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2024 年37 巻1 号 p.
9-
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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脊損専門病院の10 年間のデータに基づく報告
田中 耀介, 佐藤 貴一, 松本 聡子, 須田 浩太
2024 年37 巻1 号 p.
10-14
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
過去10 年間の脊髄損傷専門病院のデータに基づき,屋内または屋外歩行を獲得した頚髄損傷者の筋力,ADL の回復経過を調査した.対象は2013 年4 月から2023 年3 月までに当院の脊髄損傷データベースに登録されて解析基準を満たした頚髄損傷者112 名とし,退院時の歩行機能によって改良Frankel C2 群,D1 群,D2 群に分類した.解析データは筋力とADL であり,受傷後2 週,4 週,2 か月,3 か月時に評価した.統計解析には一般化線形混合モデルを用いた(P<0.05).筋力は受傷後2 週時点で群間差が生じていたが,その後全ての群で経時的に改善していた.一方でADL は受傷後2 週時点で群間差はなかったがその後の回復経過には群間差が生じ,D1 群とD2 群はC2 群に比べて大きく改善した.本研究結果は急性期病院の脊髄損傷リハにおける重要な情報提供となり,地域の脊髄損傷医療ネットワークを構築する一助になる.
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横山 修, 山上 大亮
2024 年37 巻1 号 p.
16-19
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
2001~2020 年の20 年間で当院に入院した新規脊髄損傷患者1533 人を対象に,2 年ごとに褥瘡,尿路感染,膀胱結石,自律神経過反射,異所性骨化,深部静脈血栓症の合併率の変化を調査し,回帰分析を行った.褥瘡,膀胱結石は有意に減少し,深部静脈血栓症は有意に増加した.尿路感染症,自律神経過反射,異所性骨化は変化なかった.その結果2001~2002 年では褥瘡31.8%,尿路感染症26.9%,膀胱結石12.9%,異所性骨化7.0%,の順で多かったが,2019~2020 年では尿路感染症が28.2%,深部静脈血栓症24.4%,褥瘡15.4%,膀胱結石5.1%の順に変化した.脊髄損傷の合併症は組織的な取り組みにより褥瘡や膀胱結石の合併率が減少し,深部静脈血栓症では診断力の向上で増加した.こうした合併症に対する取り組みで合併率は変化し,リハビリテーション治療への影響を少なくすることが可能になる.
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大迫 浩平, 坂井 宏旭, 林 哲生, 河野 修, 前田 健
2024 年37 巻1 号 p.
20-22
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
【目的】外傷性頚髄損傷患者の死因として肺炎は最も多く,重要な合併症のひとつである.我々の目的は外傷性頚髄損傷患者の喀痰培養検査を調査し,当施設での初期の抗菌薬選択の指針を作ることである.【対象】2014 年1 月から2018 年12 月までに受傷2 週間以内に入院した外傷性頚髄損傷患者205 名のうち,喀痰培養が行われた36 名55 検体を対象とした.【結果】Staphylococcus aureus が最も多かった.MRSA は10 人12 検体から検出された.初回の培養検査で検出されたのは3 名3 検体,初回の検査で検出されなかったが2 回目以降に検出されたのは7 名9 検体だった.【考察】初回の喀痰培養では36 人中3 名からMRSA が検出されている一方で,2 回目以降の喀痰培養では11 名中7 名からMRSA が検出されている.感染症を繰り返す患者については抗MRSA 薬の併用を検討する必要があると考えられる.
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川上 慧, 髙橋 雄一, 久壽米木 亮, 後藤 正喜, 西川 満, 善明 雄太
2024 年37 巻1 号 p.
