日本助産学会誌
Online ISSN : 1882-4307
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25 巻 , 2 号
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総説
  • 篠崎 克子, 堀内 成子
    25 巻 (2011) 2 号 p. 149-159
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル フリー
    目 的
     本研究の目的は,分娩第2期における様々な分娩体位が会陰裂傷・会陰切開にどのような影響があるのかに着目し,分析することである。
    対象と方法
     助産学,医学分野の論文を中心に検索し,分娩第2期のあらゆる分娩体位と会陰裂傷,会陰切開の関係を量的に分析した。
    結 果
     分娩第2期におけるあらゆる体位が会陰裂傷・会陰切開に及ぼす影響は,以下の通りである。1)座位はintact(無傷)の割合も高いが,同時に会陰裂傷も起こりやすいという特徴があった。これは,座位のなかでも産科的な分娩椅子を使用した研究に顕著に現れていた。2)intact(無傷)になりやすく,会陰裂傷が起こりにくい体位は,側臥位,膝手位,蹲踞位であった。3)仰臥位群(セミファーラー位,砕石位を含む)は会陰切開を起こす確率が高かった。
    結 論
     分娩第2期における産婦の多様な体位を比較すると,会陰裂傷を起こしにくい体位は側臥位・膝手位・蹲踞位であった。また,会陰切開を起こしやすい体位は仰臥位群であった。
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  • 竹形 みずき, 春名 めぐみ, 村山 陵子, 松崎 政代, 村嶋 幸代
    25 巻 (2011) 2 号 p. 160-170
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル フリー
    目 的
     本研究の目的は,1)産痛評価に使用される主観的評価尺度の特性,使用方法,妥当性,信頼性を整理し,実際に産婦に使用する際の長所と短所について検討することである。
    方 法
     Pubmed,CINAHL,医学中央雑誌Web版を使用し,2010年5月までの期間,経膣分娩の妊産婦を対象として主観的疼痛評価尺度を使用し産痛測定を行っている計50文献でレビューを行った。
    結 果
     産痛強度の主観的評価尺度として,Visual analogue scale (VAS), Numerical Rating Scale (NRS), Face rating scale (FRS), Verbal Rating Scale (VRS), Mcgill Pain Questionnaire (MPQ)のPresent Pain Intensity (PPI)が使用されていた。産痛の質・強度両方を測る尺度としてMPQが使用されていた。どの尺度も分娩全時期,産後に使用されていた。
     VASは痛みを視覚的に連続的なものとして扱う尺度であり,レビュー文献の内最も多く使用され,収束的妥当性,MPQのPPIとの併存的妥当性が確認された。
     NRS,FRS,VRS,MPQのPPIは数字や痛みの説明による順序尺度である。MPQのPPIはVASとの併存的妥当性,PPIとPRIは弁別的妥当性が確認された。NRS,FRS,VRSは妥当性が確認されなかった。MPQのPRIは産痛測定での因子妥当性が確認された。MPQ日本語版は訳の推敲,カテゴリー化の再考を課題としている。
     どの主観的評価尺度も産痛測定における信頼性は確認できなかった。
    結 論
     産痛測定に最も多く使用されるVASは産痛測定において併存妥当性,収束妥当性が検証されており,個人の微細な痛みを表すことが可能であるが,個人間でばらつきが大きいことが欠点である。
     どの主観的評価尺度も産痛測定における信頼性は確認されなかった。
     産痛の質と強度を多面的に捉え得るMPQは,産痛測定において妥当性が示されているがVAS,NRS,FRS,VRSに比べて回答に時間がかかることが欠点である。今後日本語版の改良,簡略版の開発が課題とされる。
     産痛を正確に捉えるためには尺度の特性を踏まえ,目的に合った尺度の選定をし,個人間のばらつきや測定値の不安定性を考慮し,尺度の併用や測定時期の統一など使用方法を工夫し,結果の解釈に注意を払う必要性がある。
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原著
  • 佐藤 美春, 菱谷 純子
    25 巻 (2011) 2 号 p. 171-180
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル フリー
    目 的
     本研究の目的は,助産師の職業的アイデンティティを測定する尺度を作成し,関連要因を検討することである。更に,助産師の職業的アイデンティティの職業継続意志への関連についても検討し,助産師教育における職業的アイデンティティを育てる方策の示唆を得る。
    対象と方法
     全国の病院87施設に勤務する就業2年未満の助産師414人を対象とし,郵送法による自記式質問紙調査を実施した。作成した助産師の職業的アイデンティティ項目の因子分析,ステップワイズ法による要因との重回帰分析,t検定を行った。
