文化人類学
Online ISSN : 2424-0516
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72 巻, 1 号
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  • 原稿種別: 表紙
    2007 年 72 巻 1 号 p. Cover1-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    2007 年 72 巻 1 号 p. Cover2-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 72 巻 1 号 p. App1-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 金子 正徳
    原稿種別: 本文
    2007 年 72 巻 1 号 p. 1-20
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
    本論文は、インドネシア共和国ランプン州に位置するプビアン人社会の婚姻儀礼の事例を中心として、新秩序体制期とそれ以後数年の間にみられた社会文化動態を分析する。今日のインドネシアでは、婚姻儀礼は二つの側面から解釈される。一つはアダット(慣習/慣習法)の側面、もう一つはクブダヤアン(文化)の側面である。アダットの側面からいえば、婚姻儀礼はそのエスニック集団のアダットに従い、正しく行われねばならない行為である。村落を活動基盤とするアダット知識人がその中心にいる。クブダヤアンの側面からいえば、婚姻儀礼は意味や象徴性という観点から解釈される対象である。都市を活動基盤としているローカルな知識人によって、各エスニック集団のアダットはインドネシア国民文化にとって必要不可欠な地方文化の一部分として解釈される。同じ対象を扱いながらも、アダットとクブダヤアンは異なる知の体系なのである。K村で行われたある婚姻儀礼は、アダット儀礼というだけではなくて、文化イベントとしても位置づけられていた。ここでは、アダット知識人とローカルな知識人が同時に行為者となるという特異な状況がみられた。この婚姻儀礼のクライマックスでは、プビアン人社会外部からやってきた来賓へ儀礼行為の意味や象徴性を説明する役割を負っていたローカルな知識人に対して、儀礼進行の主導権を奪おうとしたアダット知識人が仕掛けた小競り合いがみられた。小競り合い自体は儀礼の出資者によってすぐに収められ、以後は何事もなく進められたが、これはアダットとクブダヤアンの関係を如実に示している。アダットとクブダヤアンは単に並存しているのではなく、両方を一度に選択できない二つの選択肢として、一つの解釈装置を構成している。二つの概念の近接が生みだしたこの解釈装置を介して、現代の地方エリートは地方社会内部での上昇を図っているのである。
  • 藤本 武
    原稿種別: 本文
    2007 年 72 巻 1 号 p. 21-43
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
    人類共有の財産とみなされてきた世界各地の多様な作物は、今日地域の文化資源や世界の遺伝資源と認識され、保護が模索されるとともに、そのアクセスと利益配分をめぐって国際的な議論がかわされつつある。ただ、そうした多様な作物がもっとも豊富にみられるのは周辺地域の諸社会であり、文化人類学からの貢献が期待される。本論が分析するのも、アフリカのなかで例外的に長い国家の歴史をもつエチオピアにあって、その西南部という十九世紀末に国家体制に編入され、今日数多くの民族集団が分布する周辺地域における一少数民族の事例である。従来の研究では、各民族集団における固有の生態条件や文化的慣習との関連でその多様性が考察されることが多かった。しかし時間・空間的な範囲を広げて検討した本論の分析からは、今日の民族集団の枠組み自体が自明なものでなく、国家体制に組み込まれる以前、人びとは境界をこえて活発に移動をくりかえしてきており、むしろそうした広範な移動・交流によって今日の多様な作物・品種の基礎が築かれていたことが示唆された。また自給自足的だった経済は国家編入を契機に変化し、二十世紀に外部供出用の余剰生産を企図した穀物栽培が拡大するなかでその品種への関心は低下し、一部の穀物品種はすでに失われ、あるいは現在消失の危機に直面している。その一方、果樹や香辛料、野菜などの副次的な作物が外部から次々ともたらされ、庭畑に積極的に植えられることで全体の作物の種類は増えてきている。つまり、近年の作物の多様性の動態は一様ではない。ただ、いずれも社会のあり方と密接にかかわって変化するものであることを示している。今後作物資源の保護を模索する際は、民族集団などの単位で閉じた静態的なモデルにもとづいて構想するのでなく、より広い範囲を対象に人びとどうしのつながりや交流を促していく動態的なモデルにしたがって構想していくことが望まれる。
  • 辰巳 慎太郎
    原稿種別: 本文
    2007 年 72 巻 1 号 p. 44-67
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
    本稿では東ティモールにおいて独立の是非を問う住民投票後の騒乱のさなかにおこった少女の連れ去りを事例として、少女が反独立派民兵の「性奴隷」の状態にあると訴える支援活動の言説と、「結婚」の文脈で説明する少女の家族、および共同体の理解の相違について考察する。従来の人類学は、略奪婚を集団間の結婚の一形態として記述し、共同体における儀礼的、社会的意味により関心を払ってきた。しかし結果として出来事の暴力性、当事者である女性の視点には注意が向けられなかった。他方、紛争下の性暴力の問題を訴える普遍的人権やフェミニズムの言説は、略奪婚も紛争下の性暴力の一形態として取り上げるようになった。しかしながらそうした言説の持つ普遍主義的性格は、当事者である女性の経験の多様性を奪っている側面もみられる。このような略奪婚をめぐるグローバルな言説とローカルな規範双方における当事者である女性の視点の不在は、近年の研究で指摘され、当事者の視点に主眼をおくことの重要性が指摘されるようになった。本稿の事例では、当事者である少女自身が新聞報道を通じて誘拐の事実を否定し、結婚の意思を表明していた。本稿ではこの当事者からの拒絶に対する人権活動家、家族、共同体それぞれの反応に焦点をあてることによって、この出来事をめぐる「和解」の認識論的問題について考察を試みる。この考察によって、暴力をめぐるグローバルな言説と共同体や当事者の論理の相違は、「他者」が受けた痛みに主眼を置く普遍的立場と、「自己」が受けた痛みをどのように解決するかという「和解」の論理にあることを主張する。この議論を通じで、出来事の暴力性を抹消することなく、かつ当事者のエージェンシーをも認めうる民俗誌的記述の可能性を探る。