24-26
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
椎体骨折は日常生活動作(Activities of Daily Living:以下ADL),歩行能力低下から,特に高齢者で自宅復帰が困難となる症例も多い.先行研究では,balloon kyphoplasty(以下BKP)は疼痛軽減,Quality of Life(以下QOL)やADL 改善に効果的であると報告されているが,急性期治療後の転帰先との関連は明らかとなっていない.本研究は,高齢者の椎体骨折に対するBKP が転帰先に与える影響を調査した.椎体骨折患者に対し,保存群とBKP 群での2群間比較,多重ロジスティック回帰分析を実施した.転帰先と有意な関連を認めた項目は年齢,BKP の有無,家族構成,退院時Functional Independence Measure(以下FIM)であった.BKP 後は,自宅退院に必要な情報を把握し,早期より自宅退院に向けた介入が必要と考えられる.
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後藤 正喜, 髙橋 雄一, 久壽米木 亮, 慧 川上, 西川 満, 善明 雄太
2024 年37 巻1 号 p.
28-31
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
骨粗鬆症性椎体骨折は,日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)や生活の質(Quality of Life:QOL)の低下を招く.近年,外科的治療としてバルーン椎体形成術(balloon kyphoplasty:BKP)は,早期より疼痛の軽減,ADL 獲得に有効であると報告されている.しかし,早期自宅退院に関する要因については明らかとなっていない.本研究の目的は,急性期BKP 施行後における自宅退院に関する要因を検討することである.当院でBKP 治療後の転帰先より自宅退院群と転院群の2 群間比較を実施した.2 群間において,年齢,骨密度,栄養値,認知機能に有意差を認め,自宅退院群では有意に歩行やADL 獲得した者が多かった.良好な栄養状態や認知機能は,歩行形態の向上や,禁忌動作を含めたADL の獲得となり早期自宅退院に関与すると考える.
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桑田 麻由子, 深田 亮, 高瀬 慶太, 古矢 丈雄, 村田 淳, 大鳥 精司
2024 年37 巻1 号 p.
32-35
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
【目的】術後急性期の頚胸椎疾患に対するトレッドミル歩行練習の安全性を検討した.【対象と方法】対象は2020年8 月から2023 年4 月までに当院で手術を施行した症例のうち,術後の日本整形外科学会頚椎症治療成績判定基準の下肢運動機能が1 点又は1.5 点であった頚椎疾患25 例,胸椎疾患24 例とした.調査項目は,歩行練習の可否,合計回数,有害事象の有無を調査した.【結果】頚椎疾患は20 例が実施可能で,歩行練習の実施回数は合計で105回であった.胸椎疾患は19 例が実施可能で,歩行練習の実施回数は合計で94 回であった.頚胸椎ともに全例で有害事象を認めず歩行練習が可能であった.【結語】術後急性期の頚胸椎疾患手術例に対するトレッドミル歩行練習は,JOA-LE が1 点以上で有害事象なく安全に実施可能であることが示唆された.
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坂口 直史, 花北 順哉, 高橋 敏行, 南 学, 塚本 敏也
2024 年37 巻1 号 p.
36-39
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
首下がり(DHS)における頚部筋の萎縮の程度や偏在性について調査することを目的とし,首下りを伴わない頚椎症(CS)の頚部筋横断面積との比較検討を行なった.対象は,DHS23 例とCS12 例の各頚部筋横断面積を,MRI横断面C4 下縁に平行な線にて測定し,画像処理ソフトウエアimage J により,各筋左右面積の総和を身長で除した値を算出した.頚部筋横断面積は胸鎖乳突筋,肩甲挙筋,多裂筋・頚半棘筋,頭半棘筋・頭板状筋,僧帽筋を測定し,統計解析は,Mann-Whitney 検定を用いて危険率5%にて検証した.結果は,DHS とCS の頚部筋横断面積を比較した結果,胸鎖乳突筋,多裂筋・頚半棘筋,僧帽筋,頭半棘筋・頭板状筋でDHS が有意に低値を認めた.DHS はCSと比較して頚部筋横断面積が減少し,屈筋および伸筋双方の筋萎縮が確認された.
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―保存加療と手術加療患者における比較検討
井上 太郎, 伊藤 大貴
2024 年37 巻1 号 p.
