バイオフィードバック研究
Online ISSN : 2432-3888
Print ISSN : 0386-1856
35 巻, 1 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 志和 資朗
    原稿種別: 本文
    2008 年 35 巻 1 号 p. 1-
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
  • 近藤 暹
    原稿種別: 本文
    2008 年 35 巻 1 号 p. 3-10
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
    作業疲労の例としてPC(パーソナルコンピュータ)作業疲労を取り上げた.PC作業疲労に代表される様などちらかというと精神疲労に属すると考えられる疲労の測定は従来から視覚的方法(いわゆるフリッカーテスター(F値))が使用されているが,これに新たに開発した聴覚的方法(T値)を加えて,疲労の測定を行う方法と実例について述べている.PC作業疲労の特徴は眼の疲労にある.(F-T)はF,Tそれぞれ単独に使用した場合に比べて被験者集団の眼の疲労度(自覚疲労率)によくフィットする.日常生活における疲労はその日の作業(仕事)による以外に,作業環境や測定時間帯,測定曜日その他多く要因の影響を受けることが多次元解析(林式数量化理論)を行った結果分かった.また1日のPC作業時間が3時間をこえる者に眼疾の多い傾向が見られる.
  • 林 麗子, 平井 タカネ, 佐久間 春夫
    原稿種別: 本文
    2008 年 35 巻 1 号 p. 11-18
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
    本研究は,動作者と観察者の呼吸リズムの相関性について検討した.動きの方向(in/out)と動きの質(tension/release)の異なる4つの動きを呈示する動作者と,これを観ている観察者の呼吸を測定した.分析の結果,ほとんどの観察者は安静時と変わらないリズムで呼吸していたが,動作者と観察者の呼吸は,呼息の開始時において,より相関性が高いことが示され,局所的に2者の呼吸が同調していることが示された.また,2者の呼吸の相関性は,動作者の身体が大きく広がっているときに高かった.動きの質(tension/release)の違いによって,2者の呼吸の相関の高さは異ならなかったが,tensionの動きは観察者に緊張の高まりや親しみにくさを感じさせ,releaseの動きは落ち着きや親しみを与えたことが動作観察後の気分調査より明らかとなった.
  • 神原 憲治, 伴 郁美, 福永 幹彦, 中井 吉英
    原稿種別: 本文
    2008 年 35 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
    心身症や機能的な身体疾患では,感情や身体感覚の気づきの低下が病態に関わっているとされる.我々は,心身症患者や機能性身体疾患患者と健常人を比較して,ストレス負荷前後の精神生理学的指標の変化を評価するPsychophysiological Stress Profile (PSP)を行い,その際の客観的生理指標と自覚的感覚の関係性について調べてきた.これまでに,心身症患者群と健常群で,緊張に関する主観的指標と客観的指標の間の関係性に何らかの違いがあることが示唆されている.今回我々は,当科を受診した心身症患者52例と健常対照群30例にPSPを行い,ストレス負荷前後における生理指標(精神的な緊張の指標としてスキンコンダクタンス,身体的な緊張の指標として前額筋電位),及び,その際の自覚的感覚(精神的・身体的緊張感)の変化について検討した.その結果,生理指標については2群間で有意差は認められなかったが,自覚的緊張感については2群間で有意差が認められた.心身症患者群は健常群と比べて,客観的には同程度の緊張であったが,主観的には精神的にも身体的にも高い緊張を感じていた.特に身体的緊張感については,健常人に比べて緊張・弛緩のメリハリの小さいパターンであった.健常人はストレス時に身体的緊張を感じるのに対して,心身症患者群はストレス前やストレス後にも高い緊張を感じるために,ストレス中との差(メリハリ)が小さくなったと考えられた.高い緊張感が持続すると弛緩した感覚が分かりにくくなり,アレキシソミア(失体感症)につながっていくと思われる.このような病態に対して,バイオフィードバックを中心とした心身医学的アプローチを行い,身体感覚が回復する経過を辿った,顎関節症(心身症)の一症例を紹介しながら,身体感覚の気づきへのプロセスとバイオフィードバックの関わりについて考察を加えた.症例は,当初全身の緊張が高く,思考優位で,身体感覚の気づきが低下して顎や肩の緊張も感じられない状態であった.バイオフィードバックを含めたアプローチによって感覚と思考のつながりが回復し,身体に対する気づきが高まり,緊張がゆるんでいった.それに伴って,どこに問題があるのかが分かるようになり,健康的な身体感覚が戻ってきた.池見らは,バイオフィードバックは身体的な気づきを促す上で有用であると述べている.フィードバックされた身体の状態(客観的指標)と,自分で感じる身体の感覚(主観的感覚)をマッチングさせることで両者の乖離に気づき,それが手掛かりになって身体感覚の気づきが高まる.そのプロセスの中で,脳幹や大脳辺縁系と大脳新皮質の機能的乖離が改善し,伝達機能が回復すると考えられる.身体感覚の気づきが高まると,感情の気づきにもつながり,心身相関の気づきにもつながっていくと考えられた.
