我々は,20年間,広島市民病院精神科で系統的・継続的にバイオフィードバック療法に取り組んでいる.総合病院である広島市民病院精神科では,他科あるいは診療所などとの連携"病診連携"が確立されており,バイオフィードバック療法へのニーズは高い.特に,"マル于フィードバック療法"の確立によって,汎用的な応用ができるようになったことも,バイオフィードバック療法が継続できている要因であるとも考えている.今回のアンケート結果は,バイオフィードバックに対する関心度と使用率の低さを示していた.このことは,稲森らが行ったアンケート調査(1988)においても"バイオフィードバック法が普及しない理由"として指摘されていた.今回のアンケート結果は,現時点でもこれらの問題が解消されていないことを示している.バイオフィードバックを活用するための情報という点については,インターネット(ホームページ)を用いた情報発信が効果的ではないだろうか.広島市民病院では,"インターネットで調べてきました"といって,遠方からバイオフィードバック療法を希望してくる患者も数多くいる.このことは,近医によってバイオフィードバックが受けられない現状を示している.これらのことから,医療機関向けにHPを活用し,1)バイオフィードバックの基礎と臨床(応用例)などの紹介.2)バイオフィードバック機器メーカーと連携したバイオフィードバック機器の紹介など,"バイオフィードバックはどうすればてざるのか",そして"バイオフィードバックで何ができるのか"について幅広く情報提供することが,バイオフィードバックの認知度を高めることにつながると考える.次に,バイオフィードバック学会に多くの人に参加してもらうためには,学会名の名称を変更することを検討すると同時に,その研究対象を生体行動と自己調節に関する幅広いものにして,多方面の領域の人が入会できるよう検討する必要があると考える.
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