背景 : 情報技術は進化しvirtual realityの分野は格段の進歩を遂げている. カメラ, ビューワーや編集ソフトは高価な専門機器が多かったが, 家電量販店で販売されるもので十分実用できるようになった. Head-mounted display (以下HMD) の圧倒的な没入感は既存動画と別次元で, その場にいると錯覚してしまう. 一度動画を作成すれば, 時, 場所, 人を選ばずに高度な緊急手技の追体験も可能となる.
目的 : 家電量販店で容易に入手できる機器で, HMD上に投影可能な外傷動画シミュレーターを作成し効果を検証する.
対象・方法 : 当科医師10名に, 作成したHMDシミュレーターの体験後にアンケート調査を実施した.
結果 : 体験者はいずれも効果的と答え, HMDの目新しさから興味深く体験できた, リアリティがあり能動的であるなど好印象であった.
結論 : 容易に入手できるもので構築したHMDシミュレーターは有用であった. 特に救急では重症, 稀な症例, 感染症, 被曝などの点でメリットが享受される可能性がある.
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