日本家庭科教育学会誌
Online ISSN : 2424-1938
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49 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 秋田 喜代美
    原稿種別: 本文
    2007 年 49 巻 4 号 p. 249-255
    発行日: 2007/01/01
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル オープンアクセス
    Classroom research addresses three characteristics educational research questions : practicality, complexity and uniqueness, and continuity and effectiveness. This paper reviews new trends in classroom research in terms of these characteristics. To consider practicality, the relationship between teacher and researcher is categorized and action research, design-based research and lesson study are the new trends. As regards complexity and uniqueness, the new trends are ethnography and ethno-methodology as qualitative research. To examine continuity and effectiveness, international comparisons of classroom research are discussed.
  • 高木 幸子
    原稿種別: 本文
    2007 年 49 巻 4 号 p. 256-267
    発行日: 2007/01/01
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル オープンアクセス
    本報では,模擬授業を組み込んだ家庭科教育法プログラムの効果と改善点を明らかにするために,家庭科教師に求められる資質能力の枠組みを設定し,模擬授業実践による自己評価,相互評価の記述をもとに,家庭科授業づくりに関する学生の課題を分析した。1.家庭科教師に求められる能力として,教師に求められる能力と同様,「授業準備・実践」の力が求められていた。また,家庭科教師には,生活に結び付ける教材化の力が多く求められており,社会変化への対応や生活者としての姿勢に関する記述が家庭科としての特徴を示していた。2.社会変化への対応や生活者としての姿勢は,学生が授業を構想する段階で認識できていることが確認できた。しかし,具体的に授業場面で実現する力は不足していると思われた。3.授業準備・実践にかかわる力について,自己評価では教師側からの適切な働きかけや生徒への柔軟な対応などの授業展開力を課題と認識し,相互評価では目標設定や指導過程など授業構成力を課題と認識していた。具体的には,授業構成力に関しては,目標設定や指導過程,内容の時間配分など,具体的な授業イメージの構築が困難であった。教材研究力に関しては,授業を進めていく上で必要な知識や関連知識,生徒の立場での教材の工夫に課題がみられた。授業展開力に関しては,生徒への働きかけや柔軟な対応が全体の課題としてみられた。なお,相互評価は,自己評価で気づきにくい点の指摘につながっており,自己評価による課題認識の偏りを是正していた。次報は,各グループが認識した具体的な課題の改善に向けた2回目の模擬授業実践から課題の改善状況を分析し,家庭科教育法プログラムの効果と改善点を明らかにする。
  • 高木 幸子
    原稿種別: 本文
    2007 年 49 巻 4 号 p. 268-278
    発行日: 2007/01/01
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル オープンアクセス
    家庭科教員養成段階における模擬授業を取り入れた家庭科教育法プログラムの効果と改善点を明らかにするために,第1回目の模擬授業で学生が認識した課題を整理し,第2回目の模擬授業を通じて課題の改善状況を具体的に分析した。以下に結果の概要を示す。1.第1回目の模擬授業の結果,模擬授業実践を通じて学生が認識した主な課題は,学習指導過程(学習内容の配列や時間配分),目標設定など,授業構成力にかかわるものが中心であった。また,相互評価が自己評価の偏りを是正していた。さらに,家庭科教師に求められる「社会変化への対応」や「生活者としての姿勢」の資質能力は,授業構想段階で認識されているが授業で実現するには不十分であった。2.授業構成力(目標設定や学習指導過程)については,全体的に改善が図られ,家庭科授業としての内容を質的に高めようと改善に取り組む様子が確認できた。教材研究力,授業展開力については,指摘された課題の改善は図れたが,生徒の実態を予想し,資料を加工することや,生徒とのやりとりに対応したり,発言を構造的にまとめることなどは難しいことが分かった。3.2回目の模擬授業実践の結果,改善されたと感じる内容も改善が難しいと感じる内容も共に教材研究力に関するものが中心であった。以上を踏まえ,本プログラムの効果や改善点に標設定や内容の適切な時間配分を具体的な指標として示すなど,プログラムのはじめの段階から上記の視点の意識化を図っていきたい。また,前学習となる教育法II(2年次生対象,後期実施)において,教科内容の専門性を高めるために,専門教科の内容を教材研究の題材として意図的に扱ったり,指導案の基本的な書き方を習得したりできるようにしておくなど,内容の連携についても実践を通じて検討していきたい。
