アニメーション研究
Online ISSN : 2435-1989
Print ISSN : 1347-300X
ISSN-L : 1347-300X
20 巻 , 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
論文
  • 布山 タルト
    2019 年 20 巻 1 号 p. 3-16
    発行日: 2019/03/01
    公開日: 2021/05/07
    ジャーナル フリー

    アニメーション教育を「動きの探求教育」として捉え、その具体的な指導方法の一つとして、複数のアニメーション映像を画面上に並置して見比べる比較観賞教育の可能性を検討する。2本のアニメーション映像を順次再生条件のみで視聴した場合と、並置再生条件も加えて視聴した場合とを比較し、後者の条件において同一映像を2回目に視聴した時の評価に伸びが生じるかを検証した。その結果、特定の刺激映像の動きの「自然さ」の評定尺度において両群の有意差が見られ、並置映像視聴条件における得点の伸びのほうが大きかった。この評定尺度は、Osgood & Suci (1955)の3つの主要因子のうち「評価性因子」に対応するものと考えられ、並置映像視聴による効果が表れやすいのは同因子に関連した評価である可能性が示唆された。

  • 佐野 明子
    2019 年 20 巻 1 号 p. 17-29
    発行日: 2019/03/01
    公開日: 2021/05/07
    ジャーナル フリー

    『桃太郎 海の神兵』(1945)の映像実験について検証する。おもに影絵アニメーション、ミュージカル映画、ドキュメンタリー映画、プレスコと透過光の採用に着目して映像テクスト分析を行う。同時に、物語映画の話法が適宜用いられることによって、多様なイメージが拡散することなくストーリー(日本の勝利)へ収束され、観客を吸引しうる作品となるさまを分析する。そして、日本のアニメーションでは描かれてこなかった本格的な「死」の表象が、『海の神兵』に現れている可能性について論じる。そのうえで、『海の神兵』がプロパガンダ映画であるとともに、殺人を正当化する戦争の根本的な矛盾を問いかけるような両義的な作品である可能性を示す。本論文では、瀬尾光世がプロキノ時代から培ってきた宣伝力と、たしかな演出力にもとづく映像実験によって、『海の神兵』が映像史上において稀有であり、かつ今日的な意義を有する作品であることを明らかにする。

  • アルト ヨアヒム
    2019 年 20 巻 1 号 p. 31-41
    発行日: 2019/03/01
    公開日: 2021/05/07
    ジャーナル フリー

    本稿は、日本国民の第二次世界大戦についての集合的記憶における広島への原爆投下の役割から出発し、原爆投下を扱った「戦争アニメ」を取り上げる。

    戦争アニメのナラティブの方向を確認するために用意した分析モデルを利用し、主な論点は作品の時空間的な舞台によるのフレーミングに起きた変化である。さらに、各作品のそれ以外の特徴も簡潔に考察する。後者の特徴には例えば各作品の間に起きた「主人公」のキャラクターの変化と物語の中に起きる主人公の成長といった点が含まれている。

    また、有名ではない作品が広島への原爆投下のメディア的なイメージに与えた影響に対しての学術的な観察の欠如を本稿では批判的に焦点を当てる。

    最終的には、対象作品の特徴の社会的な背景も触れながら論じる。

書評
大会報告
feedback
Top