【目的】農村地域で暮らす高齢者を対象に,手段的日常生活活動(Instrumental Activities of Daily Living, IADL)の実施状況と客観的身体活動量の性別および骨格筋量低下者の特性について明らかにする.【方法】65歳以上の高齢者55名を対象とし,AWGS(Asian Working Group for Sarcopenia)2019の基準をもとに骨格筋量低下者を選別した.IADLは改訂版FAI(Frenchay Activites Index),身体活動量は3軸加速度センサー付き活動計を使用し,計測は非積雪期に実施した.男女および骨格筋量で区分した2群での比較を実施した.【結果】女性は男性と比べ屋内家事の実行状況や低強度の活動量(Light-Intensity Physical Activity, LPA)が多く,LPAの中でもより強度の強いHLPA(High Light-Intensity Physical Activity)が有意に多かった.骨格筋量が維持できている高齢者の特徴として男性ではFAIの仕事,10分以上持続する中高強度身体活動量(Moderate to Vigorous Physical Activity, MVPA)の実施時間,回数が多く,女性ではFAIの屋外家事,10分未満の細切れで実施するLPAの実施回数が多かった.【結論】高齢者の健康的な生活を支援するにあたり,性別による生活行動や活動強度別の身体活動の違いを考慮する必要がある.
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