日本助産学会誌
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早期公開論文
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  • 中村 康香, 山口 典子, アンガホッファ 司寿子, 武石 陽子, 吉沢 豊予子
    論文ID: JJAM-2024-0036
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/05/08
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    目 的

    男女生殖世代における妊孕性リテラシー尺度を開発し,信頼性と妥当性を検討する。

    対象と方法

    既存の妊孕性に関する知識を測定する尺度や妊孕性に影響する要因に関する先行研究及び文献検討から,妊孕性リテラシー尺度として,尺度案60項目からなる質問紙を作成した。男女生殖世代に対してWeb調査を行い,尺度の信頼性と妥当性を検証した。

    結 果

    648名を分析対象とした。探索的因子分析で,知識に関する【女性の妊孕性に影響する年齢と疾患に関する知識】【男性の生殖能力に影響する物理的リスクに関する知識】【男性の生殖能力に影響する生活習慣に関する知識】【男性の性機能と生殖能力に関する知識】とセルフケア行動能力に関する,【情報をもとに自分の状況のリスク判断することができる能力】【将来のために意思決定し行動できる能力】【支援を求めたりコミュニケーションをとることができる能力】の7因子31項目となった。弁別的・収束的妥当性が確保され尺度化成功率は100%であった。既知集団妥当性として不妊治療有群は不妊治療無群よりも有意に得点が高かった(p<.001~.039)。また一般向け健康リテラシーと妊孕性リテラシー尺度のセルフケア行動能力に関する因子及びその合計得点との間には中程度の有意な相関が認められた(r=.420–.596,p<.01)。信頼性係数は尺度全体で.911であり,下位尺度では.794–.881であった。

    結 論

    男女生殖世代を対象とした,妊孕性リテラシー尺度の妥当性と信頼性が確認され,今後のリプロダクティブライフプランを促進する介入への応用が期待される。

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