40-44
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
本研究の目的は脊髄硬膜外血種(以下SSEH)の患者について後ろ向きに調査し,治療法,経過,特徴を検討することである.2014 年1 月から2023 年3 月にSSEH の診断にて当院で治療された15 名を対象とし,除圧術が施行された群を手術群(8 名),保存的に経過が見られた群を保存群(7 名)とし,2 群について比較,検討した.患者は男性6 名,女性9 名.平均年齢は70.8 歳(56-84 歳)であった.保存群では全例発症早期に改善がみられたが,手術群は改善を認めなかった.5 名に抗血栓薬内服歴があり,手術群で有意に高率だった.12 名で頚椎,3 名で胸椎に発症し,胸椎発症はいずれも手術群だった.脊髄髄内輝度変化を6 名に認め,手術群で有意に高率だった.手術群の5 名,保存群全例が歩行能力を獲得していた.発症早期に改善が見られない場合は手術加療が望ましい.特に抗血栓薬内服歴,髄内輝度変化を認める場合は注意が必要である.
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折井 久弥
2024 年37 巻1 号 p.
46-51
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
頚椎歯突起後方偽腫瘍(retro-odontoid pseudotumor:ROP)により脊髄症を生じた高齢者5 例を経験した.対象は男性1 例,女性4 例で,平均年齢は79.8 歳(70~92 歳),診断(病態)は多岐にわたり,関節リウマチによる環軸椎脱臼1 例,特発性環軸椎脱臼1 例,C2 から胸椎の骨癒合による隣接障害1 例,環軸椎不安定+CPPD(calcium pyrophosphate dehydrate)沈着1 例,歯突起骨1 例であった.手術療法として,4 例に環軸椎固定術(Goel-Harms 法),1 例に環椎後弓切除術を施行した.全例で脊髄症は改善し,ROP は著明に縮小した.高齢者ROP に対する環軸椎固定術(除圧なし)の成績は良好であった.除圧術のみの1 例も術後経過は良好であったが,その適応は今後の課題である.
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2024 年37 巻1 号 p.
53-
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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林 浩一
2024 年37 巻1 号 p.
54-57
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
脊椎発生の色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)は稀である.今回,胸椎椎間関節発生のPVS の1 例を経験したので報告する.症例は66 歳男性.当院来院7ヶ月前に階段から転落して第10 胸椎破裂骨折を受傷したが,整形外科を1 回しか受診していなかった.来院5 日前より急激に両下肢筋力低下が進行し,立位不能となり,救急車にて来院した.MRI では,第10-10/11 椎間関節レベルでの,T1 等~低信号・T2 低信号の腫瘤による硬膜管への左側方からの圧迫を認めた.第10 胸椎破裂骨折偽関節と腫瘤性病変の合併による遅発性脊髄麻痺・不全対麻痺と診断し,入院16 日目に,T7-L1 後方除圧固定術を施行した.摘出した腫瘤の病理結果はPVNS であり,左第10/11 胸椎椎間関節部から発生したと考えられた.手術後7ヶ月時点で,4 点杖・歩行器での歩行が可能となった.PVNS は再発の可能性があり,術後も注意深い経過観察が必要である.
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森 詩乃, 森下 雄一郎, 入江 桃, 河野 修, 前田 健
2024 年37 巻1 号 p.
58-60
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
馬尾症状を呈した頚髄症合併の腰部脊柱管狭窄症に対して頚髄除圧のみで馬尾症状の改善を認めた症例を経験した.症例は62 歳男性,数年前からの歩行時の両下肢および陰部のしびれ,勃起を伴う間欠跛行を認めた.MRI にてL2-3-4-5 の多椎間狭窄を認め,腰部脊柱管狭窄症の診断で手術目的に入院となった.入院後の神経学的診察にて,頚椎伸展での上肢への放散痛と上肢腱反射の亢進を認めた.画像診断にて腰部脊柱管狭窄の他,C5/6 高位の頚椎椎間板ヘルニアによる頚髄の髄内信号変化を伴う高度圧迫所見を認めた.段階的手術の方針とし,まず頚椎の前方除圧固定術を施行したところ,馬尾性間欠跛行様の症状が消失した.頚椎前方除圧固定術による頚髄の圧迫解除により症状が消失したことから,頚椎および腰椎での多重圧迫により馬尾症状が増幅していたと考えられた.
