生物教育
Print ISSN : 0287-119X
47 巻 , 3 号
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研究論文
  • 中西 史, 桑原 正孝, 高城 忠
    2007 年 47 巻 3 号 p. 90-98
    発行日: 2007年
    公開日: 2021/09/25
    ジャーナル フリー

    小学校において,児童が遺伝のしくみに対して,どのような認識を持っているかをアンケートにより調査した.アンケートでは,植物(被子植物)と昆虫における生活環と生物学的形質の継承に関して説明した図と文章,ならびにメダカの発生過程を説明した写真と文章を提示し,児童はそれらの現象が起こるしくみについて自分の考えを自由に記述した.

    生物学的形質の継承に関して,「子が親に似るのは当たり前」のように,そのしくみについて全く記述しない児童も存在したが,調査を行ったすべての学年(3年生から6年生,合計420名)において,60%以上の児童が何らかのしくみ考えて記述していた.回答の中で,種子や卵の中身に関する記述を行った児童の割合は,種子や卵の外見や環境条件に関する記述を行った児童の割合よりも顕著に多く,5年生ではほぼ6割を占めた.6年生では,受粉・受精に関する記述を行った児童は25%を,遺伝子・DNAに関する記述を行った児童は40%を超えていた.メダカの発生に関する調査は5年生と6年生(計229名)に対して行った.得られた回答は,形態形成とは直接関係のない油滴に関するものが最も多く,遺伝子・DNAに関する記述を行った児童はごくわずかであった.これらの結果から,小学校において遺伝子・DNAのはたらきの概念を児童の間の議論の中で共有化することは,生物学的形質の継承に関しては現状でも可能であるが,発生に関しては困難であることが推測される.

  • 安藤 秀俊
    2007 年 47 巻 3 号 p. 99-108
    発行日: 2007年
    公開日: 2021/09/25
    ジャーナル フリー

    初等教育教員養成課程理科専修の大学生に対して,4ヶ月にわたる栽培活動を行う最初と最後の時期に,植物の栽培と動物の飼育に対する意識調査を行った.2回目の調査では,17の質問項目のうち13項目において,5段階の尺度で3.38以上の平均得点が得られ,栽培や飼育に関して前向きで肯定的な認識がみられた.また,分散分析を行ったところ,17の質問項目のうち8項目で男女間に有意な差が見られた.しかし,栽培を行う前後2回の調査時期による有意な差は認められなかった.また,2回目の調査の結果をもとに因子分析を行ったところ,「動植物への愛着・積極性」と「動物への好感・植物の愛育」という2つの因子が抽出された.これらは,植物や動物を育てることが好きで,能動的に関わりたいという動植物への好感と前向きな意識,また,植物への世話をいとわない献身的な愛情が,学生の中に認識されていたことを意味している.

研究報告
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