    結 果
     有効回答は204人(有効回答率49.3%)であり,平均年齢は25.5±3.9歳であった。助産師の職業的アイデンティティ尺度5因子26項目を作成した。その下位5因子にはそれぞれ,F1「助産師として必要とされることへの自負」,F2「自己の助産師観の確立」,F3「助産師選択への自信」,F4「助産師の専門性への自負」,F5「助産師としての社会貢献への志向」と命名した。助産師の職業的アイデンティティ下位尺度への関連要因は,助産師学生時代の肯定的感情を伴う体験,教師からの精神的支援,就職後の肯定的・否定的感情を伴う体験,学生時代と就職後の仕事認識のギャップ,将来展望,分娩介助件数,先輩助産師からの精神的支援,性役割態度,役割モデルの有無であった。職業継続意志への関連要因は,F3「助産師選択への自信」,就職後の否定的感情を伴う体験,将来展望,性役割態度であった。
    結 論
     本研究では,助産師の職業的アイデンティティ尺度の信頼性と構成概念妥当性が確認できた。助産師の職業的アイデンティティは,助産師学生時代と就業後の意識や体験要因,精神的支援,平等志向的な態度によって高められることが示唆された。また,職業的アイデンティティと職業継続意志との関連も示された。
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  • 金岡 緑
    25 巻 (2011) 2 号 p. 181-190
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル フリー
    目 的
     乳幼児をもつ母親の健康生活習慣の実践状況と,精神的健康および育児負担感の予測因子である育児に対する自己効力感の関連性を分析することを目的とする。
    対象と方法
     対象は関西圏都市部に在住の乳幼児をもつ母親で,倫理的配慮のうえ,個人的背景因子,健康生活実践状況,GHQ-12,育児に対する自己効力感尺度の各項目を調査した。乳幼児健康診査対象児の保護者宛てに質問紙を事前郵送にて配布し,健康診査時に648名より調査票を回収した。有効回答579名(有効回答率67.6%)について分析した。
    結 果
    1 .健康生活習慣実践状況は,7つの健康生活習慣のうち,平均4項目が実践されており,育児数や子どもの年齢による影響は認められなかった。
    2 .禁煙・非喫煙習慣が90.0%と最も高く,次いで適正飲酒(84.5%),朝食摂取習慣(81.2%),6~8時間の睡眠(80.8%)の3項目が高い割合で実践されていた。一方で,運動習慣(6.0%)と間食しない習慣(7.4%)では,実践が困難であった。
    3 .睡眠習慣が形成されていない母親は精神的健康が有意に低かった。特に,平均睡眠時間「6時間未満」の群は,「6~9時間未満」の群に比べて,オッズ比は2.75倍と精神的健康が低い者が多かった。
    4 .運動習慣実践群では非実践群に比べてオッズ比は2.96倍と,育児に対する自己効力感が高かった。
    結 論
     乳幼児をもつ母親で睡眠時間が確保できない状況下では,精神的健康が不良であることが示された。また,育児に伴なうストレス反応の予測因子として働く育児に対する自己効力感については,運動習慣の確立と密接に関連していることが理解された。したがって、母親のメンタルヘルス対策をベースとした,健康生活習慣改善のための育児支援が重要であることが示唆された。
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  • 中北 充子
    25 巻 (2011) 2 号 p. 191-202
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル フリー
    目 的
     本研究の目的は,産褥早期の女性の自律神経活動の変化とリラックス感について,産褥日数による変化を非観血的に捉え,それらの変化に影響を及ぼす因子を明らかにすることである。
    対象と方法
     産褥1~3日目の正常な産後経過の女性のべ127名を対象とし,自律神経活動の変化とRE尺度による主観的リラックス感について調査をおこない,潜在曲線モデルを用いて検証した。自律神経活動は,心拍変動を周波数解析して得られた交感神経を示すLow-frequency (LF) / High-frequency (HF),副交感神経を示すHFを用いた。
    結 果
     HFとLF/HFは,産褥1日目が高く,2,3日目は低かった。しかしHF,LF/HFと主観的リラックス感において,産褥1~3日間に有意な差は認められなかった。主観的なリラックス感は,産褥1日目の状態が3日目まで影響することが明らかになった。HFと主観的リラックス感に影響を及ぼす因子として,分娩回数と年齢の関連が強いことが分かった。主観的リラックス感は,分娩回数が増えると得点が高くなり,HFの変化には年齢が影響を及ぼしている。産褥1日目のリラックス感が高ければHFも高くなるが,日数が経つにつれ,HFは減少していくことが示された。
    結 論
     産褥1日目のHF,LF/HFは,産褥2,3日目と比較して,ともに高く,産褥1日目の自律神経活動は不安定な状態になる可能性が考えられた。さらに,産褥1日目の主観的リラックス感が3日目まで反映すること,HFに影響を及ぼすことから産褥1日目の褥婦の精神・心理的状態を把握することは,その後の産後の経過を予測し,ケアを推し進めていく上で,非常に重要であることが示唆された。