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劉 軒, 本田 英一郎, 大園 恵介, 田中 達也
2024 年37 巻1 号 p.
62-64
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
腰痛と下肢への放散痛を主訴に,脊椎内に嚢腫性病変を指摘された1 例を経験した.61 歳男性であり,画像検査にて高度な椎間関節変形および骨融解を伴う骨内嚢腫性病変をL4, 5 棘突起内,L5 椎弓根内に認めた.L4/5 レベルで高度な脊柱管狭窄の所見を認めており,症状をきたしているものと思われた.骨内の嚢腫性病変の生検および腰椎後方除圧術を行った.病理検査では悪性所見は認めず,骨内ガングリオン嚢腫が疑われる所見であった.術後の徐々に辷り症の進行を認め,下肢痛が増悪したため,腰椎後方固定術を行った.症状改善し,自宅退院となった.脊椎内に発生する嚢腫性病変には骨内ガングリオン嚢腫も鑑別の一つに挙げられる.
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松島 忠夫
2024 年37 巻1 号 p.
66-68
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
多発脊髄腫瘍を経験した.64 歳の女性で間欠跛行,臀部痛,鼠蹊部痛,排尿障害が主訴で画像上胸椎下部から腰椎部にかけて多発腫瘍陰影がある.腰椎部の8 個の腫瘍摘出を行った.腫瘍はSchwannoma(神経鞘腫)であった.数年後左下腿部皮下腫瘤と右肘関節部皮下腫瘤があり,痛みがあるため摘出した.いずれもschwannoma であった.schwannomatosis(神経鞘腫症)と考えられる.
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山田 裕介, 北川 恭太, 古矢 丈雄, 三浦 正敬, 大鳥 精司
2024 年37 巻1 号 p.
70-72
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
【症例1】73 歳男性である.右腎癌全摘術後,肺転移,第1-2 胸椎転移.第1 胸椎圧潰により,硬膜管,神経根が圧排され,左肩甲部痛を認めた.SINS 12 点,徳橋スコア10 点,片桐スコア4 点であった.後方除圧固定術,両側椎間孔拡大術を施行し椎体圧潰の進行を予防しえた.左上肢痛の軽減によりQOL が改善し,術後の脊髄症状の出現を回避した.【症例2】67 歳女性.肺癌,多発骨転移.第4-7 頚椎,第1-4 胸椎があり,SINS 8 点,徳橋スコア3 点,片桐スコア7 点であった.病勢進行に伴う疼痛増悪,脊髄症の出現が予想され予防的に後方除圧固定術および右椎間孔拡大術を施行した.術後,PS の改善を認め化学療法を再開し得た.その後も疼痛の増悪やQOL の大きな低下なく,歩行機能を維持した.【考察】神経症状が重篤化する前の手術介入によりADL の更なる低下を予防,PS の維持や化学療法の継続に繋げることができた.
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本田 英一郎, 劉 軒, 田中 達也, 角田 圭司
2024 年37 巻1 号 p.
74-77
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
アテトーゼ型脳性麻痺では頚部の不随運動により成人期に高頻度に頚椎症や頚椎後弯変形による頚髄症や頚椎症性神経根症状が発現することが多く,特に上位頚椎では環軸椎不安定による四肢の脱力や高度な後頭,後頚部痛を発症する.これらに対してcranio-cervical long fusion にて対応した歴史があるが,長期成績はかなりみじめな結果を呈した.近年Botulinum A による不随運動の抑制効果が数多く報告されるようになった.今回我々はC2, C3, C4の神経症状(高度な後頭,後頚部痛)に対してBotulinum A を術前使用し,術後も継続投与することによって上位頚椎固定のshort fusion のみでもBotulinum A 投与中は良好な結果を得られたので報告する.
