経営情報学会誌
Online ISSN : 2435-2209
Print ISSN : 0918-7324
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論文
  • 横田 修一, 古田 克利, 田中 邦明
    2025 年 34 巻 1 号 p. 1-23
    発行日: 2025/06/15
    公開日: 2025/06/18
    ジャーナル 認証あり

    本研究の目的は,企業において情報システム部門のDXに関連する取組みを促進する必要条件を提示することにある.そのために,上司の支援的なリーダーシップ,組織市民行動,組織外部から組織内部へナレッジを統合する活動に着目し,どのように,情報システム部門によるDXに関連する取組みの促進に結実するか検証を行った.検証にあたっては構造モデルを構築し,アンケート調査より収集したデータを部分最小二乗構造モデリング(PLS-SEM)により分析した.その結果,上司の支援的リーダーシップが職務満足感を介して,情報システム部門の従業員の組織市民行動を促進することが判明した.さらに,情報システム部門の組織外部から組織内部へナレッジを統合する活動が,情報システム部門の従業員の組織市民行動からDXに関連する取組みを促進することを媒介することが明らかになった.

  • 福永 成徳, 猿渡 康文
    2025 年 34 巻 1 号 p. 25-46
    発行日: 2025/06/15
    公開日: 2025/06/18
    ジャーナル 認証あり

    東日本エリアの戸建て向けFTTH市場は,サービス開始以降,NTT東日本が高いシェアを維持する一方で参入が十分生起せず,競争が不活性なまま今日に至っている.本稿では,FTTH市場の形成期にNTT東日本の企業組織を分割する「構造規制」を実施した場合,競争環境にどのような影響を及ぼしたのか仮想シミュレーションにより分析し考察する.分析結果によれば,市場形成期に構造規制を実施した場合,NTT東日本は投下費用を回収できず事業価値はマイナスとなるが,潜在的競争事業者はNTT東日本の市場開拓コストに「ただ乗り」することで事業価値はプラスとなるため,構造規制は「公正な競争環境の実現」に寄与しない状況が見出された.もっとも,NTT東日本の独占状態を長期間許容すると消費者余剰が毀損されるため,NTT東日本が投下費用の回収を完了するタイミングを期限として,当該期限までに競争環境を自律的に整備できなければ構造規制を実行する措置が有り得たと考えられる.

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