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  • 相馬 深輝
    25 巻 (2011) 2 号 p. 203-214
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル フリー
    目 的
     初妊婦の生活行動の実態を明らかにし,胎児への愛着と生活行動との関連を検証すること。
    方 法
     対象は,妊婦健診を受診している妊娠末期の初妊婦1024名で,北海道内の産科施設40か所に無記名自己記入式質問紙の配布を依頼,郵送法によって回収した。質問紙は,基本的属性,妊娠関連事項,胎児愛着尺度(PAI)日本語版翻訳,エディンバラ産後うつ病自己調査表(EPDS)日本語版,Rosenbergの自尊感情尺度日本語版,妊娠前後の生活行動(食生活,睡眠,運動)の項目で構成した。分析は記述統計およびノンパラメトリック検定を行なった。
    結 果
     回収した質問紙575部のうち対象選定基準に適う440名を分析対象とした(有効回答率43.0%)。年齢は平均29歳,妊娠週数は28~39週であった。PAIと関連があった項目は,妊娠の希望と計画性,妊娠が分かった時の気持ち,乳幼児に感じているイメージ,高い自尊感情であった。また,妊娠後の生活行動でPAIと関連があった項目は,規則的な食事,鉄分を含むものの意識的摂取,日中の睡眠時間,運動習慣であった。
    結 論
     本研究より,妊婦の胎児への愛着と関連していた生活行動は,規則的に食事をとること,鉄分を含むものを意識的に摂ること,日中の睡眠時間の確保,継続的な運動習慣であった。これらの生活行動を把握することにより,胎児への愛着を推察できることが示唆された。胎児の健康と成長を大切にする妊婦の意識が,自身の健康に努める生活行動の内発的動機づけとなっていることが推察された。
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資料
  • 清水 嘉子, 関水 しのぶ, 遠藤 俊子, 宮澤 美知留, 赤羽 洋子
    25 巻 (2011) 2 号 p. 215-224
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル フリー
    目 的
     本研究の目的は,子どもが乳幼児期にある母親の育児幸福感を高めるために3か月間に2時間による6回の少人数参加型プログラムを開発し評価した。
    方 法
     9人から10人を1グループとするプログラムを2回実施した。プログラム参加群(以下プログラム群とする)19人に対し,プログラムの初回参加前と最終回参加後および最終回参加後1か月に心理学的指標(心理尺度)による育児ストレスや育児幸福感,自尊感情と生理学的指標(自律神経活動,脳波,唾液CgA)によるリラックスやストレスの評価をした。さらに,プログラムに参加しない対照群16人を設定し,同様の評価を実施した。プログラムの内容は,自分について話し仲間作りをする,子どもへの思いを振り返る,育児の幸せな瞬間を大切にする,互いの頑張りを認める,自分を認め自信を持つ,人生設計を考える,自分の悩みについて聞いてもらうなどであり,毎回腹式深呼吸と,笑顔作りのストレッチを取り入れた。心理的指標と生理的指標についてはそれぞれ,群と時点の効果を検討するために二要因分散分析が行われた。
    結 果
     本プログラムの心理学的指標には育児ストレスにおける心理的疲労の群主効果を除き有意な差はみられなかった。心拍数の群主効果,自律神経活動におけるHFの時点主効果,脳波における,α1とα3に交互作用が有意であった。
    結 論
     今後は,より効果的なコースプログラムの検討が課題となる。とくに毎回のプログラム終了後に子どもを交えた雑談の時間や個別相談の時間を確保すること,プログラム終了後の継続的な支援の必要性が課題として残された。
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  • 武本 茂美, 中村 幸代
    25 巻 (2011) 2 号 p. 225-232
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル フリー
    目 的
     本研究の目的は,完全母乳栄養法や混合・人工栄養法の児の栄養法別による育児不安および児に対する感情との関連を明らかにすることである。
    対象と方法
     産後1ヶ月健診に来院した褥婦148名を対象とし,質問紙調査によりデータ収集を行った。調査内容は,対象の背景,育児不安の内容,育児不安尺度(牧野,1982)対児感情尺度(花沢,2008)である。分析は,PASWVer17.0を使用し,有意水準は5%とした。
    結 果
     育児不安について,完全母乳栄養法の女性群の方が,混合・人工栄養法の女性群より育児不安が低かった(p<0.001)。対児感情について,拮抗指数において,有意差がみられ,完全母乳栄養法の女性群の方が,児に対する肯定的,受容的な感情が高かった(p=0.039)。
    結 論
     母乳育児は育児不安軽減に対して有効性が高く,児に対する肯定的,受容的な感情が高まった。以上より,母乳育児の奨励は望ましいことであると考えられる。
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