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劉 軒, 本田 英一郎, 大園 恵介, 田中 達也
2024 年37 巻1 号 p.
78-80
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
腰椎椎間板ヘルニア術中に心停止を来した若年女性の1 例を経験した.29 歳と若く,術前検査でも心疾患のリスクは全くなかったが,体重101kg,BMI 35 と肥満体型であった.術中操作の硬膜牽引を誘引として気道内圧が異常に上昇し,呼吸原性に心停止を来したが,迅速に仰臥位に戻して救命処置を行い,短時間で蘇生に成功した.高度な肥満症例での腹臥位手術は,換気不良や静脈還流量の低下など,様々なリスクをはらんでいる.このような症例では,手術適応に関しては慎重に判断するとともに,脳波モニターなどを併用して麻酔深度を正確にモニタリングする必要がある.
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本田 英一郎, 劉 軒, 田中 達也, 角田 圭司
2024 年37 巻1 号 p.
82-84
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
斜側方経路腰椎椎体固定術(oblique lateral interbody fusion:OLIF)は効果的な腰椎の矯正に優れた手法であり,また脊柱管狭窄,椎間孔狭窄などの間接的除圧,さらには腰椎後方術後のsalvage 目的に適した手術方法である.OLIF の術中合併症は血管損傷,脊柱管のcage 迷入,腹膜損傷による腸管ヘルニア,腸腰筋内の腰椎神経損傷など日本の集計では約3%の合併症が報告されている.今回の症例は過去にL4/5 の後方手術を多数回受け,同一部位L4/5 を中心とした症状を呈していた.OLIF を選択するにはL4 のすべりがgrade 2 でさらにL4/5 レベルがhigh ridding iliac bone でOLIF を行うには腸骨が障害となり,腸骨削除を要した症例であった.
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稲垣 浩, 後藤 正幸
2024 年37 巻1 号 p.
86-89
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
症例は64 歳男性.右下肢疼痛の原因として腰部脊柱管狭窄症と診断し,腰椎後方除圧術を施行した.黄色靭帯は高度に変性し血腫,嚢腫を形成しており硬膜との癒着も強かった.手術は問題なく終了し,ドレーンを硬膜外に1本留置し陰圧とした.術直後より見当識が不良で,発語が乏しい状態が継続した.ドレーンからの排液は術後4時間で100ml と多く,徐々に淡血性になってきたため抜去した.術翌日も意識レベルは改善せず,高次脳機能の低下を認めたため頭部MRI を行い,両側基底核で低酸素脳症様の所見を認めた.本症状は術後の髄液漏にともなう低髄圧によりPseudohypoxic brain swelling(PHBS)が生じたことが原因と考えた.点滴,安静により経過観察を行い,術前の状態に回復したため術後7 日目に自宅退院となった.本症例で経験した腰椎術後の意識障害について文献的考察をまじえて報告する.
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國安 晃弘, 土岐 恭範, 古矢 丈雄, 牧 聡, 白谷 悠貴, 大鳥 精司
2024 年37 巻1 号 p.
90-93
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
認証あり
抗菌薬局所持続灌流療法(continuous local antibiotic perfusion,以下CLAP)は難治性感染症に対する治療選択肢として近年注目を集めている.脊椎固定術後晩期に発生した褥瘡由来のインプラント感染に対し,通常の局所外科的処置と抗生剤の経静脈投与に加え,CLAP を行い,感染を鎮静化し得た1 例を経験した.患者は83 歳女性で30年前に胸椎OPLL に対してT2~T7 除圧及びC7~T12 後方固定術が行われた.ロッド折損,後弯,るい痩により脊椎後弯部に褥瘡と膿瘍が形成された.経静脈的抗菌薬投与と洗浄デブリードマン,ロッド部分切除,術後のCLAPにより治癒した.今後,脊椎固定術を行った患者の高齢化に伴うるい痩,後弯変形,ADL 低下により今回のような褥瘡由来のインプラント感染例が出現すると予想される.CLAP は感染治療の1 つの有用な選択肢である.
