【目的】新型コロナウイルス感染症対策のための自粛要請期間において,フレイル状態の経時変化に関連する要因を明らかにすることを目的とした.【方法】2020年5-7月のベースライン調査で回答が得られた地域在住高齢者1,217名を対象に,6ヶ月と12ヶ月後に再調査をするコホート研究を実施した.簡易フレイルインデックス,後期高齢者の質問票,生活変化の質問票を含む調査票を配布した.ベースライン調査で非フレイル群とフレイル群に分けた.【結果】フレイル状態を従属変数とする多重ロジスティック回帰分析の結果,非フレイルで有意に関連した項目は,6ヶ月後で自覚的な足腰の力(Odd Ratio [OR] 3.35),12ヶ月後でむせ(OR 1.68)と喫煙習慣(OR 2.48)であった.フレイル群でフレイル改善に有意に関連した項目は,6ヶ月後で転倒経験なし(OR 31.98),12ヶ月後で会話の機会(OR 2.84)であった.【結論】フレイルの経時変化には,自覚的な足腰の弱りやむせ,喫煙習慣,転倒,会話の機会が関連した.
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