認知行動療法研究
Online ISSN : 2433-9040
Print ISSN : 2433-9075
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原著
  • 山崎 智, 土屋 政雄, 国里 愛彦
    2026 年52 巻1 号 p. 1-13
    発行日: 2026/01/31
    公開日: 2026/07/08
    [早期公開] 公開日: 2026/04/03
    ジャーナル フリー

    Personalized Psychological Flexibility Index (PPFI)(Kashdan et al., 2020)は、心理的柔軟性の観点から目標追求時の反応に着目したアセスメントができる質問紙である。PPFIを国内での研究および臨床に活用するために、PPFI日本語版(PPFI-J)の開発を行った。調査は一般成人を対象として実施し(有効回答:554名、平均年齢:39.49歳、標準偏差:9.87)、再調査は1カ月間隔で行った(有効回答:140名、平均年齢:40.56歳、標準偏差:9.99)。構造的妥当性について、PPFIの因子モデルは適合しなかったため、探索的な検討を行い、bi-factorモデルを採用した。構成概念妥当性、信頼性の検証結果を含め、総合的にPPFI-JはPPFIと同等の妥当性および信頼性と評価した。

資料
  • 伊藤 知也, 尾形 明子
    2026 年52 巻1 号 p. 15-25
    発行日: 2026/01/31
    公開日: 2026/07/08
    [早期公開] 公開日: 2026/03/26
    ジャーナル フリー

    本研究では、会食恐怖の実証的な研究を促進するために、会食恐怖を測定する尺度を新たに作成した。本尺度は、「会食場面の回避」、「生理的反応」、「会食中の回避行動」、「感情」の4因子21項目から構成され、尺度全体および下位因子において高い信頼性が確認された。構成概念妥当性については、社交不安や特性不安と中程度の正の相関が見られたことから、不安特性を測定することができていると考えられた一方で、嘔吐恐怖との相関は弱く、会食恐怖と嘔吐恐怖の関連についてさらなる検討が必要であると考えられた。また、主観的な恐怖に基づくカットオフ値の設定を行い、スクリーニング尺度としても有用であることが示唆された。会食恐怖を測定する尺度は、国内外含めこれまでに存在せず、新たに作成した会食恐怖尺度は、今後の会食恐怖に関わる研究や臨床の場で役立つものになると考えられる。

実践研究
  • 瀬口 篤史
    2026 年52 巻1 号 p. 27-36
    発行日: 2026/01/31
    公開日: 2026/07/08
    [早期公開] 公開日: 2026/03/30
    ジャーナル フリー

    本事例では、手の震えにより人前での書字が困難な、社交不安症(SAD)のあるクライエントに対し、人前で意図的に手を震わせて歪んだ字を書いて提出するエクスポージャーを行った。そして、介入の効果について、クライエントの書字行動を、セッション場面における直接観察、および日常場面における自己記録を通して評価した。その結果、クライエントの書字行動はいずれの指標においても増加し、人前での書字が困難なSADのあるクライエントに対してエクスポージャーが有効である可能性が示された。本事例で用いた介入の有効性と、セッション場面における直接観察による行動測定の有用性等について考察した。

  • 平田 大智, 米山 直樹, 三代 優芽
    2026 年52 巻1 号 p. 37-47
    発行日: 2026/01/31
    公開日: 2026/07/08
    [早期公開] 公開日: 2026/04/04
    ジャーナル フリー

    本研究では、水球競技におけるシュートフォーム改善とシュート成功本数に行動的コーチングが及ぼす効果について、参加者間多層ベースラインデザインにて検討を行った。研究参加者はX高校水球部に所属する女子選手3名であった。介入期には、チェックリストごとのシュートフォーム評価得点が高得点の場合は言語称賛を与え、低得点の場合は3段階に分けてシュートフォームの修正を行った。1段階目は、適切な遂行方法について言語教示とモデリングを行った。さらに低得点が2日以上続く場合は、2段階目でビデオフィードバックにてビデオを見せながら言語教示とモデリングを実施した。それでも低得点がさらに2日以上続く場合は、3段階目として、ビデオフィードバックの後、言語教示とモデリングにあわせて身体プロンプトも実施した。その結果、行動的コーチングがシュートフォーム改善に有効であることが示された。

  • 尾野 諄平, 山本 彩
    2026 年52 巻1 号 p. 49-58
    発行日: 2026/01/31
    公開日: 2026/07/08
    [早期公開] 公開日: 2026/04/04
    ジャーナル フリー

    知的障害を伴う自閉スペクトラム症のある人の支援では、機能的な制約による排泄時の支援ニーズと排泄に関する不適切な学習への対応が必要になる場合が多い。福祉施設のように人員が限られている場では支援者にとって簡便で負担が少ない介入方法が必要となる。本研究では福祉施設内で排尿時に自身の尿を触ったり舐めたりする自閉スペクトラム症と知的障害のある利用者1名に対し、行動分析の専門家でなくとも実施可能であることを目的に作成された、Glasberg & LaRue(2015)のFunctional Behavioral Assessmentパッケージを用いた事例を報告し、考察することを目的とした。結果として、当該利用者の尿に関する不適応行動は減弱し、福祉施設にとってこのパッケージは負担が少ない方法だったと考えられた。一方、標的行動の測定やインタビューの煩雑さ、コンサルテーションの必要性が課題として考えられた。

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