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中村 嘉
2024 年37 巻1 号 p.
94-97
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
症例は60 歳男性であった.前医で頚髄症に対し頚椎椎弓形成術を施行され,術後15 日目より発熱と水様下痢が出現し,16 日目にショックとなり本院へ転送された.転院時,眼球結膜は充血し,全身に網状皮斑が出現していた.血液生化学検査所見では,炎症反応の上昇,腎機能障害,CK の上昇,乳酸値の上昇を認めた.頚部単純CT で頚椎背側に液体貯留を認め,入院第1 病日に切開を施行した.入院第2 病日に皮斑の紅潮が顕在化し,斑状紅皮症と考えた.ICU で全身管理・集中治療を施行し,入院第7 病日に一般病棟へ転床となった.頚部排液の培養検査よりメチシリン耐性黄色ブドウ球菌が検出された.以上より,手術部位を感染巣とした毒素性ショック症候群と診断した.入院第20 病日に頚椎背側のデブリードマンおよびアンカースクリュー抜去術を施行し,入院第61 病日に独歩退院となった.早期の認識と適切な治療戦略が,良好な転帰に繋がったと考えた.
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2024 年37 巻1 号 p.
99-
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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2024 年37 巻1 号 p.
100-101
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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浅山 美穂, 將基面 恵介, 藤井 牧人, 善明 雄太, 小川 浩一
2024 年37 巻1 号 p.
102-104
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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中村 智之, 廣田 美槻, 千葉 友美, 入澤 寛, 美津島 隆
2024 年37 巻1 号 p.
106-107
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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白水 希望, 古賀 隆一郎, 須堯 敦史, 林 哲生, 久保田 健介, 前田 健
2024 年37 巻1 号 p.
108-109
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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―日本語版Clinical trunk control test を用いて―
吉村 友宏, 神保 和正, 高浜 功丞, 安森 太一, 村山 尊司, 菊地 尚久
2024 年37 巻1 号 p.
110-111
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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善明 雄太, 渡邊 一也, 後藤 正喜, 川上 慧, 浅山 美穂, 將基面 恵介, 西川 満, 隈元 真志
2024 年37 巻1 号 p.
112-113
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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高瀬 慶太, 深田 亮, 桑田 麻由子, 村田 淳, 古矢 丈雄, 大鳥 精司
2024 年37 巻1 号 p.
114-116
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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―有病率と身体機能因子の検討―
深田 亮, 古矢 丈雄, 桑田 麻由子, 高瀬 慶太, 村田 淳, 大鳥 精司
2024 年37 巻1 号 p.
118-119
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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山上 大亮, 横山 修
2024 年37 巻1 号 p.
120-121
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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加藤 裕幸, 檜山 明彦, 酒井 大輔, 野村 慧, 佐藤 正人, 渡辺 雅彦
2024 年37 巻1 号 p.
122-123
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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坂本 祐史
2024 年37 巻1 号 p.
124-125
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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信貴 経夫
2024 年37 巻1 号 p.
126-127
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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土屋 太一, 齊藤 淳哉, 小山 慶太, 高橋 宏
2024 年37 巻1 号 p.
128-129
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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坂本 祐史
2024 年37 巻1 号 p.
130-131
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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神保 幸太郎
2024 年37 巻1 号 p.
132-133
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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―自施設最近5 年間の集計―
高橋 良輔, 今田 憲二郎, 牧 知子
2024 年37 巻1 号 p.
134-137
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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今田 憲二郎
2024 年37 巻1 号 p.
