷を経験した高齢者の心理的な側面を理解するために、雪や氷に対してどのようなイメージを抱いているのかを明らかにすることである。

     対象者は、冬季積雪路面での転倒による外傷を経験した65歳以上の高齢者4名であった。方法は対象者ごとにPAC分析を用いた調査を行い、抽出された11のクラスターをKJ法によって総合した。

     その結果、「辛い体験を繰り返さないように雪とのつきあい方を変える」、「雪道で転ばないためにできることはすべてやる」、「雪道を歩くことを想像し事前の不安を除く」の3つの島に総合された。

     これらの結果から、冬季積雪路面において転倒し外傷を経験した高齢者は、転倒恐怖感を抱いていること。また、受傷後には、転倒経験を受け入れ適応的な行動変容を遂げていることが明らかになった。

  • 伝法谷 明子, 鳴井 ひろみ, 本間 ともみ, 瓜田 学, 平 典子
    原稿種別: 研究報告
    2014 年 7 巻 2 号 p. 11-21
    発行日: 2014年
    公開日: 2022/05/12
    ジャーナル フリー

     本研究は、外来がん化学療法を受ける患者を支援するための外来チーム医療に対する専門職者の認識を明らかにすることを目的とした。がん診療連携拠点病院5施設において外来がん化学療法を受ける患者に関わる専門職者33名を対象に、半構成的面接調査を実施し、質的帰納的分析を行った。

     その結果、外来がん化学療法を受ける患者を支援するための外来チーム医療に対する専門職者の認識は、1)患者のニーズに沿った医療を提供する意識をもつ、2)患者がチームの一員であることを認識できるための働きかけ、3)入院から外来へ継続的な支援を提供する意識をもつ、4)患者のニーズに対する速やかな連携・協働、5)メンバーシップの専門的役割発揮、6)専門性を高めるためのモチベーションの向上、7)リーダーシップの役割発揮、が明らかとなった。

     これらの内容から、外来がん化学療法を受ける患者を支援するためのチーム医療を推進する要素として、常に患者の療養生活を意識する専門職者の姿勢、患者のニーズに速やかに対応できるための専門職者の連携・協働、コーデイネーターによって調整されたチームアプローチ、という3つの特徴が導かれ、外来チーム医療システムを構築する上での示唆が得られた。

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