日本外傷学会雑誌
Online ISSN : 2188-0190
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28 巻, 2 号
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総説
  • 金 史英, 横田 裕行
    2014 年 28 巻 2 号 p. 39-45
    発行日: 2014/07/20
    公開日: 2014/07/20
    ジャーナル フリー
     外傷診療における画像診断の有用なモダリティとなったCTが,短時間での全身撮影を可能とした結果,外傷初期診療時に全身CTを行う概念が広く受け入れられ,多くの施設で施行されることとなった.しかしJATECでは,primary surveyでのCTは推奨されず,循環不安定例に対する撮影は一般的には禁忌とされている.
     近年,CTの技術的進歩とCTやIVR-CTの蘇生室等への設置がなされた結果,外傷患者に対する全身の撮影がより容易となり,全身CTのprimary surveyへの導入や循環不安定例に対する撮影が行われ,死亡率を減少させることが報告されている.従来の身体所見や画像検査を用いたprimary surveyは,もはや最適とは限らないともされ,最短時間で最適な治療をもたらし得る全身CTを,循環不安定例に対しても積極的に適用すべきである.しかしながら,循環不安定例の全てに安全に全身CTが施行可能とは限らず,我々はCTを撮影しない勇気を持ち続ける必要がある.
  • 土佐 亮一, 横田 裕行
    2014 年 28 巻 2 号 p. 46-51
    発行日: 2014/07/20
    公開日: 2014/07/20
    ジャーナル フリー
     「心筋挫傷」という用語は,明確な臨床診断基準が確立しないまま慣習的に使用されてきた.発生頻度も明らかでない.来院時血行動態が安定している患者の合併症発生の予測も困難であったが,最近心筋バイオマーカーと心電図を組み合わせることで,厳重にモニタリングする必要のない集団を選別することが可能になってきた.合併症を予測,対処する努力は今後も継続すべきだが,より明快な「鈍的心損傷」への統合を行う時期になったと考える.
第28回日本外傷学会抄録
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