  • 村橋 勲
    原稿種別: 本文
    2007 年 72 巻 1 号 p. 68-94
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
    本論は、エチオピア西南部の鍛冶職人を対象として、20世紀以降に土着の製鉄が衰退した背景と過程を明らかにし、鍛冶職人と社会との関係の動態を浮き彫りにすることを目的とする。従来の研究の多くは、両者の関係をマジョリティである農民の視点から分析してきたが、本論は鍛冶職人からみた伝統的社会とは何かを明らかにし、社会の変容に対する鍛冶職人の生存戦略を考察する。農耕民族ディメの鍛冶職人はギツィと総称され、集団内での内婚を行ってきた。彼らは農民から特殊な職能集団とみなされ、日常生活のさまざまな面において忌避されてきた。また、伝統的に製鉄と鍛治を生業としてきたが、廉価なスクラップ・メタルの流入や社会主義政権下での土地改革といった要因によって、1970年代後半に製鉄を停止した。製鉄の衰退に伴い、ギツィは鍛治を放棄して農耕に専念する者たちと、鍛治を続けながら農耕も行う者たちとに分かれた。また、1980年代以降には、鍛冶職人の少ない他民族で鍛治をするギツィも現れた。移住者たちは互いに異なる集落に分散して居住し、独自に顧客を得ながらも、ディメに暮らす親族とも密接な関係を維持している。伝統的社会において、鍛冶職人は首長との相互依存関係によって、製鉄と鍛治という生業を維持してきた。しかし、20世紀以降、ローカル社会の変容に伴い、製鉄の存続は困難になり、首長とのパトロン-クライアント関係も失われた。農耕への転換や他民族への移住といった鍛冶職人の生活の変化は、それぞれの職人がローカル社会からの政治・経済的自立を果たす過程における主体的な生存戦略であると考えられる。
  • 佐藤 斉華
    原稿種別: 本文
    2007 年 72 巻 1 号 p. 95-117
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
    本論文は、ネパールのチベット系ヨルモにおいて急速に過去のものとなりつつある嫁盗り婚(略奪婚)という結婚締結の一選択肢がいかに語られているかを考察することを通じ、グローバルな広がりを持つ「開発」という「近代」的価値言説との交叉において構築されつつある彼らの現在の一段面を照らしだそうとするものである。比較的近年までかなりの規模で嫁盗りを実践してきたと見られる彼らが、この慣行について自ら積極的に語ることは現時点では基本的にない。知りたがりの外部者(例えば筆者=人類学者)に促されて語るとしても、例外なく否定的に、消え去るべき「昔のこと」として語るのみであり、その語り口は近代(西欧)が嫁盗り婚に向けた「過去の」「野蛮な」慣習という視線と一見軌を一にするとも見える。しかし、語りの内容や語る行為において遂行されること(=発話のパフォーマティヴな側面)を子細に腑分けしていくにつれ浮かびあがってくるのは、彼我の類似性・同一性であるより、むしろ彼我の間に横たわる距離であった。即ち、彼らによる嫁盗り婚の否定は、「女性の権利」や「解放」といった嫁盗り婚否定を支える「近代」的価値観の採用によるものではない。それは彼らにおいてローカルに培われてきた価値観の、さらなる純化/強化(=社会的対立/宗教的秩序攪乱の回避)にむしろその根拠をおいている。またそれは確かに、「進歩」を掲げる近代的世界に向けた彼らの積極的参画の働きかけではあった。だがこれらの発話は、彼らの近代世界への参画を一義的に促進する効果を持つというより、その根底にある価値観の異質性とともに、開発への一途な信奉と(既にそれを手放した「開発された」中心に身をおく立場からは)見えるその素朴さにおいて、近代世界における彼らの周縁的位置をむしろ再-構築してしまうという、相矛盾する動きの同時遂行ともなっていたのである。
  • 太田 好信
    原稿種別: 本文
    2007 年 72 巻 1 号 p. 118-120
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 板垣 明美
    原稿種別: 本文
    2007 年 72 巻 1 号 p. 120-124
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 山口 睦
    原稿種別: 本文
    2007 年 72 巻 1 号 p. 124-128
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 西澤 治彦
    原稿種別: 本文
    2007 年 72 巻 1 号 p. 128-130
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 72 巻 1 号 p. 131-135
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 72 巻 1 号 p. 136-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 72 巻 1 号 p. 137-139
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 72 巻 1 号 p. 139-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 72 巻 1 号 p. 140-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 72 巻 1 号 p. 140-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 72 巻 1 号 p. App2-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 72 巻 1 号 p. App3-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2007 年 72 巻 1 号 p. App4-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    2007 年 72 巻 1 号 p. Cover3-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    2007 年 72 巻 1 号 p. Cover4-
    発行日: 2007/06/30
    公開日: 2017/08/22
    ジャーナル フリー
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