  • 松本 清, 佐久間 春夫
    原稿種別: 本文
    2008 年 35 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
    本研究では,競争の結果の認知の特徴を明らかにするために,反応時間課題を用いた競争課題を実施し,結果の呈示によって誘発されたERPを記録した.被験者の競争心の高さを調査し,競争課題時には相手の姿が見える場合と見えない場合とを設定した.P300は注意資源配分の指標となり,N400は意味処理を反映するとされていることから,これらの成分に対する,競争心の高さ及び競争相手の可視性の影響について検討を行った.その結果,競争時には勝つことを目標としていることを反映して勝った時にはP300が増大し,負けた時には目標と結果が不一致であることからN400が増大した.競争心の高い人のP300は競争心の低い人より減少し,その傾向は競争相手が見える場合に顕著であった.競争心の高い人は相手が見えない場合にP300が増大し,対照的に競争心の低い人のP300は競争相手の可視性に関係なく一定の振幅であった.これらことは,競争心の高い人が,結果が呈示されるのを待つだけでなく,自己と相手のパフォーマンスの比較といった他の情報を積極的に収集することによって結果を予測していることを示唆している.N400については,競争心の高い人の方が競争心の低い人よりも増大していた.このことは,競争心の高い人が低い人に比べ,自己のパフォーマンスと呈示された結果とを意味的に統合するためのフィードバック処理を,より積極的に行っていることを示唆している.以上の結果から,一般に競争状況下において,人は勝つことを目標として課題を遂行し,結果を認知した後にも次の競争に備えてフィードバック等の処理を行っていること,競争心の高い人は結果を重要視し,競争時には絶えず活発な情報処理を行っていることが示唆された.
  • 松本 義伸, 吉井 孝博, 平川 晋也, 山田 暢一, 福本 一朗, 田村 正人, 中島 孝
    原稿種別: 本文
    2008 年 35 巻 1 号 p. 33-40
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
    日常生活において不随意に手足がふるえるパーキンソン病(PD)や本態性振戦疾患(ET)の患者がいる.彼らは振戦を制御できないために,茶を注ぐ,字を書く等の日常生活が困難となっている.我々は,これら病的振戦を抑制する方法としてバイオフィードバックを用いることを考え,そのための基礎データを収集するために3軸型加速度計,ペンタブレット及びPCからなる振戦計測システムを構築した.さらに,このシステムを用いて患者の書字動作が筆跡の有無によって影響を受けるかどうかを調査した.被験者はPD患者10名(PD群),ET患者8名(ET群)とした.予め,被験者の振戦の程度を医師により分類した.被験者は事務椅子に座り,タブレット上のアルキメデス螺旋図形を描写した.被験者には,正確に図形を描写するよう指示した.加速度計は被験者の利き手人差し指に装着し,被験者は以下の2つの条件(筆跡なし条件と,筆跡あり条件)にて螺旋描写実験を行った.その結果,筆記加速度の振幅は被験者の振戦重症度と高い正の相関を示した.PD群,ET群とも,筆跡有の条件で,筆記加速度の振幅は有意に大きくなった.またPD群においては,筆跡有の条件で描写図形の乱れが有意に大きくなった.以上のことより,振戦疾患患者のバイオフィードバック訓練システム構築における,加速度指標の有用性が示唆された.
  • 端詰 勝敬, 小田原 幸, 奥平 祐子, 林 果林, 天野 雄一, 吉内 一浩, 坪井 康次
    原稿種別: 本文
    2008 年 35 巻 1 号 p. 41-46
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
    片頭痛に対するバイオフィードバック療法やリラクセーションの治療効果がレビューによって示されている.しかし,片頭痛患者の心理的要因や社会的要因に対する治療効果は明らかでない.今回われわれは,前兆のない片頭痛患者に対して皮膚温・筋電図バイオフィードバックとリラクセーション法を併用した治療を試みた.また,ecological momentary assessment (EMA)を用いて身体的要因のみならず,心理・社会的要因も調査した.バイオフィードバック療法により,頭痛,吐き気,鎮痛薬の使用回数,ストレス,うつ,不安,イライラ,頭痛による生活支障度に改善がみられた.これらの身体的および心理社会的因子に対する効果はバイオフィードバック療法終了10週後にも持続していた.
  • 堀内 聡, 井上 泰人, 宮澤 大亮, 津田 彰
    原稿種別: 本文
    2008 年 35 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
    本研究の第一の目的は,競映描写課題(MDT)負荷が呼気終末二酸化炭素分圧(PetC0_2)及び呼吸数(RR)に与える影響を検討することであった.第二の目的は,課題難易度の上昇がMDT負荷時のPetC0_2及びRRに与える影響を検討することであった.10名の健常大学生が実験に参加した.4分間の安静後,2つの条件(易条件及び難条件)をこなし,続いて4分間の後課題期をこなした.難易度は道幅を狭めることで操作された.易条件におけるMDTはRRを有意に上昇させたが,PetC0_2には影響しなかった.両条件間のPetC0_2及びRRに有意差はなかった.これらの結果から,MDT自体はRRを上昇させるがPetC0_2には影響がないこと,そしてこれらの効果は課題難易度からは独立であることが明らかになった.
  • 西村 千秋
    原稿種別: 本文
    2008 年 35 巻 1 号 p. 53-58
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
  • 及川 欧, Paul Lehrer
    原稿種別: 本文
    2008 年 35 巻 1 号 p. 59-64
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
  • 端詰 勝敬
    原稿種別: 本文
    2008 年 35 巻 1 号 p. 65-68
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
  • 竹林 直紀
    原稿種別: 本文
    2008 年 35 巻 1 号 p. 75-76
    発行日: 2008/04/25
    公開日: 2017/05/23
    ジャーナル フリー
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