138-139
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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仙石 淳, 乃美 昌司, 柳内 章宏
2024 年37 巻1 号 p.
140-141
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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乃美 昌司, 柳内 章宏, 仙石 淳
2024 年37 巻1 号 p.
142-144
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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岩隈 美穂, 大濱 眞, 加藤 真介
2024 年37 巻1 号 p.
146-147
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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アンケート調査による第1 報
岩隈 美穂, 大濱 眞, 加藤 真介
2024 年37 巻1 号 p.
148-149
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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2024 年37 巻1 号 p.
151-
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
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西條 裕介, 名越 慈人, 末松 悠, 中村 雅也, 岡野 栄之
2024 年37 巻1 号 p.
152-153
発行日: 2024年
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
脊髄損傷動物モデルにおいてヒト人工多能性幹細胞由来神経幹/前駆細胞(human iPSC derived neural stem/progenitor cells:hiPSC-NS/PCs)を用いた細胞移植療法は有効な治療法として期待されている.本研究では移植細胞と宿主細胞間でのシナプス形成促進させるため,hiPSC-NS/PCs より人工シナプスオーガナイザーであるCPTX を強制発現させ移植するEx vivo 遺伝子治療を計画した.圧挫損傷モデルラットを作成し,損傷後9 日目にhiPSCNS/PCs を損傷中心部に移植し,各種解析を行った.CPTX 群では移植中心部においてシナプス関連タンパクが増加し,また一部の上位神経回路との接続も増加した.また歩容の改善や誘発筋電図における振幅の増幅が見られた.従来の移植療法を上回る効果が認められ,有用な治療戦略として期待できる.
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吉田 剛, 後迫 宏紀, 長谷川 智彦, 大和 雄, 坂野 友啓, 松山 幸弘
2024 年37 巻1 号 p.
154-159
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
【目的】小児側弯症手術において麻痺予防のための術中脊髄モニタリングと手術操作の注意点を検討した.【方法】小児側弯症144 例を対象とし全例に経頭蓋刺激運動誘発電位(Tc-MEPs)を施行した.アラーム出現率,タイミング,レスキュー操作,モニタリング成績,麻痺率等につき検討した.【結果】144 例中22 例(15.3%)にアラームが出現した.内6 例は手術操作後に生じ,残りの16 例は手術操作に関連しないアラームで偽陽性を疑った.矯正後に真陽性を疑った4 例では全例ロッドを抜去し矯正解除,レスキューを行った.4 例中2 例は遅発性アラームを生じた.モニタリング成績はTP2 例,FP16 例,TN126 例,FN0 で感度100%,特異度88.7%であった.【結論】Tc-MEP は小児側弯症手術の神経障害予防に有用であったが遅発性アラームを生じることがあり,注意が必要である.
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高浜 功丞, 神保 和正, 吉村 友宏, 安森 太一, 村山 尊司, 菊地 尚久
2024 年37 巻1 号 p.
160-163
発行日: 2024/07/24
公開日: 2026/08/10
ジャーナル
オープンアクセス
脊髄損傷者に対する自動車運転の再開支援は,移乗など動作面に伝統的に主眼が置かれ,運転操作の特性に焦点を当てた報告は少ない.今回このことについてドライビングシミュレータと最新の上肢・体幹機能評価を用いて多角的に検証した.完全麻痺者・不全麻痺者それぞれのDS 結果の特性について共分散分析にて分析し,さらにその結果に対して上肢・体幹機能評価の結果を基に重回帰分析を用いて要因の分析を行なった.その結果,完全麻痺者では反応スピードの遅さがあり,姿勢バランスや手動運転装置への慣れに起因する可能性が示唆された.不全麻痺者では複数の操作になると反応スピードの遅さやムラが生じていることが明らかとなり,その評価には上肢・体幹など多角的な視点からに加え,注意機能障害の視点も含めることが有効である可能性が示唆された.脊髄損傷者の運転支援では動作面だけでなく運転操作における支援も有効な可能性がある.
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