経営情報学会誌
Online ISSN : 2435-2209
Print ISSN : 0918-7324
29 巻, 4 号
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論文
  • 柳田 浩孝, 倉橋 節也
    2021 年 29 巻 4 号 p. 251-271
    発行日: 2021/03/15
    公開日: 2021/03/30
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,スタートアップ企業のパフォーマンスと彼らに対する外部支援の関連性について調査を行うことである.分析に際しては,2,897件(第1回調査時点)のスタートアップ企業から回答を得られたアンケート調査を用いた.分析手段としては,因果推論手法の1つである傾向スコアマッチングを採用した.まず外部支援とパフォーマンスを分類したうえで個々の支援ごとに効果を検証したところ,大半の支援ではスタートアップ企業のパフォーマンスを改善する因果効果を認めることができなかった.次に,一部の外部支援を採り上げ,その他支援との組み合わせ効果を検証したところ,非公的資金と公的資金支援の組み合わせで売上が有意に成長したなど新たな因果効果が確認された.これらの結果から,目指す自社の将来像に基づき,受け入れる外部支援やその組み合わせを慎重に模索していくことの有効性が示唆された.

  • 吉田 和樹
    2021 年 29 巻 4 号 p. 273-294
    発行日: 2021/03/15
    公開日: 2021/03/30
    ジャーナル フリー

    新しいビジネスモデルを構想段階で概念設計し,検証するためのプロセスを提案する.このプロセスでは,ビジネスモデルキャンバス(BMC)上でSWOT分析を通して自社の強みや弱みを明確にし,ビジネスモデルパターン(BMP)を選択して新しいビジネスモデルの創出に向けた方針を策定する.その方針に沿って,アクションフレームワーク(AF)を適用して新しいビジネスモデルを創出するための施策を決定する.そして,この施策を通して,新しいビジネスモデルに移行していく過程について,システムダイナミクス(SD)によるシミュレーションを実行して,その実現性,収益性,成長性を検証する.

    この提案における新規の点を以下に記す.

    ・概念設計から検証までの一連の作業をプロセスとして定義

    ・BMPを取り入れて方針を策定

    ・BMCのブロックごとにSDモデルの作成方法を定型化

    ・BMCのブロックごとにAFの適用結果に合わせてSDモデルの拡張部分の作成方法を定型化

    ・BMPごとにSDモデルとして定型化できる部分を部品化

    本論文のあらすじは,1章が序論,2章が概念設計プロセスの説明,3章が検証プロセスの説明,4章が今後の課題,5章が本論文のまとめである.

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