生物教育
Print ISSN : 0287-119X
43 巻 , 1 号
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研究論文
  • ―結合組織の教材:「ウィングスティック」―
    半本 秀博
    2002 年 43 巻 1 号 p. 2-7
    発行日: 2002年
    公開日: 2021/09/25
    ジャーナル フリー

    高校生物IBの動物組織の学習では,ニワトリの手羽先を用いた軟骨,硬骨,および横紋筋の観察が一部の教科書で取りあげられているのみで,簡易にできる実験観察の開発はあまり行われていないのが現状である.組織の中でも,形態,機能において多様な結合組織は生徒には理解が比較的難しかった.骨も血液も生徒にとって日常的に馴染みのあるものであるが,その関係についてはほとんど理解できていなかった.骨と血液に密接な関係があることは,結合組織の理解だけではなく,免疫やある種の公害病,医療問題などを理解する基礎知識としても有効と考えられる.以上の観点から,組織の学習の際に生徒が直接扱うことができ,骨と血液の関係を理解させることを目的として,ニワトリ上腕骨骨髄を用いた血球細胞観察教材について検討した.食肉店で「ウイングスティック」の商品名で売られているニワトリ上腕骨5銘柄について,骨髄液の採取が可能かどうかを調べた.このうち1銘柄で十分な骨髄液が採取された.採取した骨髄液をスライドガラス上に塗抹し,メタノール固定,ギムザ染色を施したあと,軽く水洗したものを検鏡した.赤血球や白血球などの血球細胞が観察された.本観察を生徒の観察実習として実施した.1本の「ウイングスティック」を生徒の前で割って骨髄液を採取してもちいれば,1クラスの生徒全員が容易に標本作成し血球の観察をすることができた.

  • 小嶋 茂, 吉国 桂子
    2002 年 43 巻 1 号 p. 8-15
    発行日: 2002年
    公開日: 2021/09/25
    ジャーナル フリー

    セブリナ・ペンドウラはツユクサ科に属する観葉植物であり,夏に枝葉を展開し,初秋に成長点から包葉を分化する.そこで,筆者らは,セブリナ・ペンドウラの互生葉序と花序に特別な関心を寄せた.

    まず,包葉形成以前の夏季に,最も未熟な葉の基部を採取すれば,茎頂部の頂端分裂組織における体細胞分裂を観察できることがわかった.さらに,左右の包葉が分化した後,花芽の原基は,葉と同様に,左右交互に形成されることを,明らかにした.

    未熟な蕾群における左側包葉の蕾グループを,大きい方からl1,l2,l3,……,lnと呼び,同様に,右側の蕾グループを,大きい方から,rl,r2,r3,…rn,と呼ぶ.さらに,成熟した蕾群における左側の蕾グループを,大きい方から,L1,L2と呼び,同様に,成熟した蕾群における右側の蕾グループを大きい方から,R1,R2と呼んで,記号化した.

    このように,開花する前の包葉の膨らんだ基部における蕾群を詳細に探すことで,減数分裂を含む生殖細胞の初期の分裂過程を観察する有効な方法も併せて.明らかにした.

研究報告
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