日本外傷学会雑誌
Online ISSN : 2188-0190
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32 巻 , 3 号
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症例報告
  • 市川 優美, 一色 雄太, 澤田 悠輔, 中島 潤, 金子 稔, 青木 誠, 村田 将人, 萩原 周一, 大嶋 清宏
    2018 年 32 巻 3 号 p. 403-406
    発行日: 2018/07/20
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー

     症例は80歳男性. 高さ2mの脚立から転落して受傷し当院に救急搬送された. 頭部単純CTでは外傷性変化なく, 胸腹部単純CTで胸腰椎圧迫骨折と多発肋骨骨折を認めたため入院とした. 来院3時間後より急激に意識および呼吸状態が悪化した. 胸部レントゲンで浸潤影, 頭部MRIでDWI高信号の散在, 血液内の脂肪滴を認めたことから, 脂肪塞栓症と診断した. 人工呼吸器管理やステロイド投与を含めた全身管理により状態は改善し, 第49病日に転院となった. 脂肪塞栓症の多くは長管骨や骨盤骨折に伴って報告される一方, まれではあるが脊椎圧迫骨折や非骨傷性の鈍的外傷でも生じる場合があり, 外傷診療の際は留意すべきである.

  • 木浪 陽, 根津 智史, 野田 知之
    2018 年 32 巻 3 号 p. 407-410
    発行日: 2018/07/20
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー

     24歳男性, 自動車で高速道路走行中に追突事故にて受傷, 当院へ救急搬送され, 左股関節脱臼骨折 (Pipkin type II) を認めた. 全身麻酔下に徒手整復不能であり観血的整復術を行った. 後方進入で脱臼骨頭の整復を試みたが, 関節包のbuttonhole様断裂を伴い後壁が高度に骨折部に嵌入し整復不能であった. trochanteric flip osteotomy (以下TFO) を併用し関節包切離し後壁嵌入を解除し慎重に骨頭を臼蓋内に一度整復した. その後前方脱臼させ骨頭骨片を骨接合, 骨頭整復し関節包・関節唇を修復した. 術後1年, 骨癒合良好で大腿骨頭壊死もなく, Harris Hip Score は96/100点であり, 原職復帰している. 徒手整復不能な股関節脱臼骨折に対するTFOを併用した観血的整復固定術は, 医原性頸部骨折を予防でき大腿骨頭壊死の合併もなく, 機能も良好であった.

  • 佐藤 啓太, 松本 英一, 伊藤 拓也, 山内 洋介, 堂本 佳典, 田村 佳久, 高橋 幸二, 楠田 司
    2018 年 32 巻 3 号 p. 411-413
    発行日: 2018/07/20
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー

     症例は5歳女児. 乗用車で衝突事故にあった際, 女児は後部座席でジュニアシートを着用していた. 徐々に増悪する腹痛を主訴に受診した. 来院時CTで腹腔内free airと腸間膜脂肪織濃度上昇を認め, 外傷性小腸及び腸間膜損傷を疑い緊急手術を行った. 開腹所見では, 胃体下部大弯部に3cm程度の穿孔部を認めたため穿孔部単純縫合閉鎖, 大網被覆で手術を終了した. 経過は良好で術後8日目に独歩退院した.

     外傷性消化管穿孔は小腸で発生することが多く, 単独胃破裂はまれである1). 3点式のジュニアシートでは, 体格や体勢によってはシートベルトが小児腹部前面に位置するため正面衝突の際には, 衝撃に強い胸郭と骨盤ではなく腹部が圧迫される可能性がある. 小児の解剖学的特徴を理解した上での外傷初期対応と共に, 正しいシートベルト位置での着用が重要である.

第31回日本外傷学会総会・学術集会 シンポジウム
提 言
銃創・爆傷患者診療指針
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