【目的】入院中の患者家族に対する,介助不安感(身体介助への不安感)評価の信頼性および妥当性を検証することを目的とした.【方法】対象は回復期リハビリテーション病院に入院した患者家族36名とした.介助不安感は,Functional Independence Measure (以下,FIM) 運動項目に基づく患者のactivities of daily living (以下,ADL) に対する介助への不安感を評価した.信頼性の検証には検者内信頼性と内的整合性を確認し,妥当性の検証には介助不安感と家族の心身機能,患者のADL評価との関連性を調査した.【結果】介助不安感の評価票は高い検者内信頼性(級内相関係数(1,2)=0.898)と内的整合性(α=0.959)を有することが確認された.妥当性の検証では,介助不安感は家族の不安(r=0.378),身体的Quality of Life (以下,QOL) (r=-0.335)と有意な弱い相関を示し,患者のFIM運動項目(r=-0.460),FIM認知項目(r=-0.531)と有意な中等度の相関関係を認めた.【結論】入院中の患者家族に対する介助不安感評価は良好な信頼性を有し,家族の不安やQOL,患者の生活機能との妥当性が確認された.
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