日本外傷学会雑誌
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総説
  • 宮田 茂樹
    原稿種別: 総説
    2020 年 34 巻 5 号 p. 137-148
    発行日: 2020/11/20
    公開日: 2020/11/20
    ジャーナル フリー

     ヘパリン起因性血小板減少症 (HIT) では, ヘパリン投与で誘導される血小板活性化能を持つHIT抗体が主因となり, 血栓塞栓症を高率に発症する. 一般的な免疫測定法は, 特異度が低い. HIT抗体の血小板活性化能を測定する機能的測定法が, 適切な診断に重要である.

     HITは以下の免疫学的特異性を示す. ヘパリン初回投与患者でも, 二次免疫応答のように, HIT IgGが投与開始後4日目から産生される. ヘパリン再投与の際のanamnestic responseを欠く. 獲得二次免疫応答と異なり比較的早くHIT抗体は消失する.

     この特異性を理解した適切なHIT治療が重要である. 臨床的にHITを疑った時点で, 直ちに抗トロンビン剤などの代替治療を開始する. 高用量イムノグロブリンや血漿交換は, 重症HIT患者の治療に有望と考えられる.

     いくつかの臨床研究は, 重症外傷患者, 特に感染症合併症例は, HIT発症リスクが高い可能性を示唆する.

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