行動分析学研究
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研究報告
  • 松山 康成, 田中 善大, 庭山 和貴
    2024 年39 巻1 号 p. 2-14
    発行日: 2024/12/13
    公開日: 2025/12/12
    ジャーナル フリー

    研究の目的 本研究では、授業開始時および授業中における児童の静かに話を聞く行動の定着を目的とした「沈黙のポーズ」プロンプトを含む介入パッケージを実施し、その効果を検討した。研究計画 学級間多層ベースライン法を用いた。場面 小学校の通常の学級の授業開始時および授業中に介入を行った。参加者 小学4年生3学級の88名の児童であった。介入 介入1では話の聞き方の授業とポスターの掲示、沈黙のポーズ、担任の対応として学級担任による賞賛・承認を、介入2では介入1に加えて口頭での時間フィードバックを、介入3では介入2に加えてグラフでの時間フィードバックと目標時間の設定を、プローブでは、ポスター掲示と担任の対応を行った。行動の指標 静かに話を聞く行動の定着の指標として、授業開始時および授業中に学級全体が静かになるまでの時間を測定した。結果 授業開始時および授業中の静かになるまでの時間は全ての学級で介入1および介入2によって減少し、続く介入3で時間の減少が維持された。結論 授業開始時および授業中の静かに話を聞く行動に対する「沈黙のポーズ」プロンプトを含む介入パッケージの効果が示された。

実践報告
  • 岩島 陽, 平澤 紀子
    2024 年39 巻1 号 p. 15-23
    発行日: 2024/12/13
    公開日: 2025/12/12
    ジャーナル フリー

    研究の目的 本研究は児童がポジティブ行動支援(positive behavior support、以下PBSとする)に主体的に参加するための教師の支援について、児童が考える目標行動を増やすための応援行動を中心として検討することを目的とした。研究計画 教科間多層ベースラインデザインを用いた。場面 公立小学校で実行した。参加者 6年生1学級の全児童14人が参加した。介入 担任が三項随伴性の図を用いて、児童に目標行動を増やすための応援行動の考え方を教える授業を行い、児童は学び合い時間における教える・教わる行動を増やすための応援行動を計画した。担任はその計画を掲示し、児童が教える・教わる行動に対して行った応援行動を自己評価する機会を設けた。行動の指標 児童の教える・教わる行動と応援行動の生起率を算出した。結果 3教科とも児童の教える・教わる行動と応援行動が増加した。児童による社会的妥当性の評価では目的や方法、結果の肯定率は8割以上であった。結論 児童が目標行動を増やすための応援行動を考えるために、教師が三項随伴性を教え、児童の実行を自己評価する機会を設定することが重要であることが示唆された。

展望
  • 松井 大, 澤 幸祐, 丹野 貴行
    2024 年39 巻1 号 p. 24-49
    発行日: 2024/12/13
    公開日: 2025/12/12
    ジャーナル フリー

    徹底的行動主義は、行動分析学の主題と方法論についての哲学であり、行動分析学を基礎づけるものである。近年、何人かの行動分析家たちにより、徹底的行動主義が批判的・発展的に継承され、post-Skinnerの行動主義とも呼べる動きが起きている。本論文の目的は、それらのpost-Skinnerの行動主義のなかでも、主としては実験的行動分析の分野からもたらされたそれらについて、整理された議論を提供することであった。本論文で取り上げたのは、Baumの巨視的行動主義、Rachlinの目的論的行動主義、Staddonの理論的行動主義、Timberlakeの生物学的行動主義、そしてDonahoeのもう一つの生物学的行動主義であった。まず、Skinnerの徹底的行動主義と対比させつつ、これらpost-Skinnerの行動主義の要点を説明した。続いて、それらの行動主義の間の共通点と相違点を、行動の捉え方、オペラントとレスポンデントの区別、意識経験・心的営みの扱いと心的概念の使用、行動の内的原因の扱い、プラグマティズムという論点から整理した。最後に、それぞれの行動主義が導く実験的行動分析の将来像を考察した。

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