  • 上野 顕子
    原稿種別: 本文
    2007 年 49 巻 4 号 p. 279-289
    発行日: 2007/01/01
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は,カナダ,アルバータ州の高等学校教育で必修科目のキャリアと生活経営(カーム)におけるキャリアと生活の設計教育の意義を見出すことにある。第1報の目的は2つあり,1つは,この研究が解釈学に基づく解釈的調査により構築された理由と,解釈的調査のスパイラルモデルにより実践された過程を示すことである。2つ目は,この研究の信頼性を,確実性,転用性,信用性,確証性の視点から検証することである。まず,この研究が,多くの研究者により理解または解釈と同一視される解釈学を,研究全体を導く研究方法論として用いたことを示した。これを実践した理由としては,この研究の目的がキャリアと生活の設計教育の意義の理解にあったためである。研究の過程では,エリス(1998)が提供した「解明スパイラルとしての解釈的調査」に従い,前進の弧と後進の弧がつくる輪の原理を用い,データ収集をし,その解釈を行うということを繰り返した。また,確実性は,研究方法,研究者,理論,データを複数組み合わせることにより,転用性は,研究参加者の決定やかれらの特性,データ収集方法とその分析方法を明示することにより,信用性と確実性は,メンバーチェッキングとこの研究の直接的実践者ではない他の研究者に分析を確認してもらうことにより確保した。
  • 上野 顕子
    原稿種別: 本文
    2007 年 49 巻 4 号 p. 290-301
    発行日: 2007/01/01
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル オープンアクセス
    第1報で示した解釈学に基づく解釈的調査の構築とその手順に従い,第2報は,生徒と教師の視点から,収集したデータの解釈を行った。データ収集は,カナダ,アルバータ州の高校必修科目となっているキャリアと生活経営(カーム)の授業観察と,ワークブックやプリントなどの教材の資料収集,及び9人の生徒と2人の教師との対話により行われた。以下がこの研究により明らかにされた点である。1.何人かの生徒は,キャリア設計についてはよく語れるにもかかわらず,個人の生活設計があいまいであった。この間題に対し,一人のトニーという生徒からの,生活設計に関してもっと多くのディスカッションの時間を持ち,意見交換を行うという提案が他の生徒や教師の賛同を得ることになった。2.生徒たちは,カームは彼らの生活を助けてくれるもの,教師たちは,自己の成長や,自分自身の生活についての学習をもたらすものと捉えていた。3.こうした結果から,カームにおけるキャリアと生活の設計教育の意義を,次のようなことが達成できる機会と捉えた。(1)生徒によりよい生活の追及を動機付ける。(2)生徒の自己実現つまり個人の生活やキャリアでなりたい自分になることを支援する。(3)生徒にキャリアと生活の設計教育の意義を認識させる。
  • 吉野 鈴子, 木村 恵子, 中尾 時枝
    原稿種別: 本文
    2007 年 49 巻 4 号 p. 302-308
    発行日: 2007/01/01
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル オープンアクセス
    Using questionnaires collected in 1993 and 2003, we examined both the teaching contents and the consciousness of women's college students who took the dressmaking class. We also examined the effect of the government guideline for teaching which was revised in 1989. The main results were as follows. 1) The teaching materials of the dressmaking in junior high school and high school became simpler but more diverse in those ten years. 2) Student's sewing skills varied from student to student. 3) A small change in student's consciousness was found. 4) It seems that the revised government guideline for teaching in junior high school caused remarkable changes in student's skill and in the contents of teaching.
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